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相続人申告登記の受託費用・手続きを来所不要とする扱いについて

右や左の同業者さまに、いま聞いてみたいこと。表題の件、どれだけの事務所がすでにお決めになったのでしょうか。

…高いところでは一発三万円、という事務所も見かけました。
僕のところの相続登記より高いじゃん(゚◇゚)ガーン


4月1日から始まる相続登記の手続義務化に関連して、相続人申告登記の制度に関する省令・申請書式がようやく一揃い公開されました。

僕が省令案公表段階で気にしていたのは被相続人や中間相続人の死亡時の住所をどう届け出させるつもりなのか、でした。これが印鑑証明書付き上申書で行ける、という線におさまったことでどんな作業が必要かは一通り見えてきたようです。

一連作業を、作業分析してみます。この手続きの難易度、というか処理にかかる想定所要時間を出しました。
これに僕がほしい作業時間単価を乗じたのち、この手続きの社会的な意義に基づく減額補正のようなもの、をまぁ一応施して。

当事務所では当分のあいだ、相続人申出書の作成について基本の報酬を5千円(税別。以下同じ)と決めました。

複数筆の土地について同時に申請する場合は1筆2千円を加算し、複数人の法定相続人について同時に申請する場合は1名2千円を加算します。

申請代理をする場合、同じ依頼人から受託し同じ法務局に同時に申請できる全申請をまとめて1回3千円を加えます。

この申請は不動産に関する権利の変動にまったく影響しない性質を持つことに鑑みて、当事務所への来所・面談は不要です。
というより来所による対応は別に相談があるなどの場合をのぞき、原則としておこなわないものとします。

本人確認は本人限定受取郵便による委任状・業務委託契約書の送付により、この実費および手続き終了後の書類送付の実費は上記の報酬に含みます。

付随する手続きとしてはこの手続きに必要な最低限の戸籍記録の収集代行が想定されるところ、これは1親等の尊属(父母)について5千円、2親等の尊属(祖父母)については8千円、以後一親等増えるごとに3千円追加とし、いずれも除籍謄本類取得の実費を含むものとします。

これらの費用体系について、相続登記山林に関する登記の各ページに掲出を始めました。

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基本的には上記の報酬体系で相続人申告関連の各申請に対応する予定ですが、以下の状況では報酬を減額します。

  • 申請不動産について、QRコード付きの登記情報・登記事項証明書を取得済みの場合
  • 業務完了後、申請不動産について登記情報の取得を要しない場合
  • 各種団体・共有者の集団から同時に複数件の発注があった場合

要はこの相続人申告登記について、できるかぎり発生費用を一定にし作業の手間を省きその手間の一部を依頼人側が負担してくれるか大量発注してくれれば安くやってやろうではないか、特に山林その他費用負担力の低い土地・状況で、ということです。

そんな思惑がありまして、事務所内では登記情報についてるQRコードを申請用総合ソフトで読めるようにしてみたり、林業雑誌や研修の講義では森林組合の皆さま方に『山主に対する支援として、登記情報提供サービス経由での登記情報取得代行は法的に可能。手数料収受も可能』という啓蒙活動を展開したりしていたところなのです。

いっそ相続未登記土地の山主さんたちから一ロット100件単位でバルク発注がほしい。
そういうのが全部、発注者側で取ってくれた登記情報(と、できれば依頼人名簿)が添付された状態で受託できるんだったら相続人申告登記一件2000円でやってもよかろう、などと思えています。ある意味手前勝手な発想ではありますが。

ではありますが、どんなことでも下には下がいるものです。
きっとこれも抵当権抹消登記と同様に、一件1980円安いぞ安いぞ見ろ見ろ見ろ、とかいう事務所が出てくるだろうと見ています。

以下は余談です。

上では抵当権抹消登記を例にしましたが、いろんな手続きをやたらに安くやると標榜する同業者の事務所がありました。他県です。

その方のウェブサイトは間違いなく自作で、そしてそれはそれは下品に思えました。
抵当権抹消も相続登記も敷金返還も残業代請求も、とにかくひたすら安さを強調している、と(ケッ)

何ヶ月か前、とさせてください。その同業者の名前が業界誌の後ろのほうのページに出てきました。

…ほーらやっぱりね、と思って興味津々で読みました(僕もこういう局面ではゲスいのです)
どうもそいつは司法書士が代理人になれない案件でいろんなことを依頼人の頭越しにやっていた模様です。

より正確には、やりかけて放り出したように読み取れました。
その程度の支障で放り出すんなら裁判事務なんかやめちまえ、などと肝心な点とは全然別の経緯に怒ってみますが。

だから…ではありませんが、やっぱり気にはなるのです。その下品なウェブサイトに、相続人申告登記の費用情報がおいくらで出てくるか。

他士業法に違反しないようにおこなう相談準備(山林所得編)

25年ほど前。僕はそのころ、本職が毎朝出勤してきても従業員に決してあいさつしない、そんなふざけた土地家屋調査士行政書士事務所におりました。使い捨ての従業員C、といった位置づけの労働者として、日々怪しい実務を遂行していたのです。そんな在職中に先任者から聞いた言葉でなぜか忘れられないのが『所有権保存登記なんかオレでも出来る』というものがあります。

このヒトきっとなにかやらかすな、と思った数年後、ご開業を経てちょっとした行政処分を受けたのが公表されておりました。ただ事務所そのものはご隆盛、ということであるようです。

法律はどこかで破ったほうが儲かる一方、他人に向かってその仕事を腐すようなヒトには相応の展開が待ってることも示された気はするのですが…表題の件。

ふだんは依頼人に厳しい代書人として、特に裁判書類作成の相談では隣接の(正確には、上位互換の)他士業法に違反しないように気をつけているのです。
残念ながら業務遂行中・終了後に依頼人が裏切る展開も昨年あれこれ経験してしまったため、仮に相談中の発言を録音されてそっちの業界団体あるいはこっちの監督官庁に持ち込まれても大丈夫なように…です。

