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カテゴリー「零細事務所の電算・情報・通信」の記事

MicroSIPで利用するひかり電話の設定(HGW:RV-440NE)

月曜日までに裁判書類を出しおわり、今週は少し時間に余裕があるのです。今月は、せっかくプロバイダから借りたのに半年以上放置していたルータを活かして宅内からインターネットへのIPv6接続と宅外からホームゲートウェイ(表題のRV-440NE)へのVPN接続の両立を実現できました。これに続いてもう少し通信環境を整備します。表題の件です。

事務所の固定電話はホームゲートウェイにつないだふつうのアナログ電話とファクスで発着信するほか、Zoiperをインストールしたスマートフォンも使えるようにしています。外出時にVPN接続できる重要なシステムなのですが、Zoiperがバージョンアップすると不具合を出すことがあります。

…今月はその、不具合が出ています(゚◇゚)ガーン

今回の不具合は発信のみ(だから許す、というわけでもないんですが)。
ひかり電話の着信はできるものの発信しようとすると Not acceptable here. とエラーを吐いて発呼しない、というもの。Pro版でもLite版でも発生します。ぷららフォンforフレッツなど、ひかり電話と無関係なIP電話は普通に運用できます。

たまたまバージョンアップしていなかったタブレットに入れてあるVer.2.18ではこの異常は発生しない、ということで最新のVer.2.21が悪い、と決まりました。タブレットに入っている旧バージョンからapkファイルを作って新しいパージョンを上書きしようと試みたのですが、なぜかこれも失敗。

いずれまたバージョンアップすれば不具合が解消されるのですが…こういうことが数ヶ月~2・3年ごとに起きるので、有料版でもちょっと信頼できない印象なのです。Zoiper。

そんな、ちょっと怪しいZoiperはデスクトップPCでも使っておりました。無料版の最新であるZoiper5は、起動のたびに有料版への移行を誘ってくるのです。そのくせ僕のPCではふとしたタイミングで動作が固まったりして、これまた信頼できない感じ。

そんなWindows版Zoiper5と、このほどお別れすることができました。表題の件です。

Zoiperに代わるSIPクライアントとして採用したMicroSIPはWindows版が無料で提供されています。逆に、有料版は存在しません。ですが無料版のZoiperと違って複数のアカウントを同時登録できます。ソフトを提供しているウェブサイトとヘルプが英語なのはこの際仕方ありません。とりあえずダウンロードして解凍して設定、です。ダウンロードファイルの容量が今どき8MB!なことにひどく好感を持ちました。システムをインストールしたフォルダごと他のPCに移せばそのまま使えるようになる、というのも嬉しい特徴です。

最初の起動後、アカウントの設定はこのようになりました。

MicroSIPで入力を要する要素のうち、『あなたの名前』だけが自由、それ以外はホームゲートウェイの『電話設定』→『内線設定』→『内線番号エントリ』で入力した設定を反映している必要があります。
僕の場合はたまたまHGWに入力したニックネームとMicroSIPの入力欄に同じ記載がありますが、これは不一致を許容します。

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上の画像は、内線7番でWindowsPCにインストールしたMicroSIPを使う設定で、HGWの、『内線設定(IP端末)』の設定内容が以下の場合です。

  • 内線番号:7
  • ニックネーム:デスクトップ
  • ダイジェスト認証:行う
  • ユーザID:user1
  • パスワード:Pswd1

MicroSIPへの設定時、アカウント名欄には内線番号の頭に000をつけるようになっています。
※『0007』ではなく『7』としたところ、登録できませんでした

ユーザ名欄は、内線番号をそのまま『7』と入力します。

SIPサーバとドメインは、双方ともHGWのIPアドレスを入力します。

『ログイン』欄にはuser1、『パスワード』欄にはPswd1を入力して保存し、画面下部に『オンライン』と表示が出れるはずです。
ホームゲートウェイの設定画面でも、このPCがクライアントとして登録されているのが確認できます。

このWindowsPCはHGWに有線で接続しているので、当事務所のIP電話システムではこれが一番堅牢、というか唯一確実に発着信できるものになりました。ZoiperはWindows版もAndroid版も、発着信がふつうの電話機並みに確実にでき通話が中断しない、という当然の要件をまだ満たしていない気がします。

こうして出来上がったシステムに電話会議用のスピーカーフォンを接続したかったのです。たまたま先月、PolyのSync 20を安く手に入れることができました。もちろん中古で。

ちゃんとつながったときの本機はもちろん音質良好なのです。依頼人との打ち合わせのとき、スマホ本体のスピーカーとマイクでハンズフリーにしようとするとほとんどの場合、通話の音質がよくないと指摘されます。ですがスマホや受話器を持ったまま資料やPCを操作するのはつらい、と常々思っておりまして。

そんなときのために数年前から使っていたBluetooth対応の片耳用ヘッドセットが壊れた、本体が割れてヘッドバンドが分離した、というのも購入を後押ししました。
まぁ壊れたほうも、その後瞬間接着剤をまるごと一本使って直してしまいましたが…補修箇所が線状に白く粉をふいています。
ボディの色は黒なので目立つこと(苦笑)


実はここ数日、Wi-Fiで接続したスマホで使っているZoiperが受信直後に落ちる!無線も切れる!という事象も起きておりまして。

たまたま巻き込まれた方々はいずれもリピーターさん達、ということでしたが…

ごめんなさい。東京と大阪のお二人は結果として実験台になられたように思えるのです。
この期間、知らない方からの電話はちゃんとした電話で取ってました(汗)

貸与品ひかり電話ルータ(HGW)のVPNサーバ+ぷららフォンforフレッツの環境を維持して行うIPv4 over IPv6接続の導入事例

○はじめに

本記事の記載は、5ch『【NTT】フレッツ光・ひかり電話対応ルータ Part36の0653のご投稿を追試験して成功したものです。

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これを投稿された不明なデバイスさんに、深い敬意を表します。
…5chの記事にこんなに救われるなんて、思ってもみませんでした(笑)


○概要

この記事は『ぷらら』を利用しているひかり電話契約者で、IPv6接続のためにルータの無料レンタルを受けた方によく適合します。
他のプロバイダでも、

  • ひかり電話を契約していて
  • NTTからレンタルしたホームゲートウェイでひかり電話の機能を利用しており(YAMAHAその他のお高いルータやL2スイッチの利用を考えておらず)
  • IPv6の接続はHGWではなく、HGWの配下に置いた家庭用ルータでおこなっている
  • 契約中のプロバイダが利用者に、IPv6での接続とIPv4(PPPoE)での接続の同時利用を許容している

という方には適合する可能性があります。

こうした方々のIPv6(本稿ではIPv4 over IPv6を含む)接続導入前のシステムとして、NTTからレンタルされたHGWが標準装備するVPNサーバの機能が使えました。宅内でスマートフォンを固定電話の内線として使っていたほか、事業場外・宅外からHGWにVPN接続することで事業場・自宅の固定電話を建物外から発着信できます。僕もそうしたシステムを運用していたのです。さらに、ぷららで提供している古風なIP電話=ADSLの時代からあったVoIPアダプタや有線の速度が最大100Mbpsのルータを利用して接続する想定らしい『ぷららフォンforフレッツ』も僕のところではスマホで、VPN経由で使えるようにしてあったのです。

それがIPv6接続用のルータ導入後に不可能になったことへの対処(というか、従前環境の復旧とIPv6接続の両立)が実現できた事例の報告です。導入にあたって追加で必要になったのは、冒頭の図でRouter2に相当する家庭用のルータ、1台です。

○環境

  • ブロードバンド:フレッツ光マンションタイプ(VDSL)
  • プロバイダ:ぷらら(光コラボレーションではない契約)
  • プロバイダとの契約時期:2014年(正確には、現在の契約に変更した時期)
  • ホームゲートウェイ:RV-440NE
  • ひかり電話:あり。RV-440NEに接続した固定電話とスマートフォンで利用中
  • IP電話:ぷららフォンforフレッツ、IP-Phone SMART
  • レンタルされたIPv6接続用ルータ:アイ・オー・データ機器 WN-PL1167EX03
  • 遊休設備:ブロードバンドルータ 1台

この環境で、従前はRV-440NEのVPNサーバを利用していました。VPN接続時はひかり電話・ぷららフォンforフレッツ・IP-Phone SMARTの三回線が事務所外でも一つのスマホで発着信できる、ということで。
来所相談さえやらなければ(電話とメールだけで顧客対応を進めるならば)僕はどこにいてもバレない、そうしたシステムの恩恵に浴していたわけです。

