見たいものを見られず会いたくない者に会ってしまった街で
岩手県内は今朝、今秋一番の冷え込みだとか。この宿も障子を開けたら、窓ガラスが曇っていました。
宿そのものは大変良好なのです。大浴場があり無料のランドリーがありロビーには無料のコーヒーサービスがあり、部屋は広く飯はうまい。眺望良好。
立地にやや問題がありました。
駅から歩いて28分(苦笑)
徒歩10分以内にはコンビニ一カ所を除き、飲食店未確認(゜◇゜)ガーン
さらに、駅から最終のバスは18時前。
そうしたわけで、せっかく全国旅行支援でもらった計6千円のクーポンのうち5千円は明晩の釜石で使ってしまう必要があります。夕食がとれる店を探す余裕はなく(タクシー代を出してまでこのクーポンを使いたいとは思えない)、朝ご飯をたくさん食べてしまうのでお昼ご飯を食べる必要もない、そんな妙なことになりました。
そんな滞在期間中の、珍事。
僕はこの街で、初めてマスク警察ってやつに出会ってしまったのです。
日本がコロナ禍に見舞われて2年8ヶ月過ぎた今になって、
首相が国会で、野外ではマスク不要と言い出した今になって、
当該マスク警察を除けば周囲5m以内に誰もいない、駅前広場で!
…どうしてこの冴えないおばさんからマスクの着用を言われねばならぬのか。
ここが日本のチベットだからか(←悪意ある曲解)
間抜けな本人訴訟の被告じゃあるまいし、そんなチンケなことやって人の足を引っ張るから都会に人が流れるんだぞ、とは言いませんでした。
余計なお世話だ、とはお伝えしましたよ。簡潔に。
これは昼休みの話なんですがちょっと心がささくれていたのです。
今日あったもう一つの初めて、は裁判所滞在時間の最長記録かもしれません。9時10分過ぎに裁判所に入り、16時55分過ぎに閲覧終了し、お昼の65分を途中退出して、都合6時間40分以上を裁判所内で過ごすことになりました。
訴訟の記録を見る、それだけのために(゜◇゜)ガーン
この街は宿もよかったのですが裁判所もよかったのです。記録閲覧の申請をしたらなぜか手続き案内用の個室に誘導され、延べ3名の係員に引き継がれ(あ、ここは半分面白がってますが)、最終的には誰も来ないため個室化した競売物件閲覧室で一日、訴訟記録の閲覧をして静かに過ごすことができました。
記録の厚さはだいたい14cm。ドアの向こうでときおり人が通り過ぎるほか、閲覧室の外は静かです。
あまりにも静かすぎて耳の奥から『シャー』といった音が聞こえてくる、もうそのくらい静かです(笑)
※上記のような、実際には聞こえない音を静寂時に感じる方はいらっしゃるはず。僕もそのひとりです。
そんな記録の閲覧でついに見られずに終わったもの。
今回閲覧したのは山林の無断伐採に関する損害賠償請求訴訟です。
原告被告のあいだで損害額の計算方法が、最大の争点となっておりました。
が、しかし。
この訴訟代理人どもときたら、『実際に被害山林からどれだけの立木が伐採されたか・ほんとうはどれだけの価格で、どこで売却されたのか』に興味を示さないんです。
双方とも、言ってしまえば全然違うところから引っ張ってきたテキト-なデータで推計を繰り返し、それぞれ自分のほうが優れてる客観的だ、って言い合ってるだけ。
陳述書でも準備書面でも主尋問でも反対尋問でも実際に切った木をどこへ持って行きいくらで売ったかを、聞かないのです。語らないのです!
…かろうじて裁判官の補充尋問でちょっとそうした尋問が出てきたときには、調書を読みながら苦笑しましたよ。
裁判官、焦れてるだろって(苦笑)
原告被告計3人、証人2人に弁護士5人法廷に集めてこれか、さては法廷内でも人がマスクしてるかどうかにしか関心ないのか、とは思わされました。
僕ならここでいろいろ突っ込む反対尋問を用意したはずなのに、この議論の散漫さはやはりマスク警察が関係者に紛れ込んで相手側の足を無駄に引っ張っていたからなのか、と邪推してしまいます(あ、文字通りほんとうに邪推です)。
そうしたわけで肝心な点ではあまり参考にならない記録閲覧ではありましたが、別にみるべき点はありました。
逆にこのテキト-な…といいましょうか、教科書には書いてあるが現実との関連は一切考慮しないパラメータをぶっ込んでホラこれが山林盗伐の損害だよ♪人間がいない屋外でもマスクはしようね国会で岸田が何言ってるかは一切考慮しないよここは岩手県なんだから♪などと主張しても認められてしまう、ということではあるのです(あ、屋外でも云々はこじつけです)
こんなやり方、実務に使っていいんだろうか…まぁ訴訟になって他に手がないときの非常手段としてはよかろうな、と思っています。
見慣れない奴がいたらまずそいつのマスク非着用を指摘して悦に入るのと同程度のイジワルとしては、確実に有用です(まだ言ってるし)
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