そんな僕が今月直面した課題。今回は法律相談ではなく、税務相談です。

山林所得が発生するらしい依頼人を、税務相談に該当しないようにして税務署の相談に誘導せよ、というものです。

ただし相談先で相談そのものの失敗を招かず適切な回答を得て帰ってこられるように、というところに凄い制限がかかっています。

山林=林地および立木の相続売買贈与あるいは法人への移行、にここ数年わりと積極的に取り組むようになった当事務所にとってにわかに意識せざるを得なくなったのが税理士法による制限です。同法2条1項3号では他人の求めに応じ課税標準の計算に関する事項について相談に応じることは税務相談に含み、税務相談は税理士業務であり、税理士業務は非税理士がやってはいけない、という流れで山林所得の計算そのものも非税理士たる僕がやっちゃダメ、となっています。

ふだん給与計算に従事する社労士さんが年末調整業務=給与所得を確定させる判断をしちゃいけません、というのとまったく同じ理屈で、司法書士は土地や立木を譲渡する契約を扱っても山林所得を計算して確定させるような助言をしてはいけない、ということになっています。

ですが時あたかも確定申告の季節、なのです。
そして今回、お客さまから聞いたところでは普段、確定申告書は自治体の相談会で作ってもらってるのだそうです。
聞けば従前、この相談会における自治体職員様のご対応はわりとぬるめ、いえ納税者に優しい印象がありました。
しかし今回、山林所得は複数の発生源があり自治体の相談会では対応困難…守秘義務を守って一般化すればそういう状況です。

そうだ、税務署、行こう。

お客さまはそういうのです。それは発想として正しいけれど。
あの役所、納税者から得られるおカネの最大化を目指してないか、と思えることが時々あるのです(苦笑)

しょうがないので空欄を意図的に設けた山林所得の収支内訳書を依頼人にファクスします。

さらに解説書も起案します。計算の流れ、と題して。


-計算の流れ-

 山林所得の計算の際には、次の3つの数値を使います。
 今回、間伐・売却した山林は■■様が相続した山林なので、すべて16年以上所有していることになります。
概算経費控除を使うかどうか相談で確認されたら、そのようにお答えください

○森林組合の間伐について
 ○○円…収入金額
 ○○円…伐採費

○立木の売却について
 ●●円…収入金額
  上記の金額は、立木の売買契約書に記載した代金です。
  
○計算の流れについて
 上に挙げた収入金額□件 を合計して
 伐採費 を、いったん差し引いて
  上記の額から、概算経費の額 を計上して
 収入金額合計から、あらためて伐採費と概算経費を差し引いて
  上記の額から特別控除の額を差し引くと山林所得の額になりますが、正確な金額は、税務署の相談で確認をお願いします


本件では15年前の12月末日以降現在まで山林を保有している人が立木譲渡収入を発生させた場合に譲渡収入から譲渡費用を引いた金額の半額を経費として控除してしまうステキな特例=概算経費控除を使わせるのが絶対に重要なのです。

ではありますが当人が主体的に選択しないとそういう特例は用いられないような作りに、計算書がなっています。

しょうがないので意地でもこれを使わせるように誘導する文言は入れますが、概算経費控除が使えると僕からは言わないのです(苦笑)
さらに正確に上記の起案をお読みいただくと、『概算経費控除を使うと答えよ』という助言もしていないのです。
僕は単に、この制度を使える期間、山林を所有していると言うように助言しただけである、と。

で、僕が足し算や引き算や割り算ができるかどうかはさておいて、文末赤字部分はとにかく強調せねばならないのです。

こんな計算オレでも出来る、などといったら負けなゲームをクリアするため、ではありますが…まぁそれもいいか、と思っています。

これについては、ちょっと思うことがあるのです。

上記のような面倒くさい動作を通じて、お客さま方に法律相談やら税務相談に該当する営み(その相談で得られる判断や、その根拠になる法律や制度)に関心を持って貰えるならそれでいいのではないか、と。

…そうでも思わないと上記の資料作成のような無料作業に耐えられない、とも思ってしまうのですが。

儲かる依頼から撤退し儲からない仕事に飛び込んだ話し

先週土曜日。十年以上前に不動産登記のご依頼を受けた方からの継続相談がありました。不動産売却の準備として、関連するちょっとした登記の申請を昨年終えたところなのです。

『不動産業者さんがいうには、今後の売買では買主さんが司法書士を指定することになっているそうです』

相談の冒頭、そんなお知らせがありまして。
当事務所では貴重な売買に基づく所有権移転登記の案件が一つ、消えました。
さようなら売買(ばいばい)、などと言ってみたい気がします。

春は別れの季節なのかもしれません。話しはさらに続くのです。

今週月曜日。050-のIP電話からの着信が通知されました。
収益物件への投資かウェブ広告への出稿か金の先物取引か、とにかくそうしたろくでもない勧誘電話がかかってくる王道のパターンです。近年では東南アジアのリゾート地近辺のマンションを拠点に振り込め詐欺、というのもある、と聞いています。

それを見越して個人名を名乗って出てみたところ、やや状況が違っておりました。

話者の語調をたとえるならば『新人研修中のかけ子 in 振り込め詐欺業者』。

たどたどしい口調で、言うのです。

こちらは○○省に関連する独立行政法人である、と。

名乗ってみろよ怪しくないなら(怒)
ということでこちらは改めて丁寧に事務所名と司法書士名を伝え、法人名を伺ってよいかと尋ねました。

話者、たどたどしい口調で曰く

○○省に関連する独立行政法人である、と。

これはダメだ。仮にその法人が実在したとしても、この担当者ではダメだ(呆然)

ただ、そう思わせてから担当者がたどたどしく続けた要件は不動産投資でもウェブマーケティングでも先物取引でもなく、まして振り込め詐欺でもなかったのです。

ウェブサイトを見た、不動産登記を依頼したい、というのです。

不動産売買の案件である、見積もりをとれないか、と。

独法なんだろ?入札にだせよ(怒)