○IPv6の試験的導入と撤収

まず、ぷらら公式の方法でHGWにルータ(WN-PL1167EX03)を接続してみました。

当然ながらIPv6での接続が確立されるわけですが、HGWの設定画面にアクセスできなくなります。
HGWのブロードバンドルータの機能を用いたIPv4(PPPoE)接続もできなくなる=VPNサーバが使えない、ということでこのやり方は一旦取りやめました。

RV-440NEをここで一旦、初期化します。ぷららが貸してくれたWN-PL1167EX03を取り外して、RV-440NEをブロードバンドルータとしてIPv4接続を行う従前環境に戻りました。

-ここで半年ほど停滞します(苦笑)-

○試行錯誤の再開

先月に入って暑さも和らいだので,作業を再開しました
(要するに理由なんかなく、作業再開しました)

まず試みたのは、RV-440NEのVDSLモデムの部分とルータ・SIPサーバの部分を分離すること。VDSLモデムの部分から引っ張り出してきたケーブルを適当なスイッチングハブにつなぎ、RV-440NEのルータ部分①とIPv6接続用ルータ②を並列に接続してみたのです。

ぷららはIPv4の接続とIPv6の同時接続を許容します。
停滞前に試みたとおり、上記②を①の配下に置いて接続を試みると、自動的に①からのIPv4接続機能が停まります。これが嫌なのです。
ならばIPv6用ルータをHGWの配下に置かない=並列に接続させてみようか、ということで。

IPv6に関連して何か問題が生ずるらしい、とは思えたのです。実際やってみたところ、電源投入から3時間程度でIPv6接続用ルータ②からインターネットへの接続が必ず不可能になります。例外はなく、ルータ②を再起動するまで復旧しません。

ただし、この環境で①に接続したPCからはIPv4で接続できます。
問題なく稼働している時間に②に接続したPCからは、目的のIPv4 over IPv6で接続でき、両者は同時に可能だということもわかりました。事業場外からRV-440NEへのVPN接続も当然可能です。

○正解への到達

僕のところのシステムでは、HGW内のVDSLモデム部分の直後に置いたHGW内蔵のブロードバンドルータ機能を活用して行うIPv4(PPPoE)接続をどうあっても保たねばならないらしい、だがIPv6用ルータ②とHGW内蔵のルータ①とを単純に並列させる接続もダメだ、とわかりました。

ここからさらに1週間ほど停滞してたどり着いたのが冒頭の5chのスレッドです。この投稿者さんも、プロバイダにぷららを利用する環境下でネットワークを組んだと書いてありました。HGWとIPv6接続用ルータ(いずれも貸与品)のほかに1台、ルータが追加で必要になりますが僕のところにはNECのWG1400HPがあり、Wi-Fiのアクセスポイントとして運用しているのです。遊休設備になりかけていたこのルータが、ローカルルータとして使えます。

○設定

以下、各機材に設定するIPアドレスは冒頭の図に従います。

1.HGW(RV-440NE)

IPv4(PPPoE)接続関連の設定を従前通り有効(僕の場合は、ぷららに対する常時接続)に、DHCPサーバも有効にし、IPv6のセキュリティレベルを高度にしておくほか、特に変更しません。

以下の設定ではIPv6接続用ルータをHGWのlanポートに接続します。
ですので、もしIPv4関係の設定がグレイアウトしていたら、巷に出ている情報にしたがってHGWの設定を変更し、IPv4を利用する(一時停止を解除する)ように復旧する必要があります。ですが僕のところでは、なぜかHGWの設定が変わることがありませんでした。

…いちどプロバイダ公式の手順でIPv6接続を試み、この過程でいったんHGWの設定を自動で変えられてIPv4関係機能の利用を不可とされたあとで、HGWを初期化してIPv4での接続を再開した経緯が影響しているかもしれません。ここまで揉めたあとで、その後あらためてIPv6用のルータをHGWの配下に接続しても、今度は一方的にHGWの設定を変えてくることがない、のかもしれません。僕のところではこのような挙動になりました。

2.Router 1(WN-PL1167EX03 IPv6接続用ルータ)

本機のWANポートを、HGWの適当なLANポートに接続します。
背面のスイッチはルータモードにしておきます。

インターネット の設定を以下のようにしました。
ぷららの場合、契約者によってIPv6での接続先がtransixではない場合がありますが、『IPv4 over IPv6 (MAP-E) 』か以下の設定のどちらか、になるはずです。MAP-Eの場合、AFTRアドレスも変わります。

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このほか、LAN設定のIPアドレス設定で192.168.10.10を入力、DHCPサーバーは有効とします。

このルータに対するWi-Fiの接続は当然可能なので、必要なら設定値を入力します。

3.Router 2(WG1400HP ローカルルータ)

本機は、一回初期化しています。初期化直後の設定状態から、以下のとおり変更しました。

本機のWANポートからのケーブルは、Router 1のLANポートに接続します。
※HGWのLANポートに接続、という情報はネットに沢山ありましたが、この点が特殊です

さらに、HGWのLANポートと本機のLANポートもケーブルで接続します。
つないだ配線がHGW-R1-R2-HGWと環状になってなにやら妙な感じはしますがこれでOKです。

本機も背面のスイッチをルータモードにします。

設定画面では

・基本設定→基本設定 から動作モードを『ローカルルータ』とします。
 直下にある『ブリッジ設定』でIPv6ブリッジの設定がありますが、これはチェックを入れても外しても挙動が変わらないようでした。

・接続先設定 ではDHCPクライアント機能を 利用する とし、ゲートウェイ・ネームサーバともサーバから割り当てられたアドレスを 利用する としています。
※Router1 が発行してくれるアドレスが本機のWAN側のアドレスになり、Router1がゲートウェイになるわけです。

・詳細設定→IPv4LAN側設定 ではIPアドレスを191.168.1.2とします。DHCPサーバ機能は使用しません。
※HGWが同じセグメント内でDHCPサーバ機能を発揮しているため、不要です

Router2が無線LAN機能を持っている場合、こちらにWi-Fiで接続することもできます。Router1の無線LANとの併用も可能です。

併用した場合、Router1に接続したクライアントは必然的にIPv4 over IPv6、またはIPv6でインターネットに接続します。
Router2に接続したクライアントは、IPv4で接続されます。

ゲートウェイをHGWに(冒頭図では、192.168.1.1に)指定できますので、ひかり電話の送受信に利用したりIPv4でインターネットに接続できることになります。Router2に接続したクライアントのIPアドレスは、HGWで有効化しているDHCPサーバが付与してくれます。

Router2に接続したクライアント側で、明示的にゲートウェイをRouter1に指定した場合はRouter1を通過するので、IPv4 over IPv6、またはIPv6でインターネットに接続できることになります。

このローカルルータを追加することで、HGW-Router2の間のどこか(両者いずれかのLANポートや両者の間で設置したスイッチングハブ、無線LANアクセスポイント)に接続したクライアントはゲートウェイとしてHGWかRouter1を選択できることになります。

さらにRouter2は家庭用とはいえルータなので(WAN側-LAN側へのデータの動きをある程度制限できるので)、HGW・Router1・Router2間で配線がループしていてもあまり問題はない、ということらしいです。ただ、Router2にWi-Fiで接続したクライアントにIPアドレスが付与されるのに少し(数秒~十数秒ほど)時間が余計にかかる気はしています。何の問題もない、というほど盤石ではないようです。

4.PC(冒頭図の位置にあるもの)

HGWのLANポートに接続します。
冒頭図ではそうなっていますが、Router2のLANポートに接続しても下記のように設定でき、同じ結果になります。

-以下、クライアントPCの設定-

Windows10の場合、設定→ネットワークとインターネット→イーサネット(有線で接続中の場合)から表示されるネットワークを選択し、IP設定→編集 で、適当なアドレス(HGWと同じセグメント。冒頭図のネットワークなら192.168.1.5 など)を入力する。

4_20231112021901

上の画像のようにゲートウェイとしてRouter2を指定すると、IPv4 over IPv6でインターネット接続できるほか、Router1,2,HGWの設定画面にログインできる。
上記画面の下部にあるIPv6の設定はオフのままで可。

-クライアントPCの必須の設定ここまで-

優先DNSはゲートウェイと同じでも可ですが、ゲートウェイをHGWとRouter2で切り替えるので両者どっちでも使えるらしいGoogleパブリックDNSのアドレスを入れてあります。特に必然性はありません。

上記の設定でゲートウェイにHGWを指定することもできます。
この場合は、Router1の設定画面にログインできません(192.168.10.10をブラウザに入力してもルータの設定画面に到達できません)。言い換えるとRouter2によって阻止されている、ということになります。

5.従前接続していたネットワークプリンタ・複合機・PC

HGWかRouter2のLANポートにつなげば、すべて従前通り使えます。
※もともとHGWがDHCPサーバになって各機器にIPアドレスを付与されていたか、機器側でHGWと同じセグメントのIPアドレス(冒頭図のシステムなら、192.168.1.101など)を指定している必要はあります

