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T-fal 電気圧力鍋の温度スイッチ修理(の、ちょっとした失敗に関する件。夏休みの工作 その2)

業界団体が出している統計によれば、本県業界団体における会員一名あたりの民事関係裁判書類作成受託件数は年間0.5件を余裕で下回っているようです。

で、当事務所では今週から支払督促と簡裁通常訴訟と労働審判の新件が同時にスタートすることに、予定通りなりました(゜◇゜)ガーン

とりあえず受託順に、まず支払督促の文案を作ったところで表題の件。お盆期間に入るちょっとまえ、T-falの電気圧力鍋をポチってしまったのです。取得価格、約900円。

当然ながら堂々たるジャンクです。オペレータが取扱を誤った結果、全電源喪失に至った、とのこと。

ここから先が妙なのです。アイリスオーヤマやシロカなどの電気圧力鍋ではこういう場合、電源回路に直列に入っている温度ヒューズが動作した→交換すればふつうに立ち直る、ということになっています。しかしT-falの電気圧力鍋にはそうした情報がありません。ブランドとしては一大勢力を形成しているはずなのに、ない…ということでこの情報もWebに放つ意義がありそうです。

購入した型番はCY3501JP、CY3508JP。ラクラ・クッカーといわれるシリーズです。
まず分解して問題箇所を特定するのは超簡単でした。底面のプラスねじを3つ外すだけ。

テスターで調べていくと、AC100Vにつながる2カ所に温度スイッチの一種が装備されており、うち1カ所でトリップしていた=導通が断たれていたことがわかりました。

ただし、同様類似の部品はamazonには見つかりません。先にこの部品を分解して機能を確認したところ、かえって判断を誤ることになったんです。

純正部品はバイメタル製の円盤が二つ重ね合わされて内釜の外側に配置されており、円盤に伝わる熱が一定値を超えると円盤が逆方向に反る、という挙動をとります。反った円盤が小さなピンを押し、押されたピンが電極を押し上げて導通を断つ、そういう設計。

というわけでこの円盤をフライパンに載せ、温度160℃で加熱してみたのです。

まず100℃に達してフライパンの水滴が蒸発し、その5秒後に円盤がピチん♪とかわいらしい音を立てて反り返り、その10秒ほどあとに設定温度に達したことを検知したガスの炎が自動的に絞られました。

ガスの炎を切って余熱が冷めていくと、100℃をちょっと下回ったあたりでまた円盤が逆に反り、初期状態に戻ります。つまりこれは、温度ヒューズよりいい部品=本来は、温度が下がれば導通が元に戻って復帰可能な部品である、と。

そうすると、さらに。
ガステーブルの温度センサが正しく作動しているならば、100~160℃の中間から若干100℃に寄ったあたりでトリップする回路素子だった、と推測したのです。

さらにamazonで温度スイッチを調べます。温度ヒューズではなく、再度復帰可能な温度スイッチはいずれも普通の日本人なら知らないメーカー数社のが揃っています(苦笑)問題は設定温度ですが、実機でトリップした温度から若干高めの150℃にしてみました。動作中の圧力鍋のの内部が120℃くらいになる以上、そこから若干の余裕はなければおかしい、と思ったのです。

で、今回は端子に接続するケーブルもおまけについて6個800円明日配達、とかいうのを選んでみました。形状は違いますがなんとか本体に固定してしまえば機能はするだろう、ということで。

Dsc_0507

念のため、到着した部品を今度はオーブントースターでチェックしてみます。こちらは160~180℃で3~5分加熱したところ、全品トリップしました。当然、冷めたら元に戻ることも確認しています。

形状は全然異なる部品ではありましたが、端子の接続も本体へのねじ止めも問題ありませんでした。組み付けそのものは3分で終わります。

Dsc_0509

このままハッピーエンドに終わるはずがない、というのは当ブログのお約束です。

試しに水を400ml入れて圧力調理にセットしてみたところ。
予熱中に温度スイッチが作動、全電源喪失に至りました(゜◇゜)ガーン

で、このままバッドエンドにも甘んじない、という展開でした。
蒸気を排出して、ふたをあけてみます。水は沸騰しており、加熱はあらかたできていたようにも思えるのです。

さらにいくつかの調理モードを試してみました。

常温の水から圧力調理モードで加熱させた場合に限って温度ヒューズがトリップする、のですが煮物のように100℃まで加熱できればよいものはトリップしない。どうやらそういう微妙な温度設定の部品を組み付けてしまったらしいのです。T-falの電気圧力鍋にとって、150℃でトリップする温度スイッチというのはそういうものである、と。

ちなみに取り外した部品をよくみたところ、『210℃』とは刻印してあったのです。前述の実験結果から、全然信じてませんでしたが。
今にして思えば、ひょっとしたら電気圧力鍋によくある内蓋の未装着による加熱や吹きこぼれ事故でなく、本体純正の温度スイッチが故障してた(トリップ温度が過小になっていた)ということかもしれません…かわいそうな出品者。

…さて。
もう800円あるいは900円出して、温度200℃のスイッチを買うか?

試しに蒸気周りの各部品を一通り分解し、パッキンは綺麗に洗って金属部品は超音波洗浄機にかけ、もういちど圧力調理を常温から始めると。

今度は普通に動作しました。普通に(と、自分に言い聞かせてみる)

これで僕は1700円ほどの出費で、ラクラ・クッカーを入手できたことになるのです。

元はといえば30年ほど前から使ってきたガス用圧力鍋が、もう交換用パッキンが手に入らなくなった…という経緯がありまして。

他メーカーで同サイズのパッキンを1200円ほどで買ってみる(もちろん適合しないリスクはある)か、そうでなければこのジャンクを買ってみるか、という賭けには負けなかった気がしています。

自動で加熱が終わる圧力鍋、たしかに便利なのです。

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