税金およびその使い道ってもんをどう心得ておるのか、こんな場末の零細事務所に高額物件購入案件の依頼などすべきでない、駅前の大きなビルに事務所を持ち損害賠償保険は上限まで加入している大規模司法書士法人に行け、とまでは申しませんが辞退を通告しました。

仮に少額の単発業務だから随意契約でヨシ、とするにしても。
そんな契約の正当性を担保するために捨て見積もりを出させられるこっちの身にもなれ、と言わざるを得ません。

そうやって2件目の売買案件から撤退したあと、思い立って着信履歴に表示されていた050-の番号を検索してみました。

ほんとうにそうした法人が(その担当者が名乗らなかった法人名が)表示された、というのは当ブログを継続的にお読みの方が期待通りの展開だと思うのです(゚◇゚)ガーン

ちなみに当事務所では司法書士業務について、5000万円までの損賠保険に入っております。
その関係で、扱い金額が5000万を超える案件でこれを回避とするのは正当事由と認識しているところです。

さらに今週、水曜日。

見慣れない携帯電話の番号から電話がかかってきました。聞けば市外の不動産業者の担当者さん、とのことです。

「○○さんの件、ですね?」

これは明朗に応答してよい件でした。数年前に相続登記をお受けした方に気に入っていただいていたらしく、その方が今春、新たな土地建物を買う件で登記をしてほしいと頼まれていたのです。

それが順当に受託できるなら、当ブログのネタにはならないのです。

担当者さんは明朗に語ります。

本件はもともと、司法書士は売主が指定する契約条項があったのだ、と(゚◇゚)ガーン

さらにはこれでこれでこのとおり…と。
司法書士を指定したい買主の側に不利な情報をいくつか並べてみせるのです。詳細は伏せますが。

「つまり本件、わたしが辞退しちゃえば売主側司法書士さんに手続きを一本化できるんですよね?」

こちらも明瞭に応じます。声で笑って、心で泣いて(゚◇゚)ガーン

電話の向こうからは困惑しつつもホッとした気配が流れ込んできます(苦笑)
何やら妙に感謝されて、通話を終えました。

さて、新記録を樹立したかもしれません。
この一週間で3件の売買登記案件が、回避か謝絶か不採用、で僕の前から去っていきました。

昨年、登記原因を売買とする不動産登記事件の受託件数が1件であり、今年は現時点までで受託件数1件であることを考えるならば。
3年分の売買案件を失った、と総括してよいのかもしれません(゚◇゚)ガーン

話しは今週月曜日に戻ります。

月初に東京で林業関係の研修をやった主催者側担当者さんから、一週間ぶりにメールが入りました。

研修受講後のアンケートのなかに、講義への質問が入っていた、と。

もちろん答えるので整理できたら送ってください、と応答はしたのですが。

この講義では、講義前の質問と教材に3万字超、先にお送りいただいた講義後の質問に対し1万字超の回答を、それぞれ補足教材として提供を終えているのです。

特殊法人発の単価契約、と分類されるこの案件。
講義前後の質問=講義外の業務は、やってもやらなくても報酬は変わらない、のです。すでに所定の金額の振り込みをいただいてもいます。

ではありますが。

あと数千字~ことによっては1万字超、の追加作業を、ある意味当然視している自分がいるのです(゚◇゚)ガーン


もしこのブログのチェックを開始してしまった受講者さんがいるなら説明します。

ちょっとした手違い(というより、本来予定されていなかった箇所への質問事項の記入)により、お送りいただいている講義後の質問への回答は遅れています。

僕にそのことが知らされたのは4日ほど前だ、という責任回避を軽くおこなっておきますが。
事務局側から質問事項が送られてきたら2週間以内に回答作成・事務局経由で配布依頼する予定で準備中です。どうぞ気長にお待ちください。

平凡な1日になる、はずだったのに(東京出張2泊3日 後日談)

前回記事の続き。
2月5日12時から実行された東名高速道路通行止めにより、僕が乗った東京行きの高速バスは東名御殿場で運転打ち切り・乗客は静岡駅への送還を言い渡されました。その時点での現在地は御殿場インター、12時20分。

通行止め区間は東京-清水、ということですので仮にこれにしたがった場合、高速から追い出された他の車と一緒に一般道を静岡まで落ち延びる旅・推定2時間コース、に付き合わされることになるはずです。

僕が交通系YouTuberだったら大喜びで応じるとは思ったのですが僕はそういう分野に進出する気はなく、この日は国会図書館で書見にしたかったのです。

御殿場、というところに救いを見いだした気でいた僕は、ただの間抜けでした。

東名高速名古屋-東京間の各バス停のうち、無理なく鉄道に乗り継げるところはそう多くありません。静岡県東部ではこの東名御殿場がJR御殿場線御殿場駅へ徒歩圏内=スマホの地図では徒歩17分で行けることにはなっています。

寒いですが。
雪ですが。

御殿場駅に出てしまえば御殿場から神奈川県内・松田へ、小田急新松田から都内に入れる、と思っていたのです。

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箱根の山の険しさを知らずに、僕は50年生きてきたようなのです。
御殿場線の御殿場-松田も、もうこの日は運転をサボる、と決めていたようなのです(゚◇゚)ガーン

文字通り仕方なく、12時56分発の沼津行きで沼津へ向かいます。結局は東京から遠ざかる運命だったなんて(苦笑)

沼津-熱海-小田原-代々木上原、と乗り継いで永田町駅にたどり着いたのは16時半過ぎになってしまいました。

2日目。神田でおこなわれた講義会場へは十分に余裕をもって、30分まえに到着しました。

受付で『ご所属をお願いします』と聞かれたのはきっと僕が講師になんか見えなかったからに決まっています(わらうところ)
聞かれるままに「すずきしんたろう事務所・鈴木慎太郎です」と名乗って入場し、後ろに控える事務局担当者さんの席に歩み寄りましたところ…

名札が並んでいます。
2日目の研修では、そちらの官庁の担当者さんが講義を担当されると聞いていましたが…3人分、並んでいるのです。
たしか今回の研修、本来の=民間団体・会社からの出席希望者で満席になったと聞いていましたが…まさかこの方々

「監視役、じゃないですよね?」

冗談のつもりで事務局担当者さんに尋ねてみたのです。当然これを認める返事は返ってこなかったのですが。

講義の全日程をそこで過ごすのだこの人達も、というのです!