逆に、Router2-Router1のあいだに設置したスイッチングハブ、またはRouter1のLANポートに接続してしまうと、HGWの配下にある機器とは別のセグメントのネットワークに属することになってしまいます。

ネットに高速接続できればいいというだけなら明示的にRouter1のSSIDに接続させるのもよく、ゲートウェイの設定を変えるよりWi-FiのSSIDを変えるほうが簡単です。僕もFire TV StickはRouter1に接続しています。

6.HGWにVPN接続していたスマホ

これも従前通りVPN接続して使えます。
宅内からIPv6で接続させる必要がないなら、ゲートウェイをHGWにしておくとIPv6への移行前後で設定の変更が全く不要になります。


適切に接続できているかの確認は、ぷららの場合は『ぷららv6エクスプレス(IPoE)接続環境確認サイト』を利用します。
HGWのLANポートに接続したPCで、ゲートウェイをRouter2にしたとき、目的通りIPv4 over IPv6接続になっていれば以下のようになります。

5

冒頭図の位置にあるPCでゲートウェイをHGWにすると、上の確認結果のうちIPv4のほうがPPPoE方式に替わります、というより元に戻ります。


ところで、このネットワーク構成の素敵なところはRouter1 とRouter2の電源を切ってしまえば一瞬で従前通りの=IPv4でPPPoE接続していた構成に戻る点です。あとはPCのデフォルトゲートウェイだけ書き換えてあげればいい。

明日は日曜日なんで…周りの工場が停まるから(当事務所は住宅より工場多めな地区にあります)、IPv4でも十分速いんですよね。

実は古いルータが挟まるぶん
変更後のほうが遅かったりして(゚◇゚)ガーン

晴れた日にはUNI出しでもしようか(RV-440NEのVPNサーバを無理矢理活かすIPv6への移行計画)

この1週間で準備書面3つ訴えの変更申立書1つ、なんとか作りきって迎えた週末。

午前中の相談はキャンセルになり、仕事は一通り終わって、いい天気でもあります。

こんなときでもなければできないことをやってみました。表題の件。

居住用マンションに入っている当事務所では、フレッツ光はVDSL形式のみが選択できます。最高速度は100MBpsとされています。
数年前ならこれでも50~70MBpsは出ていたのですが、ここ2~3年で徐々に検出されるSSIDが増えてきました。

つまりネットにつなぎたい人が増えた、ってこと。接続速度も徐々に落ち、今では深夜でも20MBps程度、お昼だと5MBpsを下回るのです。

これがよろしくない、という理由が新たにできました。
民事訴訟法の改正でテレビ会議方式での期日が増えるように思えるのです。高速とは言わないまでも速度が落ちない回線を確保しておく必要が高まった気がします。

対処方法として一般的なのは従来の接続方法=IPv4からIPv6への移行を図ること、らしいのです。

僕が使っているプロバイダ(ぷらら)は、希望すれば接続用のルータを無料で貸してくれる、ということでルータをちょっと取り寄せてみたのは今年春のこと。ちょっと接続してみてやめた、のです。通信環境を整理します。

  • ブロードバンド:フレッツ光マンションタイプ(VDSL)
  • プロバイダ:ぷらら(光コラボレーションではない契約)
  • プロバイダとの契約時期:2014年(正確には、現在の契約に変更した時期)
  • ホームゲートウェイ:RV-440NE
  • ひかり電話:あり。固定電話とスマートフォンで利用中
  • レンタルされたIPv6接続用機材:アイ・オー・データ機器 WN-PL1167EX03

宅内LANはRV-440NEのルータ機能を使って実現しており、これにアクセスポイント(元はNEC製のルータ)をぶらさげて無線LANも使っています。この環境でIPv6への移行を阻む要素が二つあります。

最大の理由はRV-440NEをVPNサーバとして使っていること。
正確には事務所外からスマートフォンを使って固定電話の発着信ができるようにしているだけなので、宅内LANに接続したいのではなくRV-440NEにだけ接続できればよいのですが、とにかくVPNを使っているのです。

第二の理由も電話がらみです。050-の番号を付与されるIP電話として、ぷららフォンforフレッツを使っています。

こちらもスマートフォンで利用できる、というのはぷららが公式には推奨していない手法のようですが(20年前に販売されてたようなVoip機器に固定電話と接続せよ、という説明が未だにぷららのウェブサイトには出てきます)僕のところでは有料版のZoiperをスマホに入れて可能にしてあるのです。

これらが、貸与された機器でIPv6接続を始めると使えなくなるらしい、というところに問題がありました。貸与されたWN-PL1167EX03を公式に推奨されている方法で=RV-440NEのLANポートに接続すると、ルータの機能はWN-PL1167EX03が担当するようになり、RV-440NEの設定関連画面にはアクセスできなくなります。後で調べて設定関連画面にはアクセスする情報が見つかりましたが、デフォルトでは自動的にVPN関連の設定もできなくなるのです。

ここで一旦IPv6への移行をあきらめて、半年経ちました(苦笑)

半年前にもネットの情報はいろいろ探したのですが、ホームゲートウェイのVPNサーバ機能を手放さないで済む接続方法が見つからないように思えたのです。

いま試しているシステムは、RV-440NEのVDSLモデムの部分とルータ+ひかり電話+VPNサーバの部分をつないでいるケーブルを外して分離するもの。VDSLモデムの部分から引っ張り出してきたケーブルにはハブを接続し、貸与されたルータとRV-440NEを並列に接続する形になっているのですが、巷の情報で言われるほど不安定ではない気がする…と書いているうちに一回、接続が切れました。

ナンバリングマシン/ナンバリングスタンプ動作支障時に実施する丸洗いの件

先ごろ受けてしまった記帳代行の仕事。先代の代表者兼経理担当者はおそらく、当事務所に伝説を残すことになる人物だったのです。
動画で例えるならその担当者は、こんな感じで証憑を扱っておりました。

引き渡された、のではなく捜索発見した証憑類には、偽計業務妨害罪の成立を疑える水準のジャミングとサボタージュが施されておりました。この人、現役時代は絶対潰れない種類の事業体の労組でご活動に取り組んだと豪語してましたが…
これぞ左派活動家の仕事、というより現代版ラッダイト運動(゚◇゚)ガーン

事務所の中から請求書や領収書や納品書やレシートの群れをまず探して持ってくる、発見できた証憑類の5倍の可燃ゴミ=死蔵書類を捨てさせる、というだけで3泊4日の出張日程がまず吹っ飛びまして。

この仕事の難易度所要時間を発注者側で誰も把握していないことにも驚愕したのですが。
カンタンそうに言ってしまえば各年ごとに数百仕訳になるかならないかであろう各種証憑類をとにかく突合可能なかたちで整理しクラウド会計ソフトに入力せねばなりません。それが単票でテキトーな封筒にどさっと入れてある、というならまさにカンタン、単に労力を投入すれば済むわけですが、もちろん違います。

この関与先では『大部分がバラバラな単票、若干がA4の紙の片面に貼ってあり、中には紙の両面に貼ってあるものもあり(←切り離し不能、ということ)、貼ってある証憑類は期間でも勘定科目でも整理されていない=ただなんとなく貼ってあり、ある物は剥がれ落ちる。そんなファイルが収録期間も収録された証憑の種類もバラバラに5つあり、そのうち3つは表紙があるが2つは紙をホチキスで束ねただけで、ついでに言うと証憑類と何の関係もない別ファイルのなかにも納品書や領収書が綴られているファイルもあればいないファイルもある』のです。令和4年1月のレシート貼った次のページに3年6月のが貼ってある。もう普通に。その担当者が経営する別の事業所から持ってきた、利用者の個人情報ダダ漏れな裏紙にも貼ってある。

この担当者、就労支援B型の事業所でなら働けると思いますか?
執務室にテーブルを二つ追加して広げた証憑類を眺めながら、補助者さまに尋ねてみます。
彼女は昼職の関係上、就労支援の制度・運用に一定の実務的見解をお持ちです。

無理だと思います、と即答が返ってきました。
そんな人が先代の社長。そんな会社が僕の発注者。

そうやって積み上げられた紙たちが織りなす無秩序と混沌とを夜、一人で見ていると。
心は静かに乱れていくのです。狂を発する、というべきかもしれません。

そんなことを考えてはいけない、と言ってくださる聖人君子の方のお立場も一応わかります。

ではありますが、この作業に報酬が支払われるか否かは出張2回を経てなお未定、というよりこんな"帳面つけ"(←発注者の世代に合わせて、昭和風に言ってみた)にカネがかかるなんて考えてもいなかったらしい人達が依頼人であり、そうであっても僕はこのブルシットジョブに100時間超を投じつつなんとか今月の事務所経営を成り立たせた、という点で情状酌量の余地を主張したいと思います。正確には出張しておこなった家宅捜索兼大掃除、結果を示しての説明と問題点の指摘、にだけは報酬が支払われています。作業の最初と最後にだけ、ってこと。

 

この作業に対してにこやかに敢然と取り組み作業員達の士気を保って期間内に完成させる、ということは当然できません。
ですが、やると言った以上は創意工夫と自分の意地と補助者さまのご協力によって日程内には完了する、ことになるわけです。で、ようやく表題の件。

最初にこの証憑その他雑文書が織りなすカオス、を見て考え込んだのです。

証憑類のほうに修正不能なかたちで連番付与して、会計ソフトが自動付与する連番=取引番号と一致させておくようにしないと絶対に破綻する、と。

報酬の支払いに問題があって撤退なさったらしい先代の担当税理士さんのところでは作業中にモラルハザードが起きたのか、そちらの担当決算期のほうでは総勘定元帳と突合不能なかたちでレシートの束が返ってきておりました(苦笑)さらに、入力済みの証憑より未入力の証憑のほうが多い気配が漂っています。少なくとも金額ベースでは未入力のほうが多いが決算は済み法人税申告書が出ている、というファンタジーが成立している(驚愕)
自分の仕事をサービス業と了解したうえで発注者サマをどうこう言っていいわけではない倫理観があり得るのと同様に、どうこう言わない代わりに手抜きで応じるのもよろしくないはずです。
こっちでは絶対手を打たねばならん、手書きもダメだ、と。

で、おカネはないのです。表題の件。

amazonを探すと取得価格千円台で、打刻ごとに自動で番号を進めて捺印できるスタンプが売られています。中国の適当なメーカー製。

5千円台になると誰でも知ってる国内メーカー製のが視野に入ってきます。コクヨ/マックス/プラス など。メーカーにより、ナンバリングマシンとかナンバリングスタンプとか、あるいは単にナンバリング、と呼んでいたりします。

下に押すごとに番号が一つ変わる、というのを単純に想定していましたが、この世界も奥深いものがありました。番号の進み方が『進まない(番号固定)/一つ進む/二回押すと一つ進む/以下、2~20回押すと進む設定を複数持つ』ものがあるほか、使わない桁の印字をさせない機構を持っていたりします。○桁●様式、というのはこの進段設定の豊富さをさすのだ、と知りました。

ライオン事務器の5桁5様式の形式名には鉄道ファンとして心惹かれるものがありました。C-58とかあったら衝動買いしたかもしれません。

 

そんな国内メーカー製のを一つ買いました。ジャンクで(わらうところ)

知らない中国製の新品よりよかろう、とは思ったのですがやっぱり難がありました。

作業開始前に好みの番号に合わせるにはプラ製の棒(使用済み歯ブラシの首を切って、寸法材質形状とも丁度いいのが自作できました)で一桁ずつ番号を進めていくのですが、3桁目の数字を動かすと隣の4桁目の数字がつられて動きます。おまけにこれが固い。動かない!

何度か棒が滑り、棒を持った人差し指がナンバリングマシンの角に結構な勢いであたるのです。

何度か棒が滑り、人差し指第二関節に傷ができ、出血したところで。

僕の心のなかでも何かが、壊れてしまったのです。

超音波洗浄機を押し入れから出してきました。水を入れます。

インクジェットプリンタのヘッド詰まりには威力を発揮する、台所用マジックリンを適当に注ぎます。インクパッドを外したナンバリングを入れ、洗浄機起動。

もやもやと…おそらくはあっちこっちで固着していたインクが漏出してきました。

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こうなったら行けるところまで行くのがよいであろうと思うのです。
(この案件そのものが、そうなってる気もします)

写真のような感じで一回3分の洗浄コースを2回、洗剤取り替えてさらに2回×2回、すすぎとして水だけで2回。
計8回の洗浄にかけてピカピカになったナンバリングマシンをベランダに連れていきます。その前にドライヤーで水分をあらかた吹き飛ばしました。

さらに、天日に干して2時間。時々向きも変えてあげます。

ベランダからナンバリングマシンを引き揚げ、押し入れからはミシン油を持ってきます。摺動部回転部を中心に1~2滴ずつ注油して。

インクを保持するインクパッドも新品に取り替えました。マックスのインクパッドとプラスのインクパッドは高さが0.5mm違うのですが幅と長さが同じで、双方のメーカーのを流用しても問題ない模様。インクも含めて、国内メーカー各機は消耗品を各社で使い回せる気がします。

で、結論。

破壊…ではなく整備を終えたナンバリングマシンはどうやら新品並みに稼働するようになりました。

各桁とも棒で押してやると、軽やかな金属音を立てて数字が進んでいきます。任意の桁を引っ込めて印字せずにおくことも当然できます。
インクの補充をこまめにしてやれば印字品質を維持できる(横着するとインクがベトベトに着いたりかすれたりする)のは普通のことです。

このメタルインクがラッカーシンナーで溶ける、ということも昨日わかりました。
使用せずに長期保存する際にはインクパッドを洗ってしまえばよさそうです。

さて。
ひょっとすると僕は、これで向こう10年使えるナンバリングマシンの国産機を手にしたのかも…しれません。

まさかこれが、本件業務における唯一の経済的利得、と思いたくはないのですが(゚◇゚)ガーン


複数回打刻後の進段とか任意桁の印字休止など、いろんな機能をアナログで実現するナンバリングマシン。
複雑な内部機構を持ってるはずですが、実は写真のように丸洗いできてしまうようです。

机から床に落とした、などで生じる機構的破損や歪みでなければインクの浸入・固着がナンバリングマシンの故障の主要原因と考えますが、インクに由来する故障であれば

  • メガネ用の超音波洗浄機と台所用のマジックリンでどうにかできてしまうかもしれない

ということでした。超音波洗浄機がない場合、温度高めのお湯と濃いめのマジックリンに長時間浸けてやることでもまぁ似たような効果が得られるような気がしています。

最後に二つ。

お約束通りですが、ナンバリングマシン/ナンバリングスタンプの水洗いに際しては自己責任で挑戦してみてください。経理体制が崩壊した零細企業の記帳代行業務に巻き込まれたとき以外でも、普段のしごとが少し気分良く進められるようになるかもしれません。

もし、余所のまともな税理士さん公認会計士さんが受託を回避するほどの経理体制崩壊が先代先々代の担当者によって生じた、自分にはなんの罪もない、または、そういうことにしたい(←役員解任登記やら損害賠償請求訴訟の準備とリンクして、そういうことにしたい、など)会社がある、そんな場合には。
当事務所で記帳代行業務を行うことができる、かもしれません。前提となる事業所内の実況見分→証憑類の探索発見作業から承りますが、手間に応じて費用は高いです。出会い頭に100万円請求されても動揺しない自信があり、発見分別されたゴミは自治体の規定にしたがって処分すると決めた方のみお問い合わせください。

そう言われると随分高いと思われるかもしれませんが、そうやって発見できる未記帳の領収書1千万円分(その他、前担当者の故意過失)、には相応の価値があるはずなのです。

危地を脱し、前より強くなったが、無傷ではいられなかった件(デスクトップPC更新作業の顛末)

ログによれば3月24日、13時24分に予期しないシャットダウンがあってから僕のデスクトップパソコンは故障していたようです。

今日ようやく復旧と更新が終わりました。その過程で新たな知見を得ましたので、情報をウェブに出しておくことにします。

○機材の構成

ATXのマザーボードを用いた自作のPCでWindows10 Proを運用していました。

Windowsは7からのアップグレードで、7の頃はHDDにインストールしていました。
これをSSDに移行し、さらに2台目のSSDに移行させた経緯があります。現在はSANDISKのSSDを使い始めて、たしか4年目。

このため、パーティションはずっとMBR形式となっていました。

本記事執筆にあたり再確認したところ、マザーボードは2011年3月に導入していたようです(しかも中古で)

その後、電源は2回筐体も2回グラフィックボードは1回の交換、メモリは1回の交換兼増設を経て、CPUは12年間CORE i7 860のまま現在に至りました。マザーボードもASUSの中古を導入したものが12年間健在だったわけです。

本件に関わる限りでの構成は

  • M/B: ASUS P7P-55D-E
  • CPU: INTEL CORE i7 860
  • MEM: KINGSTON KHX1600C (8GB)
  • SSD: SANDISK SDSSDH3 240GB
  • PWR: SCYTHE 剛力短2 PLUG-IN(550W)

こうしたシステムで訴状や準備書面を作り、時には反訳書と同時提出する録音を音声ファイルとして編集したりCDを焼いたりしておりました。
特にオーバークロックやらマイニングやら自宅サーバの公開などしていたわけではなく、PCを酷使していたわけではないのです。