『官庁のガイドラインは、必ずしも裁判所の判断を拘束するものではないのです』などという講義資料をばらまこうとしている研修で
その主務官庁の皆様におかれましては、わざわざ霞ヶ関からご来駕賜る、ですと(愕然)

事前に言ってくれよ事務局
気になっちゃうだろそんなことされたら(゚◇゚)ガーン

ただ、研修1日目終了後にこの事務局担当者さんに確かめたところでは。
過去数年分の、林業雑誌に対する僕の寄稿を取り寄せてから僕への依頼を決めたとはおっしゃいました。

しゃべりたいようにしゃべらせたほうがいい、炎上するならどうぞ、ということだったのかもしれませんが(苦笑)

前泊含めて2泊の予約を入れた鶯谷のホテル、2日目だけ暖房が入らず電源ボタンが点滅のまま翌朝を迎えたのが今回の出張3日目にショックだったこと、ではあります。ともかく風邪はひかずに、出張から帰ってくることはできました。

普段より過酷だった今回の出張、仕事は終わっていないのです。

講義2日目10時50分から1時間予定されていた税制担当者さんのご講義が面白く、質疑応答が白熱していました。予定していた講義終了時刻まで、あと5分。その後は12時から僕が担当する質疑応答が30分あって講義終了、の予定ではあったのです。
このとき後ろの席で聞いていた僕は、一つ後ろの席の事務局担当者さんに提案します。

「僕の質疑応答時間で扱い切れない質問があれば、後日対応することにしますからそのように告知してください。この講義を停めないようにして、そのまま走ってもらいましょう」

後ろの席で労働時間を延ばす談合が成立したことに気づかれたか否かはさておいて、税制担当者さんの奮闘はその後も続きます。
結果、予定を18分ほどオーバーして講義終了となりました。

残りの時間でいくつかの質問に答えて12時30分、僕の講義は一応ちょうどよく終わったのです。

ですが。

まず本日、1件目の追加質問が降ってきました。今後もいくつか来るだろう、と覚悟はしています。
やるしかないよな、自分で言ったんだし(苦笑)

公式な森林所有者探索フローの脇で(電話帳記載の住所情報の変遷に関する備忘)

少しずつ少しずつではありますが、県市町村から直接ご依頼をいただく山林関係の仕事が増えてきました。
今は報酬の発生に至っていない、という問い合わせについても自治体担当者さんが示してきた案件が興味深い場合は関与しています。

無料で(笑)ではありますがこれは特別と考えましょう。少なくとも一般顧客誘致目的の無料相談で消耗させられるよりよほど有意義な知見を僕のほうでも集積できます。僕のほうでもこうした事実上の行政協力をおこなうことで、行政の裏側を見られる価値があるのです。

…貴県じゃ守秘義務ってのはどうなってんですか?
などと聞いたりはしないようにしています(遠い目)


さてこの手の案件、規模がでかくなって怪しいコンサル会社が間に挟まったりすると大抵ロクでもないことになる=オブラートにくるんで言えば税金というものの使い方について考えさせられる(全件そうなるかそうなる可能性を見る)のです。一方、自治体担当者さんと僕とで直接やりとりできる契約形態の場合はそうした理不尽を目にすることが少なく、安心して仕事していられます。

そんなことやったって公費の無駄だよ、
と電話口で担当者さんに説教して
依頼回避した案件はいくつかあります(遠い目)

そんな継続的案件の一つが表題の件。意向調査協定締結林地台帳整備組合解散などなど、とにかくいろんな理由で『森林所有者の探索』を試みたい、というニーズが市町村林政担当者さんたちに発生しています。財源は最近SNSでバズッた(炎上した?)らしい森林環境譲与税、という構造。

…業界団体や公嘱協会、頑張って各市町村に食い込めばいいのにね…と思ったりするのですが僕もそこまで会の偉い人とつながりはありません。

で、僕は公嘱協会が決めたお値段にしたがって直接ご依頼をうけることができています…年度が替わって公嘱協会の価格も上がったために協会に所属してない僕の報酬も自動的に賃上げされてしまった(公嘱の価格でご依頼を受ける、というのが条件だから)、そんな案件があるのです。

まさか公嘱協会の偉大さを開業19年後に協会外で感じることができるとは思ってみませんでしたが。

主に土地台帳・登記簿記載の情報を起点とする森林所有者あるいはその相続人の調査に関しては、下記のチャラいフローが山林行政の管轄官庁から公開されています(出典:https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/keieikanri/attach/pdf/sinrinkeieikanriseido-23.pdf

)。

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ご覧のとおり、どなたでもかんたんに所有者不明の結論を導けるフローが(冷笑)

もちろん当事務所でも、ご指定いただければそうした品質で調査する…いえ、調査を打ち切ることはできます。
そうではありますがこの調査方針部分は記録に残さず契約書に書かず電話口頭での合意だけで確認しておきたい部分ではあります。

上記のフローは言ってしまえばチャラっと調査し片っ端から所有者不明を宣言し次から次へと強制的な権利設定=所有者からみれば剥奪、に向かうことを可能にするものなので怪しいコンサルが取り組む調査には最適です。

過払いばっかりやって大きくなった体の大きさを持て余し気味な大規模弁護士司法書士法人、なんかが受託するにも大変よろしいであろう、とも思えます。

僕が好きなのはもちろん、そうでない場合です。

森林所有者の調査はするが、できるだけちゃんと探していい、時間は若干かかっていい、費用は自制する、そうした振る舞いをする旨の合意がなりたっている案件があるのです。その市の人はまぁよかったネ、ということになるでしょうか。