無理を強いたり壊そうとしたりしていたのは相手に回した会社であって自分のPCではない(わらうところ)

※そんなわけで、以下は数年ごとに=世間並みな耐用年数で全機材を取っ替えていれば避けられたはずの騒動が発生した記録です(重ねて、わらうところ)

○問題事象の発生とPC更新の決定

先月のこと。山旦那の団体からやってきた案件で山旦那のために作業をせねばならなくなり、30時間ほどただ働きしてその成果をメール送信し、Windowsをスリープに入れて1時間後、スリープからの復帰に失敗しました。これが3月24日のことです。きっと山旦那のせいです。

スリープからの復帰失敗自体はこれまでにも時折あったのですが、本体のリセットボタンを押して再起動したところ、BIOS画面が出たあとWindowsの立ち上げに失敗するようになりました。

具体的には、起動時のASUSのロゴが消えたあと、黒い画面にカーソルが点滅したまま停止します。エラーメッセージ等は出ません。

この時点で、SSDに記録していた作業データは救出できたことから問題はMBRその他『Windowsの起動に関する部分』にあると推測しました。

いずれにせよ、この自作PCの筐体を開けて諸作業が発生する今回のタイミングでシステムを一新することも決め、先週までの出張中にマザーボード・CPU・メモリ・SSDを発注しました。ケースと電源は従来品を流用し、予算総額3万円台で調達すること、ということでCPUはCORE i3の第10世代、メモリは16GB、記憶装置はNVMe M.2 SSD500GBとしています。衝動買いに近いかたちになったわりにはメルカリで安く買い集めることができ、SSDだけはヨドバシドットコムで買っても総額3万2千円弱で一式が揃いました。

まずこのPCを組み上げてから、以下の作業に入ります。システム構成が大幅に変わったことになるので、修理成功しても運が悪ければWindowsのライセンスを引き継げなくなるはずですが、まぁそれは運だ、と考えました。対処1の部分の作業は交換前のマザーボード・CPUでも試して失敗しています。

○対処1(奏功しなかったもの)

Windowsのインストールメディアからコマンドプロンプトを用いてbootrec関連のコマンドを連打する対策は一通り試み、失敗しました。

具体的には僕の機材の場合、bootrec/fixmbr は正常終了し、bootrec/fixboot でアクセスを拒否されたとエラーが出ます。

この情報も含め、参考になったのはこれまでもときどき拝見していた『ぼくんちのTV別館』のウェブサイトです。僕の環境では残念ながら説明どおりに対処できなかったのですが、ヒントになる記述がありました。

別にもっと簡単な対策として『EaseUS Partition Master Pro』の購入と、同ソフトの機能を用いたMBRの復旧も試しましたが効果無し、となっています。ソフト上では正常終了した旨のメッセージが出るのですがWindowsの起動に失敗する状態は変わりませんでした。

そもそもこの機材にWindowsを入れ直すことはできるか、という確認のため、別のHDDにWindows7とWindows10をクリーンインストールしたところ、双方とも普通に立ち上がりました。つまりマザボやメモリには異常がないと確認できました。

…で、手詰まりになったわけです。

○対処2(やや前進したもの)

上記リンクの『ぼくんちのTV別館』サイト内では、破損したファイルをインストールディスクからコピーして復旧した事例がWindows7ではあるようだ、との記載がありました。

これに似たことはできないか、と考え、以下のことを試みました。

問題を起こしたSSDのパーティションは、MBR形式のWindowsシステムの立ち上げが可能なものとして一般的な

1番目---2番目

約100MB-230GB

という構成になっています。

前項で、試しにHDDまるごとフォーマットしたあとでWindowsをクリーンインストールした別のHDDでも、1番目の領域には約100MBが確保されています。ここにWindowsの起動に要する情報が入っている、はず。

そう考えて、この約100MBの領域を健常なHDDから問題のSSDにクローニングします。
EaseUS Partition Masterでパーティションのクローンを用いたため、作業自体は簡単です。

で、事態は前進しました。

この実施後はWindowsが立ち上がろうとし、『回復』とタイトルのついた青い画面でエラーメッセージを吐くようになったのです(゚◇゚)ガーン

あれこれ調べてはみたものの、ここから先への改善は実現できませんでした。

○対処3(結果的に正解だったもの)

この時点での現状を整理します。
OSやデータやソフトを入れたSSDからはWindows10が立ち上がらなくなりました。ウェブに出ているコマンドラインを使う諸施策も有効ではありません。
Windowsをクリーンインストールすることは当然できますが、全てのデータが失われます。ソフトの再インストールも必要です。

特にダウンロード版の一太郎2019が再インストールできなくなる(ダウンロードできる期限が過ぎている!)ためクリーンインストールは避けたいのです。
市街地に投資用マンションを何棟も持って月間数百万のキャッシュフローがふつうにあるような山旦那にはふつうの選択肢である新品のメーカー製PCの購入は零細個人事業主たる当事務所ではもちろん論外、という状況です。

ただ、これまでの作業で僕もヒントを見いだした気がしたのです。
前項では『別にクリーンインストールしたHDDに形成された1番目の領域=システム予約済みの領域を、問題があるSSDにコピーしてみた』結果、SSDのほうではWindowsの立ち上げに失敗しました。

ならば。『問題があるSSDの2番目の領域=OSやデータが入っている領域を、クリーンインストールを終えてWindows立ち上げ可能になったHDDの2番目の領域に上書きする』とどうなるでしょう?

容量としては120GBほどあったのですが、パーティションのコピーそのものはEaseUS Partition Masterでやっぱり簡単に終了したのです。

で、これが普通に立ち上がってきたのです。
Windowsが、元通りのデータが従前どおりのフォルダに残っておりソフトがインストールされた状態で!故障前の状態で!

マザーボードが変わっているためデバイスマネージャーを見ると、機能していないデバイスが5個ほどありました。しかしさしたる問題ではありません。僕はこの時点で、『Windowsがふつうに立ち上がり、ソフトやデータは問題発生前と全く同じ、ただし記憶媒体はHDDである』システムを持った、ということになります。

まずこの健常HDD全体を、ただちにクローニングしてバックアップをとったことは言うまでもありません。
当然ながらディスク丸ごとのクローン作成は、EaseUS Partition Masterでかんたんに可能です。

※別にこのソフトを推奨しているわけではありません。こいつのMBR復旧機能が機能しなかったからここまで苦労してるんだから(怒)

しかもこのソフト、クローンで作ったパーティションへのボリューム名の付け方が安直なんです。

Photo_20230406010301

そりゃCドライブのクローンにそのままの名前つけることには文句言わんけどさ…
それを本家のCドライブに続けて合計3つ並べられたら随分とわかりにくいもんだよ(笑)

○システム移行と設定変更

この、嬉しいようなわかりにくいような状態にたどり着いたのが昨晩、日付の変わる寸前でした。

今日、さらに設定を追い込んでいきます。

まず、HDDから今回あたらしく買った(今回のPC更改計画で、唯一『新品をちゃんとしたお店から買った』)Western DigitalのSSDにクローニングします。例によってEaseUS~(以下、商品名略)で簡単です。

さらに、新品SSDのパーティションの形式をMBRからGPT形式に変更しました。これもEaseUS~で簡単にできたのですが。

変更後、Windowsの起動に失敗しました(゚◇゚)ガーン

○再確認

マザーボードのBIOS画面に入り、起動するデバイスの設定を確認しました。

前項でGPT形式に移行を終えたあとのSSDは『起動可能なデバイス』の選択肢が2つ以上あることになっています。

一つのSSDに、起動可能なシステムを一個だけ入れただけなのに、選択肢が二つあります。
そのうちの一つを選択したら起動に失敗した(汗)というこうことで。

全くおなじデバイス名が書いてある2番目の選択肢を選びなおし、設定を保存してBIOS画面を終了してPCを再起動したら。

○作業完了と、その直前の失敗

なぜそうなったのか全然わからんのですが、とにかくWindowsの立ち上げに成功しました。

結果として、『問題発生した旧SSD→中間作業に使ったHDD→新たに調達した新SSD』への環境移行を終えました。
Windowsのライセンス認証もwindowsの画面だけで完結し(電話認証を求められることはありませんでした)、デバイスドライバはマザーボードに関するものをいくつかメーカーのウェブサイトからダウンロードしてきただけでPCの中身を一新してしまうことができたのです。電源ボタンを押してからWindowsのログイン画面が出るまで10秒。速い。

うきうきるんるん、とばかりに完成した環境をクローニングすべく、今度は外付のUSB接続HDDをつなぎました。

ところが。エクスプローラーにそのHDDが表示されません。HDDのアクセスランプは光っているのに。

そうこうしているうちに、ほのかに香ばしいにおいがただよってきました。

香ばしいにおいが!外付HDDのあるあたりから!

慌てて電源をカットし(コンセントごとにスイッチがある電源タップを使っておりました)、HDDに鼻を近づけると確かにここから匂ってきます。恐る恐る分解すると。

何か焼けた気配がします。基盤の金属部が茶色い…、いや、黒い。

あらためて確認したところ、DC12VのACアダプタを接続すべき外付HDDにDC24Vのアダプタ(シュレッダー用!)を接続した結果、当然のように大電圧がかかって当然のようにHDDのモータ周辺を焼いた、でもって当然のように

中のデータは取り出し不能になった(゚◇゚)ガーン

ということでした。このHDDにはバックアップデータしか入れていなかったし、すでに不良セクタもあったのでいま全損してもそう悔しくはないのですが…

最後にこの外付HDDユニットを分解し、USBケーブルから内蔵HDDのSATA端子に接続するための基盤(これは変圧等の機能がないので大電圧をかけても無事だった)を取り出して再利用に備え、10日にわたるPC復旧・更新作業を終えたことであります。

Dsc_0430

ただ、気になっているのはPCのBIOS画面に表示される、起動可能なデバイスの選択肢がいつのまにか、2つから3つになったこと、ではあるのです。一つのドライブに一つしかWindowsはインストールしてないのに。

Dsc_0428

表示されている3つのうち1つは正解、とわかったので問題ないものとします(苦笑)

SH-01Jで始める合理的シンプル290プラン

当ブログの記録によれば、僕は2006年12月から5年ほど、事務所外でのデータ通信にb-mobileのサービスを使っていました。

当時はPHSの電波を同時に2チャンネル用いて最高速度128kbpsの高速通信(笑)を実現するものだったと記憶しています。灰色公衆電話でのダイヤルアップ接続からようやくワイヤレスの世界に解き放たれた点で僕にとっては画期的でした。東海道本線沿線では通じるが中央本線沿線、特に山深い中央西線では塩尻を出たら中津川まで使えない、ということでそれ自体がブログのネタになっており、それでも重宝しておりました。

で、気がつけば12年ぶりに、このサービスの提供会社に戻ってくることになったのです。表題の件。

電話が嫌い嫌いと言いながらも一応は携帯電話を使っています。Docomoの二つ折りの携帯電話を音声通話に、ほかにモバイルルータとAndroidスマホを持ってデータ通信をする、そういう構成でした。音声通話は月額税込み1300円ほどで5分かけ放題、付随するデータ通信の契約(SPモード)は月額300円だったがこの夏、経費節減のため止めた、そんな状況です。

音声通話は30件保存される発信履歴を先ほど確認したら半年前まで遡れた(失笑)という程度にしか使わず、データ通信も月1~2GB、その程度でいいのです。

ただしデータ通信を用いたいデバイスは複数ある、携帯電話1台スマホ1台タブレット3台パソコン1台あるがとにかくそういうもんだ、と。

この移動体通信サービスをさらに見直そう、というきっかけになったのがこの夏からの楽天モバイルの有料化です。
データ通信の代わりにこの会社のサービスを一回線契約してスマホにSIMを挿しており、『どうやら電話もできるらしいが僕はしたことないスマホ』として重宝しておりました。それがこの夏から月額1078円の料金を取るようになり、もともと無料目当てで群がっていた有象無象の人々と同様に僕も、遅ればせながら逃散することにしたのです。

できれば今月中に他サービスに引っ越そう、ついでにDocomoもやめよう、ということでまず楽天モバイルはLINEMOに移すと決めました。

ご存じな方はご存じでしょうが、事態の先送りです。こちらはたぶん楽天モバイルからの脱落者を収容するキャンペーンをやっており、料金と同額のポイント還元が8ヶ月続きます。たぶん、1年くらいで(お義理で何ヶ月か有料で付き合って)また別のサービスに引っ越す予定。

Docomoのサービスをどうしようか、迷いがありました。

サービスのスペックとしてはPovoのようなものが最高なのです。維持費ゼロ、データ通信は低速だがメール送受だけなら一応可能、思い立ったら高速通信できるデータを買えばいい、そんなサービスがDodomoの携帯で使えればよかったのですが、僕が使っているSH-01JはSimフリーにしてもらってもauの電波を掴みません。残念。

月額500~900円台にはいくつかのサービスがありますが、あえてDocomoから引っ越そうというほどのメリットが見いだせません。

あれこれ探すうちに見つけたのが日本通信の合理的シンプル290プランで、これはDocomoの電波で音声通話とSMSが利用可能、したがって既存の携帯電話をそのまま利用可能、データ通信は1GBがついて月額税込み290円、というもの。

運営会社がかつてb-mobileで使っていた日本通信だというところが気に入りました。つい最近参入して今後いつ止めたり値上げしたりするかわからない軟派な格安Sim業者とは違うであろう、と期待できます。

あとは僕のSH-01Jで使えるかが未確認だったのですが、もし不可ならスマホで使えばいいやと決めて一昨日出張先から発注をかけ、早々に手続が終わってSimは今日やってきました。

試してみたところ音声通話・データ通信とも支障なく使えています。
さらによかったのがSH-01Jにも一応ついているテザリング機能が一応使えること。Bluetoothでタブレットと接続し、タブレット→SH-01J→インターネット、という経路でブラウジングしたところ、ウェブサイトのページを開くのに一瞬もたつく(リンクをタップするごとに、1秒に満たないタイムラグを生ずる)印象はあるのですが一応笑って許せる程度の遅延におさまっています。これはいい。一応だけど。

Photo_20221230002701

というわけで、Docomoから日本通信へのMNPはどうやら正解でした。データ量の使用制限を2GBにしても、今後は500円ちょっとで済みます。一つ問題なのはテザリングで消費したデータ量が携帯電話側の設定メニューから確認できないこと。日本通信のMy Pageに行かないと正確な消費データ量がわからない、ということだけ気をつけて運用すればよさそうですし、上記のとおりデータ量そのものの上限を指定できるのでいつの間にか変な費用増加が生じる、ということはありません。

ところで、amazonで売ってる以下のスターターパックの意味がよくわかりませんでした。mineoとかocnとか、有名どころのMVNOのスターターパックは数百円。もっとずっと安いのです。これを買って契約時の事務手数料を安く出来る…という誘客機能を持たせたものであるはず、なのになぜ日本通信だけこんな値段なんだろう?

最終的な手続を終えてわかりました。

 

このスターターパックを買えば手数料は3000円弱で済む一方、買わずに手続すれば3300円かかるのです。
つまりスターターパックの経費節減効果は300円強だ!と(愕然)

データ通信で使っているLinksmateもそうでしたが、いいサービスを安く提供してくれている業者さんは積極的なキャンペーンやCMや値引き施策を講じる余地も必要もない、ということなのかもしれません。

ちなみにデータ通信のほうはLinksmateの月額165円で100MB、というプランを今後も使うつもりです。
こちらは低速通信時にデータ量消費をカウントしない機能がついており、低速通信時にもカーナビが使える程度の速度は出ることがわかっており、2GB以上ののデータを使えるプランの月額料金は日本通信より安い、ということで使い分けはできています。モバイルルータで使うには今後も、これがいい。

…あとはPovoのSimが、余っています。どうしよう(苦笑)

(10年ぶりに!)代書やさんのDocuworks(Boox Note Air2におけるDocuworks Viewer Lightの導入と設定について)

当事務所では文書管理にDocuworksを使っています。
要約すると表題の機材でもビューアの導入と文書の閲覧が可能になったぞ、という話しです。
想定読者はごくごく少数ですがピタッとはまった人は一緒に幸せになれる、そんなお話しになろうかと。

さてこのソフト、かつてFuji Xeroxブランドで作ってたときは結構よかったんですがXeroxと縁切れになってからリリースされた新バージョンでは遅くなったしPCによっては起動すらしなくなった…のでせっかく買ったバージョンアップのライセンスを利用停止してVer7.0のボリュームライセンスで使ってる(最新は9.1)、そういう状態ではあります。

そんなDocuworks旧バージョン、古いPCでもそこそこ早くそこそこ便利、平和な相続登記でもそこそこ使いますが大揉めな訴訟になるほど大活躍(苦笑)の有能ソフトなのです。

で、このシステムと連携させるつもりで今春導入し、大コケした機材がありました。
Boox Note Air2です。

 

見かけは10インチクラスのタブレットである本機は、発光するディスプレイではなく白黒の電子ペーパーを搭載しています。同様なコンセプトのKindle Paperwhiteや楽天のKobo、富士通やシャープから出ているPDF閲覧端末などと違ってAndroid端末としてGoogleのPlayストアに対応しており、アプリをいくらでもダウンロードできる…ということでした。事前情報では。