で、そんな調査のある局面でどうしても過去の電話帳が見たくなりました。一般化します。

森林所有者調査の出発点として示されるのは主に土地台帳=『過去の一時点で不動産登記を経た、土地所有者の住所氏名』です。

当然ながら僕に調査が発注された以上、現時点でそこに調査対象者は住んでいません。

で、この国では平成26年以前の住民票データはあらかた捨てた♪根拠法に基づいて捨てたんだ文句あるか!という市町村が多いです。
ですので別にそうしたデータがあればそっちを使いたい、ということになります。

僕の見るところ、辛うじて世帯主について過去の記録をとどめるのが固定電話の電話帳、です。これは、都市によっては戦前、昭和40年代以降なら全国のものが国立国会図書館で閲覧可能状態にあり、僕は必要に応じて過去の住宅地図も併用します。住宅地図も昭和40年代以降のものが閲覧可能になってきます。ゼンリンとは別の発行体が単発で出していた、昭和30年代以前の名簿や地図を探すことは当然可能です。

そうした電話帳、森林所有者調査で重要なのは氏名と並んで住所の表記です。
より具体的には今回『住所のうち、部屋番号』が調査の出発点たる不動産登記データに載ってない、そんな案件がありました。

ちなみに、敷地権化済みなそのマンションの居室数、100戸超(゚◇゚)ガーン

各居室について片っ端から登記情報の請求かけて請求1件あたり千数百円の加算をせしめる、などということは当然やってはならないのです。別の調査も試みましたが奏功しません。

仕方がないのでこの案件、調査不能を宣言するまえに東京出張のタスクに載せました。

で、期せずして僕は昭和50~60年代の埼玉県の個人別電話帳の閲覧請求を乱打し、住所の記載の変遷をみることになったのです。

今回見たかった『集合住宅に住んでいる人の、居室番号』は昭和50年代後半まで表示されません。
※さらに前=昭和40年代は、番地も表示されません

ひょっとしたら地区によって異なるのかもしれませんが、昭和58年あたりに出た版から居室の番号が表示される、という事例を確認することになりました。

それと。この電話帳調査は随意契約に付随するオマケとして実施した、という認識なので報酬を発注者に請求することはないのですが『作業やった記録』は出したいと思っておりました。

で、国会図書館の複写担当者さんに聞いてみたのです。「複写申し込み書の控えを貰えますか?」と。前々から気になっていたのですが、同館の即日複写申込書は一部が控えになっているように思えます。

控えではなく複写申込書のコピーは、複写資料と同時に無料で貰える、ということを確認しまして。

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作業やった感を演出するために、この申込書コピーも送って作業終了、といたしました。


登記簿の記載を出発点とする現在の所有者・相続人の調査は、自治体からの随意契約でも当然お受けしますが一般の個人・団体の方からもご依頼をお受けしています。ただし職務上請求書の使用は、法律で許容される調査目的があると確認できた場合のみ行います。

…市から発注された業務を丸投げ、いえ下請け、ではなく適切な基準に基づいて再委託、できるかという質問もありましたが、それは今後も『イヤだ』と回答させていただきます(笑)

自治体さんの場合は同県内の公嘱協会=公共嘱託登記司法書士協会さんの報酬額設定に従うのが価格決定の根拠としてわかりやすいようですが、調整を求めることがあります。なぜか公嘱の報酬体系に、『登記上の所有者の調査に、別の登記簿データを使わない』前提で設定されたと思われるものがあり、ここは僕の調査方法と齟齬が生じるのです。僕のところでは登記簿図書館の名寄せ機能を所有者調査に多用している(上記のチャラい調査フローとは大きく異なる)ため、戸籍住民票データよりは登記データを所有者調査に活用していることになります。

一般の方からのご依頼については作業時間制または成功報酬制でお受けしています。
ご興味のある方は当事務所ウェブサイト備え付けのフォームからお問い合わせください。

作る前にまず壊す、その前の記念写真(鉄道模型レイアウトの製作準備)

先週行ってきた山林関係の出張相談(実は講演だったんですが)では、文字通り前代未聞、確実に空前でおそらくは絶後、な展開に直面させられました。

僕の出席を準備した担当者さんがいうのです。

(僕の著書を)『全員で買いました』と!

見れば10名いらっしゃる出席者の皆さんが一斉に僕の著書を取り出すのです。

「そんな勿体ない、その予算で別に紹介している本のほうを買えばよかったのに」
と、購入者にも担当編集者さんにも、要するに自分以外の全員に対して無駄あるいは失礼な言葉を放ったのですが文字通りもう遅い(苦笑)

すみません。直接申し上げずに終わりましたが著者としてまことにありがたく、あつく御礼申し上げます。
ただ今後は私を呼ぶことの当否も含め、費用面をシビアに査定しながら関与したく思っております(苦笑)

ちなみに、僕が買ってほしかった本はこっち。
昭和時代、場所によっては戦前からそのままになってる相続未登記をまずなんとかしよう、できるだけ安く、ということであれば僕の著書より先に備え置いてほしいと本気で思っている本です。

amazonも近年はkindleでタダ読み出来る雑本が増え、いい本を探すこと自体が難化してきています。

そんな出張相談を神奈川県西部で終えまして、週末は静岡県東部の実家に泊まってきました。
高校生時代に作ってそのまま実家に置いてあったあるものの始末を、そろそろつけたかったのです。

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見て一目で何かわかる方、当事務所で可能な全業務のご依頼を歓迎します。

これは何か逸般の誤家庭にあるといわれるモノに違いないと正しく推測された方、見ないほうがいい物だと適切に判断された多くの方に説明します。コレにはまって自己破産、という案件はまだ聞いたことありませんが…楽しげに生活を傾けていらっしゃる・婚期を逸したらしい諸先輩方は僕が社会人になる過程で、あっちこっちで見かけたものです。