こんな怪しい中華タブレットがカタログスペック通りに動作したら当ブログのネタにならなくて困るだろ(←逆ギレ)、ということで最初に一撃食らったのは、この端末でPlayストアにアクセスしてもDocuworks Viewer Lightが表示されないこと。

そう、Docuworksで作った文書をAndroid端末で閲覧するためのビューアが、よりによってこの端末ではインストールできぬ、というのです。公式には。

ずっと前にも期待して導入した新機材でこの馬鹿げた事態を発生させた記憶があります。
ブログを調べたところ、2012年2月に当時導入したNECのLifeTouch Noteで全くおんなじ絶望を経験していた、と。
進歩ないんか自分(゚◇゚)ガーン

当時は当事務所、債務整理バブルの余韻にまだひたっておれたようです。ヒマにあかして徹夜に近い何夜かの作業を経てPC上でAndroidのエミュレータを走らせて入手したapkファイルをLifetouch Noteに転送して無理矢理インストールさせる、という解決法を取りました。

もう嫌だそんなの、と今なら自信を持っていえます。

当時のAndroidのバージョンは2.2。ちょっといい端末が4.3、だった気がします。その後10年でこの世界の状況はずっとよくなりました。

Playストアとは別に、同じソフトのapkファイルを公開するサイトがいくつもできているのです。
まぁそのなかには若干素性の怪しいものも、あるようですが。

ですので適当なDocuworks Viewer Lightのapkを探してダウンロードしてBoox Drop経由でNote Air2に入れるところまでは30分ほどで済みました。

ソフトを起動して破綻に気づくまでが30秒、といったところでしょうか。
閲覧しようとした文書の左上を原点として、7割くらいしか表示されないのです。右が欠ける。下も欠ける。

R0011977

拡大はできますが縮小しようとしても欠けた部分が出てきません。
これにどうやって対応したものか、WebにもNote Air2の英語版のマニュアルにもヒントが出ていなかったのです。

Note Air2じゃDocuwoks文書は見れんのか、そうではあっても旅行中に楽天マガジンやKindle unlimitedが使える電子ペーパー端末ではあるので売り払う気にもならず、なにやらもやもやとした3ヶ月を過ごしておりました。

ひらめいたのは楽天マガジン経由で閲覧する週刊文春で原色美女図鑑をよりよく見ようと写真関係の表示設定をいじっていたとき、ではありません(強調 特に女性の読者さんに対して強調) 

白黒の電子ペーパー端末で写真、特に人肌のような中間色の色合いがうまく表示できない事実は認めますし、設定を追い込むことでそれなりに見られるようになる特徴を本機が有することも認めます。
が、設定変更の可能性に気づいたのはKindle unlimitedで入手したPythonの入門書(当然、カラーで配布される電子書籍)をより見やすくしたい、と思って試行錯誤していたときなのです。

以上、私は常に真実を申し上げております。愛する家族も勇気をもって出廷してくれることになりました。どうぞ証言の機会を与えてください(←などと準備書面や陳述書に書くような中高年男女に限って息をする頻度でウソをつく、自分は法律も契約も平気で蹂躙するが他人の違法行為は絶対許さないダブルスタンダードが凄い、相続または不動産関連の訴訟で特に多い、実は依頼人にも時折いるので要注意…というのが裁判業界のお約束ではありますが、それはさておいて)。

とりあえず、プログラミングの本の色使いをちゃんとみたいという動機があったと思っておいてください。
本機ではテキストの太さや中間色の色合いを、アプリごとにいじれるようになっております。Note Air2では、アプリのアイコンを長押しすると出てくる『最適化』をタップするとそうしたメニューに遷移します。

R0011974

ここで『陳列』というよくわからん日本語メニュー(いっそDisplayと言ってくれ)から『APPのデフォルトのDPIを使用する』を『ON』にしておけばよかったのです。

Docuworks Viewer Lightで適正な表示を実現するための設定は、ただこれだけでした。

設定変更後。こちらはフラッシュをたいてみました。
普通のディスプレイと違って、光を当てても見やすくなるだけです(笑)

R0011979

そう、こういうのが見たかったんです!
こういうのを持ち歩きたかったんです!

というわけでこの週末、僕はいきなり幸せになってしまったのです。

ちなみにインストールしたのはDocuworks Viewer Lightの4.1あたりのバージョンです。
このバージョンになるとちょっとしたアノテーションの追加がAndroid上ででき、Note Airに添付されたペンによる手書きもちょっと遅れはしますが一応使えます。ページ送り・見開き・拡大縮小・OCR結果の検索といった基本的な機能も当然大丈夫。

なにより最新のバージョンと違って富士フイルムビジネスイノベーションが作ったアプリではない、という長所(僕にとっては)も、もっています。

以上、ひょんなことから富士フイルムビジネスイノベーションが嫌いになってしまった、というお話しでもありました。

Boox Note Air2はDocuworks文書を出先に持ち歩いてゆっくり読みたい・検討したい方にお勧めできます。

なにしろ見え味がほぼ、紙ですから。

山の中に好きなものが増えた話し(中通り山林調査 最終日)

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5日にわたる調査は概ね予定通り終わりました。帰りのバスが土休日運休なのに気づかず50分ほど滞留して過ごすことになりましたが、メールへの対応などしていれば時間は過ぎていきます。

 

今回の出張、新しい機材が活躍しました。大面積の(一筆1haを超えるような)林地で現在地を把握するのにGNSSのシステムがどれだけ現実的か、が今回の関心事だったのです。
林内が開けていないと画像のように精度は落ちます。ですが、いくらか空が開けた場所を選べば水平方向での推定精度1mを下回ることはRTKの移動局にならなくても可能で、そうした場所の傾向がわかるようになりました。

 

「作業道の分岐点とか、もう大好きですねぇ」
などと意味不明なことを、お客さまには口にしてみたところです。空の開けた場所になりやすいから。

eKYCが本人確認を面談によらない『合理的な理由』になるかな、という期待

先日のこと。新しく契約するMVNO業者のウェブサイトで手続きを進めておりました。

月間330円ほどの格安SIMの契約を月間165円のに替えて経費節減しよう、その他あれこれの通信系サービスの月額経費を削ってKindle Unlimitedに投ずる月額980円を捻出しよう、という客観的にはみみっちいプロジェクトですが…それでも発見がありました。表題の件。

今回は久しぶりにご同業の皆さまと共有したい、本人確認に関する話題なのです。

通話が使えないデータ通信専用のSIMであっても、契約には身分証明書の提示その他の本人確認が求められます。従来は契約の手順として、紙でコピーした本人確認書類の送付後に転送不要の書留とか本人限定受取郵便でSIMカードを受領し、それで本人確認があったという扱いが一般的でした…数年前まで。

この1~2年で一気に広まったな、と思えるのがeKYCによる本人確認です。LinksMateのウェブサイトにもそのページがあり、僕もこれを利用して手続きを終えました。

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簡単にいうとこれ、スマートフォン(カメラを装備しネットにつながるコンピュータ端末)を使って顔写真付きの本人確認書類を撮影し、さらに本人の顔を撮影し、両者の一致をシステム側が判定して記録する、というもの。

…徹夜で準備書面作成を終えて視力が一時的に下がった老眼代書人、より高精度な本人確認ができそうに思えてなりません(笑)

それに、技術面では人間よりどんどん優秀になっていくだろう、ということは期待していいのと『システムが相手なので、利用者は失敗すれば何度でもリトライさせられる』のが凄くいいな、と思っています。

リアルな依頼人が見てる前で免許証を長々と検討したりしたら、人によっては怒りますよね。

ただ僕の場合、時々わざと時間をかけたり事前に現地確認を終えていたりすることはあります。それは今後も人間特有の執務として(テクニックとして)そうすればいいだけの話しです。

一見平凡な抵当権設定の依頼を受けただけなのに家族内不和のタネを発見したり、というお節介な展開は今後も変わらない、として。一部の、相対的に本人確認の重要性が低い案件でこのシステムは使えないかな、と思えます。たぶんeKYCは今後も洗練されて、判別精度を上げ収集可能な情報を増やしていくはずだから。

現時点でも本人確認に供したついでに確認対象者が反社か調べられる、と標榜するeKYCサービスも出てきています。となれば対象者や第三者がほかに公開しているネット上の情報を突合するようなサービスも出てくるような気がしてなりません。実名公開型のSNSでなにか変なこと言ってると、それ自体が取引拒絶のリスクになりそうですし…きっと裏アカウントとの関連も推測できるようになる気がしています。

※それを視野におくわけではないですが、当事務所でも問い合わせ時に氏名=『名字と名前』の入力を必須とし、これを満たしていない方は原則として依頼回避、としています。携帯電話からの新規の問い合わせになるべく出ない、というのもなりすましの可能性が排除しにくいから。

お話しを業界団体発行の規程集に飛ばします。当県の業界団体が制定した本人確認に関する執務規程では、依頼を受けるに際して『対象者と面談する方法』が自然人の本人確認および意思確認の方法とされています。これを原則としつつ『合理的な理由により前項の面談によらない場合は、通信手段を用いる方法によることができる』という規定ぶりです。

面談、というのは当然、相手と直接会ってする、面談。
とはいえ紛争関係の裁判書類作成を長くやってると、不動産でも商業でも本人確認を堂々とサボったセンセイ方の存在を法務局の登記申請書類閲覧で知ることができ、当事務所備え付けの黒いリストが少しずつページを増やしていくわけです(わらえないところ)

では直接の面談=昔からある全くの正当な方法と『本人じゃない人経由で印鑑証明書もらっただけ♪』という真っ黒い方法のあいだの、どのあたりにeKYCは位置するのでしょう?

まぁ白いほうにいくぶん近いですが、本人確認等に関する規程の字面に照らせばなにか『合理的な理由』を探さねばならない、つまり二次的な方法に過ぎないのです。

一応、依頼人が遠隔地であることは合理的理由になるとはされています。

ただ、これも『他県の同業者さんがその業務を当然にできるのに、あえて当事務所に依頼を誘致する』局面では合理的理由にならない気がしています。当該他県でたらい回しを三連発されて来たような紛争案件(←毎年ある)を受けるならともかく誰でも受けたい登記申請の場合は、合理的理由から遠ざかりそうだ、と。

抵当権抹消登記激安1980円全国対応、とかいう事務所の行く末を観察すると何か示唆が得られるでしょうが、あれは単にまだ禁圧対象になってないだけなのかそれとも同業者からの感情的反発はさておいて綱紀事案にはならないまま続くのかがよくわかりません。

僕の見るところ、ああした事務所は三途の川の中州よりちょっと向こう側、にいると思っています。
本人限定でもない郵便で委任状送って免許証のコピーと一緒に返送してもらうだけで本人確認できた、とは僕には思えません。いくら激安抵当権抹消代行、でも。

なぜこれを問題にしたいか、と言いますと。相続登記の義務化を視野においています。

すぐには遺産分割に進めない人たちがさしあたって実施することになる相続人申告登記(相続登記そのものではない、あの手続き)、あれも当然司法書士が代理可能に決まってます。

これを一筆千円とか二千円とかでやってあげられないかな、と思っているのです。全国対応で。

これは特に、僕がいま雑誌に寄稿している読者層=山林所有者を利用対象に想定しています。当事務所側でなんらかプログラムを組んで本人確認・依頼から物件入力・申請への流れを半自動化しちゃえば一筆千円でもどうにかなる、というより僕が寄稿している林業雑誌読者へのオマケとして一筆500円で申請代理できればもう最高だ、などとは考えているのです。

そうした依頼を受任するにも規程を守って本人確認せねばならず、そうではあるが不動産売買や会社設立ほど=犯収法の規制を受けるほどの厳密な本人確認は求められていない状況下でeKYC使えないかな、と。

当事務所の主力業務である裁判書類作成に際して本人確認を面談でやるのは依頼人の意志の強さを査定する一手段でもあります。ですので軽々に全件面談不要を宣言するつもりはないのですが、請求額が当事務所との距離に比して過少ならeKYCを使った本人確認もあり得るか、とも思えます。ご事情を聞いたうえで解放するバックドアとして存在するならそれはよかろう、と。

世の中も都合よくなりました。
個人事業者が使えるeKYCサービスは近年いくつもの会社が提供するようになり、なかには初期費用ゼロ、利用一件あたり100円、といったものも出てきています。

月額の基本料金を取られるような料金体系でなければ、使わなくても損はしないと考えましょう。
僕がKindle Unlimitedを契約し続ける余力は守れます(結局ここに戻りますが)

能ある鷹がやってきて普段は爪を隠して使えるらしいが性能批判は許可制(RTK-GNSSレシーバ導入の件)

当事務所ではたまに、新品の機材を買います。

…新品の価格に直して評価すると中古8新品2、くらいの割合で中古(またはジャンク)が占めている印象。そんな貴重な新品機材がやってきました。表題の件。

今回の記事は当ブログにごく一部いらっしゃる土地家屋調査士さん&林業関係者さん、そうでなければ境界訴訟に関与中のごくごく一部の同業者さんにしか届かない、とは思いますがいいでしょう。要約すると、開豁地なら数センチの誤差で位置が把握できる超高性能GPS機材をウチも買った、という話しです。

導入したのはdroggerのDG-PRO1RWSです。


RTKでメイドインジャパンで国内メーカー製で、安いから(結局ここが重要)。いっそIT導入補助金など使えんのか、と中小企業庁のウェブサイトを見たりもしましたが、安すぎて通常枠A類型にも届きません。あれに引っかかるには30万円ほどおカネを使う必要がありそう。

平成初期の農学部で測量やった人なら誰でも触ったであろうU商会のポケットコンパスよりまだ安い、というのが凄すぎる!と法学部ご出身の同業者さんにはもう絶対理解不能なことで興奮してみたいわけです。

いっそもっとたくさん無駄遣いして、コロナの影響を受けたから新分野に進出すると強弁して事業再構築補助金の対象になることを狙う…という危険なアソビ(最低100万円現金決済で浪費しないと補助対象にならないらしい)を考えたりもします。

昨年はそんな馬鹿げた事業主に関与を誘われたこともありましたが、当然断りましたとも。

そんなわけで携帯電話のキャリア決済と通販アプリを利用し、辛うじて3千円ほどの割引きでやってきた本機。期待に胸躍らせて開封した説明書には不思議なことが書いてあります。

本機を車両に載せる場合にはタテヨコタカサの三軸方向に時計回り反時計回り各2回ずつ回転させて補正せよ、とな。
説明書にはモータースポーツアプリとの連携についてもわざわざ一項目を設けてあります。

そういえば本機をAmazon以外で6万円台で売っていた唯一のお店がYahoo!ショッピングにあったのですが。
そこはバイク用品店、でした。

つまりこいつは超高性能なカーナビ(というより、車両位置記録システム)になるのか…普段の使い道はまぁ、それでいいのか。

もちろんそんな思惑で導入を図るわけではなく、実施がちょっと遅れて来月になるかもしれない福島県での山林調査に投入します。

だって、凄いと思いません?
そのへんの尾根や土場にちょっと木杭打ってやればその位置が世界測地系で把握できるようになるんですよ?誤差数センチ、で。
プロット調査や境界の仮杭位置がトラバース測量などしなくても、ごく普通に確実に記録されるって夢みたいだと思うんです。

僕があの、元首批判が許されない北国から狸穴にきた駐在武官だったら。
これ買えるだけ買って外交行嚢に入れて帰って、先日も渡河作戦に失敗したらしい自動車化狙撃師団の指揮官に分けてやるよウラー、というのも当然冗談ですが、かの国のドローンから日本メーカーのカメラが出てきたのは民生品の軍需転用を考える人がごく普通にいる、ということなんでしょうね。

批判が許されない面は、本機にもあるらしいのです。
説明書には免責事項の下にそんな制限事項の記載があって…これに従う債務を利用者は負っているのでしょうか。ウラー(←偽りの万歳)

Dsc_0361

いい時代になったのかそうでないのかわかりかねる面はあるんですが、d払いを使ってAmazonでお買い物して実質6万3千円ほどでDG-PRO1RWSがとにかくやってきました。精度がここまでいいと、壊れなければ廃業するまで使えてしまいます。

目的は山林調査であり平和利用である、といいながら登山用などのハンディGPSを採用しなかったのは紛争用途=境界関連訴訟などの裁判事務でも使う気満々でいるためです。街区基準点などの公共座標値を持っているところが近くになくても、当事務所の手持ちの機材(距離100m程度の測距が限界のレーザ測量+測角機材)と本機を組み合わせることで都市部でも再現性の高い測量成果を入手できそうな気がしています。復元可能な任意座標、とでもいいましょうか。

余計な心配。
何年後か何ヶ月後かはわかりませんが、この新機材を投入して係争地で測量やって相手方当事者が苦情を申し立てて僕が業界団体の綱紀委員会に呼ばれちゃった場合、リアルタイムキネマティックGNSSとはなんぞや、という話しを調査担当の先生方にせねばならないはずです。

前回は『係争地に近づかなくても測量ってできるのか』と真顔で聞かれてしまい、土地家屋調査士さんの事務所での就労歴があるらしい担当者さんが一人いたので救われた面がありましたが…
いっそ次は、実演でもするか(笑)

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