高校で入っていた鉄道研究部で学園祭に作っていたNゲージ鉄道模型のレイアウトのうち、まだ残っていた一部。
一言で要約するとそういうものです。当時、3年生の部員は僕だけだったどころか自分で模型をやってる現役部員が僕だけ、という恐ろしい状態だったので僕のところで作ったものを出展してその年は面目を保った…その残りが30年ほど、実家においてありました。

※幸か不幸か三重大学には鉄道そのものの研究部・会は存在しなかったため趣味にはまって生活を傾けることはせずに済み、結果として卒業後2年で司法書士に受かる、という別の方法で生活を派手に傾けてしまい、以後傾きを補正する機会を逸して現在に至っています。

当初はこのレイアウト、レンタカーでそのまま名古屋へ移送搬入できないか考えたのです。
ですが、最長2250mmの台枠が斜めにしても当物件のエレベーターに入らない(゚◇゚)ガーン

そうしたけで、どうせ木製の台枠にプラスター(模型用石膏)で地形を作ってあるだけなんで一旦解体して、木材とレールと電気配線にバラしてから移送することに決めていたのです。

その解体作業に1日かかる…と予想していたところほんとうに1日かかり、予想外だったのは筋肉痛が2日残った(笑)ということ。

ということは。

バラバラになった材料を名古屋にある拙宅に搬入し、これを組み上げるときにも同様かそれ以上の肉体的負担が発生する、ということかもしれません。

無理せずやろう、どうせ今後10年以上楽しめるんだから2~3年かかってもかまわん、そう決めました。


先週お受けしてきた講演で始まった案件がカタチになるのとどっちが速いか、という話し…かもしれません。

単に鉄分の濃い方のご依頼ご相談を歓迎する、という話しでもあります。今後ときどき、この件はブログに出てきます。

仕事場が公民館で、開始後1時間経って、自分に与えられた肩書きに気づいた件(東京小田原出張2泊3日 2日目)

今日の相談は山林関係。相談を終えて夕方になり、座れないなら前面かぶりつきもいいかな、という帰り道です。

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このお客さま方とは4ヶ月ほど前に1回目の出張相談を、小田原でおこなっています。今日は小田原近くの某所が出張相談の実施地、とされておりました。コロナ禍突入以来、出張相談には距離と換気とプライバシーが確保できる個室、の確保をお願いしています。

この条件設定だけで脱落しちゃった方もそれなりにおりましたが全て過去のこと。
これまでにはカラオケボックス、レストラン、シティホテル、そうでないホテル、公共施設の会議室、私営のレンタルスペース、個人宅、協力者宅、などなどがありまして。こうした準備の内容で依頼人の能力を推し量ることもできています。

今回は山林関係の相談限定で、たまにあるパターン。
公民館、が指定場所だったのです。

1回目の相談は公共施設の会議室で2人の方に対して行い、その続きだ、と聞いておりましたが…今日の会場になった公民館では細長いテーブルがコの字型に配置されています。出席者10名ほど。

僕はその端っこに配席されていただけなのでまぁそういうもんだろうと勝手に了解しました。出席者の方に問われるままにしゃべり始めるうちに1時間少々が過ぎました。

自分の手際の悪さを詫びながらそれでも出してもらったカステラはしっかり食べてお茶を飲みさらにペットボトル2本目のお茶を頼み、休憩に出てトイレから戻ってきた…そのタイミングで気づきました。僕の席にだけ、テーブルの前に白い紙が垂れています。


講師

司法書士 鈴木慎太郎 先生


…あ、これ相談じゃなくて講演だったの(汗)

だからみんな僕のこと先生って言うのかな(苦笑)

いっそ記念に写真を撮って帰ろうかこの張り紙、と思ったのですが自重します。
今さらですが先生ってほどのもんじゃないことはもうわかってますよねー、と適当に断って相談のような講演のような質疑応答を続けました。こんな感じで。

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こんな態度と表現で事前質問19項目へ暫定回答を納品してあり、それに特に文句言われることもなかったんで(品位保持義務違反を指摘されることもなかったんで)当日もこのノリのまましゃべりだして…1時間ほど経ってようやく、どうやら僕が今日の先生らしい、と気づきました。

先生扱いされたまま上記の回答をプロジェクターに投影していただいたんだけど
これ大画面で見せられると…回答者、ダメな奴に見えるよなー ははは(乾ききった笑い)

結果的に報酬を自分から値切ってしまった気もします。

当事務所出張相談では消費者向けの料金として1時間3千円の定めを置いています。今回は東海道本線小田原駅を出発地とし、小田原駅から小田原周辺にある目的地までの往復の交通費と日当(1時間につき3千円)を加える、という報酬設定です。

講演に該当する案件ではもう少し(というか、2倍以上)多く請求できる報酬体系にはなっていたのです。

が…

本案件では今後も時間単価1時間3千円、と出席者全員の前で宣言した瞬間は上記の張り紙と肩書き、視野に入っていなかった記憶があります。

とりあえず今回の出張相談のような講演のような質疑応答は3時間ほどで終わり、あとは『皆さま方が私を出入禁止になさらなければまた来ます~』と約して終了、となりました。まぁいいか。


ひょっとして昔も自発的に値切ってたのかどうか忘れてしまいましたが、福岡の信徒さんには久しぶりにコメントをいただいています。

あの路地ではしご酒ができるなら、値切ってもらってもいい気はしますね。今後もそういうお仕事をくださる方を増やしたい。

身もふたもない回答を受け入れつつその状況を楽しんでもらう態度は、当事務所での相談継続には理想的、ではなく必須に近いのですが(笑)

今後は山林の相談に一層注力します、と言ってみたい東京小田原出張2泊3日 1日目

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この時期の伊那から諏訪は随分と様子のよいところです。
空は柔らかに蒼く、水張田が空の青みを地上に降ろして、木々はさみどりに萌え、山には残雪が白く輝いています。

 

で、出張相談がキャンセルされました( ̄▽ ̄;)
この時期の東京は様子のよくないところかもしれませんが…今日から出張です。当初の予定では労働者側裁判事務と経営者側裁判事務の出張相談と山林関係の相談が1件ずつ入っておりました。
このうち初見だった労働相談が早々にキャンセルになりました。事前の提供情報に少なからぬ問題があり、これは粛々と出入り禁止にするとして。
今朝地下鉄の駅まで来たところで、継続相談中の経営側の相談もキャンセル通告を喰らいました!Σ( ̄□ ̄;)
まぁこちらは相当の事由がある模様。あの感染症をもらって帰るのもなんですし、特に文句はいいません。

 

かくして神奈川県西部での出張相談が1件残りました。山林の共有に関するもの。
あとは、いま愛知県内某市からご依頼をもらっている山林所有者調査業務に関して、国会図書館で昭和時代の埼玉県の電話帳を調べてくるのが今回の出張でやること、です。期せずして山林の仕事中心の出張になりました。

メインストリームの脇でやってみたいこと(費用負担力の低い山林に関する、所有者不明土地管理人業務等の受託について)

ゴールデンウィーク中も平常通り執務しています。
と、書こう書こうと思っているうちにそのゴールデンウィークが終わってしまいました(゚◇゚)ガーン

読まなければならない裁判例が多すぎたのです。数秒で捨てたものも含めれば累計100件を超えてもう100件とかいった状況。よくそんなもの読めますね、というようなことを補助者さまはおっしゃるのですが作業そのものに価値があるわけではありません。こんな作業、生成型AIが1秒で精査を終えてレポートを作るサービスが再来年できたって全然不思議じゃないご時世…ということで僕の新たな隠れ家を確保しておきたい思惑もありますが、表題の件です。

写真はメインストリームから外れた何かのイメージです。まさか排水口から発芽するとは。

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さて、先月施行された所有者不明土地関連の民法改正により、所有者・共有者が不明な不動産の管理人を裁判所が選任する制度がスタートしています。

この制度の前身というべきでしょうか、仕事多すぎるカネかかりすぎる使いにくい云々と言われていた不在者財産管理人や相続財産管理人も同様に、申立てを経て裁判所が管理人を選任する、という制度設計です。成年後見もそうですね。管理人や後見人として選任されるのは大都市ほど弁護士さんが多く、地方では司法書士その他が多い、という違いがあります。

そして士業が選任された場合、まぁ当然と言えば当然なんですが報酬を受け取れることになり、不在者・相続財産管理人の選任申立てでは申立権者はあらかじめ裁判所に費用を予納しなければなりません。予納した費用から管理人に報酬が支払われます。

これを士業から見た場合、要するに利権、なんて言ってませんからね。利権だなんて失礼な(ポジショントーク)。

先月から始まった制度はこの利権、いえ従来の不在者・相続財産管理人の業務が多すぎ費用も増える、という点への対処を一応の目的として導入されています。ですが管理人として選任されるのはやっぱり弁護士司法書士事案に応じて土地家屋調査士、といった人達が法務省作成資料に挙げられています。

当然ながら管理人にはいくばくかの報酬支払い=予納が必要なのは当然だ、という論理にはもちろん僕もよき業界人として賛同しておりますとも(棒読み)

本県業界団体でもそうした管理人候補者の名簿を作ろう、ついては登載希望者募集、といったファクスが流れてきたりもしました。ただし僕、これには載らないことを選んでいます。僕も凡人なんで別に裁判所が裁判所指定の報酬で分配してくれる仕事=利権が欲しくないわけではなく…いえ、利権だなんて言ってませんから。破産管財人なんて特に凄いよあれで破産者片っ端から免責相当の意見出してんだから無敵だよ、なんてもう全然考えてませんから(遠い目)

余りに腹立たしいので即時抗告の申立書作るんですがそれは別の話です

この民法改正については先月今月と、ある林業雑誌に制度解説を寄稿しました。ですがもちろん利権云々なんて口にしてもおりません。
そもそも僕が二ヶ月連続で寄稿することになった理由は別の先生が原稿を飛ばしたらしく、担当編集者さんが涙のメールを送ってきた(二回連続寄稿の提案後、編集者の涙にだまされてはいけないと知った)、というだけです。それはそれで嘆かわしいものがありますが、これも別の話です。

士業のほうの業界誌その他に寄せられた情報を見ると、相続登記義務化とならんで今回の管理人制度発足を明るい話題(仕事が増える♪)と考えているのが業界の趨勢には思えます。都市部中心に費用負担力の高い案件に関与できるならそうだろうな、とは思います。僕も凡人だから。

ただ、価値の高い=費用負担力の高い案件だけ歓迎、とはいかないだろうと思っています。

幸か不幸か当事務所の注力分野の一つに山林・林業関連業務がありまして。ここは費用負担力が低い案件が多そうだ、とも思っています。

そうしたわけで、当事務所では以下の申立てで僕が管理人に選任された場合は当分のあいだ、報酬を辞退するようにします。

  • 所有者不明土地管理命令に基づく所有者不明土地管理人(民法264条の2)
  • 管理不全土地管理命令に基づく管理不全土地管理人(民法264条の9)

条件は『固定資産税課税上の評価額が100万以下の、現況が山林であること』『事例は僕の寄稿する林業雑誌および発行団体に提供・公開可能であること』の2点です。当然ながら事例共有に際しては立地や個人情報が判明しないようにします。辞退するのは管理人の報酬のみで、申立て書類の作成報酬、管理人選任後の管理に要する実費は必要です。

不在者財産管理人の場合は名古屋市の士業が隣県の管理人になる事例はあるため、たぶん東海地方なら選任の可能性があると考えます。

それと…前半で何かの業務を利権だなんてもう全然言ってませんが、保有財産が少ない=成年被後見人の費用負担力が低い成年後見案件で士業による成年後見人が決まりにくい実情はあると承知しています。

そういう意味で不利な案件ほど、わざわざ自分で志願する人が選任される可能性は逆に高いよな(笑)とも。

具体的には、事前に調整したうえで申立ての際に候補者として僕を出しておき(内諾および管理人報酬辞退の上申書をお出しします)、運がよければ裁判所が僕を採用してくれるだろう、ということになります。

この記事に終了の告知を出さない限りこの取扱を続けますので、関係者の方々にはご検討ください。

あと、事例を提供するのはイヤという普通の方には…まぁ普通の報酬設定で承りますよ。森林経営管理法秩序に乗っからないかたちで所有者不明山林をどうにかしたい県市町村森林組合NPO共有関係団体各担当者の皆さまにはご検討いただけるかと思います。

そうした報酬や申立て費用を森林環境譲与税でまかなってはいけないとは誰も言ってないので、特に市町村担当者さんがその気になればいろいろやりようはあると考えています。利権にならないようにします、もちろん(笑)

見たいものを見られず会いたくない者に会ってしまった街で

岩手県内は今朝、今秋一番の冷え込みだとか。この宿も障子を開けたら、窓ガラスが曇っていました。

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宿そのものは大変良好なのです。大浴場があり無料のランドリーがありロビーには無料のコーヒーサービスがあり、部屋は広く飯はうまい。眺望良好。

立地にやや問題がありました。

駅から歩いて28分(苦笑)

徒歩10分以内にはコンビニ一カ所を除き、飲食店未確認(゜◇゜)ガーン

さらに、駅から最終のバスは18時前。

そうしたわけで、せっかく全国旅行支援でもらった計6千円のクーポンのうち5千円は明晩の釜石で使ってしまう必要があります。夕食がとれる店を探す余裕はなく(タクシー代を出してまでこのクーポンを使いたいとは思えない)、朝ご飯をたくさん食べてしまうのでお昼ご飯を食べる必要もない、そんな妙なことになりました。

そんな滞在期間中の、珍事。

僕はこの街で、初めてマスク警察ってやつに出会ってしまったのです。

日本がコロナ禍に見舞われて2年8ヶ月過ぎた今になって、

首相が国会で、野外ではマスク不要と言い出した今になって、

当該マスク警察を除けば周囲5m以内に誰もいない、駅前広場で!

…どうしてこの冴えないおばさんからマスクの着用を言われねばならぬのか。
ここが日本のチベットだからか(←悪意ある曲解)

間抜けな本人訴訟の被告じゃあるまいし、そんなチンケなことやって人の足を引っ張るから都会に人が流れるんだぞ、とは言いませんでした。

余計なお世話だ、とはお伝えしましたよ。簡潔に。

これは昼休みの話なんですがちょっと心がささくれていたのです。

今日あったもう一つの初めて、は裁判所滞在時間の最長記録かもしれません。9時10分過ぎに裁判所に入り、16時55分過ぎに閲覧終了し、お昼の65分を途中退出して、都合6時間40分以上を裁判所内で過ごすことになりました。
訴訟の記録を見る、それだけのために(゜◇゜)ガーン

この街は宿もよかったのですが裁判所もよかったのです。記録閲覧の申請をしたらなぜか手続き案内用の個室に誘導され、延べ3名の係員に引き継がれ(あ、ここは半分面白がってますが)、最終的には誰も来ないため個室化した競売物件閲覧室で一日、訴訟記録の閲覧をして静かに過ごすことができました。

記録の厚さはだいたい14cm。ドアの向こうでときおり人が通り過ぎるほか、閲覧室の外は静かです。

あまりにも静かすぎて耳の奥から『シャー』といった音が聞こえてくる、もうそのくらい静かです(笑)

※上記のような、実際には聞こえない音を静寂時に感じる方はいらっしゃるはず。僕もそのひとりです。

そんな記録の閲覧でついに見られずに終わったもの。

今回閲覧したのは山林の無断伐採に関する損害賠償請求訴訟です。

原告被告のあいだで損害額の計算方法が、最大の争点となっておりました。

が、しかし。

この訴訟代理人どもときたら、『実際に被害山林からどれだけの立木が伐採されたか・ほんとうはどれだけの価格で、どこで売却されたのか』に興味を示さないんです。

双方とも、言ってしまえば全然違うところから引っ張ってきたテキト-なデータで推計を繰り返し、それぞれ自分のほうが優れてる客観的だ、って言い合ってるだけ。

陳述書でも準備書面でも主尋問でも反対尋問でも実際に切った木をどこへ持って行きいくらで売ったかを、聞かないのです。語らないのです!

…かろうじて裁判官の補充尋問でちょっとそうした尋問が出てきたときには、調書を読みながら苦笑しましたよ。
裁判官、焦れてるだろって(苦笑)

原告被告計3人、証人2人に弁護士5人法廷に集めてこれか、さては法廷内でも人がマスクしてるかどうかにしか関心ないのか、とは思わされました。

僕ならここでいろいろ突っ込む反対尋問を用意したはずなのに、この議論の散漫さはやはりマスク警察が関係者に紛れ込んで相手側の足を無駄に引っ張っていたからなのか、と邪推してしまいます(あ、文字通りほんとうに邪推です)。

そうしたわけで肝心な点ではあまり参考にならない記録閲覧ではありましたが、別にみるべき点はありました。

逆にこのテキト-な…といいましょうか、教科書には書いてあるが現実との関連は一切考慮しないパラメータをぶっ込んでホラこれが山林盗伐の損害だよ♪人間がいない屋外でもマスクはしようね国会で岸田が何言ってるかは一切考慮しないよここは岩手県なんだから♪などと主張しても認められてしまう、ということではあるのです(あ、屋外でも云々はこじつけです)

こんなやり方、実務に使っていいんだろうか…まぁ訴訟になって他に手がないときの非常手段としてはよかろうな、と思っています。

見慣れない奴がいたらまずそいつのマスク非着用を指摘して悦に入るのと同程度のイジワルとしては、確実に有用です(まだ言ってるし)

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