そうだ、米原、いこう(僕なりのやり方で時間をお金で買ってみた件)
昨日のこと。半ば朦朧としながら、10時57分発の普通列車を待っておりました。表題の件です。
ここ2週間ほど、新しい裁判事務のご依頼受付を停めておりました。その原因になった案件は3つあり、3つめの作業が終わったところなのです。
ですが無傷では終われませんでした。まず例え話から始めます。
場所を例えるならば、島根県鹿足郡津和野町あたりを考えておいてください。名古屋から西へ500~700km、大都市や高速道路からちょっと離れている関係で、その町に速達を出すと必ず午後着になります。宅急便で時間帯指定をかけられるのは18時以降。
そうした町のお客さまから裁判書類作成のご依頼を受けていた、という状況でした。状況上どうあっても締め切り厳守、ということでこれを実現するには5月22日までにお客さま宅に書類を到着させ、若干の作業をしてもらってから郵送提出、とせねばなりません。ただしこの提出は無集配郵便局の開局時間中なら間に合う、というルールです。
もう一つ、僕の行動を縛る制限がかかっています。
正義を騙る老害が引き起こした紛争の後始末である本件は遺憾ながら戦況我に利あらず、今回の書面を出したら弁論終結のお声が法壇から降ってきそうな状況なのです。結果はどうあれ、ここでは最善を尽くす必要があります。そうしたわけで。
もう少し厚めに書きたいな、と思えてしまったのは5月20日、12時過ぎのことでありました。
当初作業予定では同日17時に最寄りの郵便局が閉まるまでにレターパックプラスを持ち込めれば、目的の町へは21日午後着、お客さまは22日の日中に郵送提出の手配をとればよい、と考えていたのです。
- ではありますがもう少し、上記の老害に責任を押っつける文章書いておきたいな、と黒い想いが胸をよぎったことは認めます。
- 残り4時間強で作業を打ち切り、努力に憾みを残し至誠に悖る執務で終わるのはちょっと違うな、とも思えていたのです。
上記1.2.のどっちが本心かはヒミツです(笑)
どうせこの日の昼ご飯はまともに食べられない、と正しく見切って前日買っておいた赤飯のおにぎりを食べながら、日本郵便のウェブサイトでいくつか試行錯誤を繰り返してみました。
わかったこと。
その町へは名古屋・岐阜・津の集配郵便局から速達郵便物を差し出した場合、午前中の差し出しでも配達予定は翌日午後になるのです。
大阪奈良京都、あとは大津だったら午前中に差し出した郵便物は翌日午前中に着くのです。午後に差し出すと翌日午後着になる、と。
さらに調べます。どうやら琵琶湖は僕のパワースポットらしいのです。
東海道本線をもう少し東へ、彦根あるいは米原であっても集配郵便局の窓口に午前中に書類を持ち込めれば、翌日午前中着にできるのです。
あとはお客さまにちょっと謝ってしまうのはプライスレスで済みます。
そのままYahoo!路線情報でもちょっとした試行錯誤をしてみます。
ただ、この時点ではまだ僕は自分の作業能力を過大評価していたのです。
あしたの朝にはすっきり作業終わって悠々と出発し、彦根あたりまで行って余った時間で彦根城でも見て、21日16時からの来所相談までには帰ってこれるに違いないと。
仮に米原までであっても、最寄りのJR駅である笠寺-米原は普通運賃1520円。つまり往復3千円ちょっと出してしまえば僕にとっての作業終了時刻は12時間以上繰り下がる、だったらそうすりゃいいじゃないか…ということでまずお客さまとの調整を済ませたのです。
それに安心して14時過ぎから22分間の昼寝をしたのはまぁ許してほしいのです。そうでなくても最近視力の減退が無視できず、事務作業で何時間か目を使うとしばらく休ませなければならないのです。
…なんかヘンだ。
と思い始めたのは21日夜、22時を回ったあたりです。
まだ本体作業が終わらない。付属書類も作れてない(゚◇゚)ガーン
どうやら前の晩に引き続き、暗いうちには寝られないパターンにはまるのかもしれない、と覚悟しながら作業を進めます。
こういう作業が煮詰まると、だいたい4~5時頃まで作業してその後1~2時間寝て翌朝作業再開、にすることが多いのです。
…これはヤバい。
と思い始めたのは日付が変わって22日朝、本当に明るくなり始めた4時過ぎです。
本体作業は終わったのですが、アウトラインプロセッサで打ち出した未編集な文案が24ページに達しています。
経験上、これを裁判所仕様の書式にすると1.5倍は分量が増えるのです。
推敲作業を9ページまで終えたところで老眼鏡を装用しても、視力が使い物にならなくなりました。作業箇所に定規を置いて、寝ます。
6時5分に目を覚まして作業再開です。
どうせ作業ペースがおかしくなれば朝ご飯もまともに食べられない、と思って前々日に買っておいたヤマザキのケーキドーナツ4個入り118円(←土曜日が特売日だった)が本当に役に立つとは思ってもみなかったのですが、このうち2つを食べながら作業再開です。
…本当にヤバい。
と思い始めたのはパジャマ姿のまま編集にかかり、そのまま9時を回ったあたりです。
最後に作らねばならない証拠説明書、2ページの作成が、まだだ。
先週土曜日に補助者さまに標目と作成日と作成者だけ書いてもらった、そのままだ。立証趣旨が空欄(汗)
まぁ前の日に調べてはあったのです。
笠寺10時57分の普通列車をつかい、名古屋-米原を新幹線にしてしまえば、米原には11時47分着、駅から米原郵便局までは5分で着く。と。ちなみに家から笠寺駅までは、自転車で20分。
我ながら当てにならない作業能力なのですが、それでも最終的にどうにかなることは多いのです。
お客さまへの送付状を除く全書類が、10時26分に調製完了となりました。
もう送付状は手書きでいいことにして、ただちに出発します。
そこからは万事順調に進みました。
ひかり号のなかで音楽聴きながら送付状を書くうちに列車は近江盆地に入り、YOASOBIの『アドベンチャー』がちょうど終わるところでドアが開き(さぁ今会いに行こう、特別な一日に!)、僕にとってはパワースポットから聖地に昇格した米原郵便局の窓口には11時54分に着きまして。
窓口のすぐ脇にある局内ポストの収集時刻が12時半と確認し、次はもう一本遅い列車でも大丈夫なのかな、と思ったりしたことであります。
夕方からの相談がなければ彦根か長浜にでも行くのですが、このまま帰らねばなりません。帰りは当然普通列車、12時半発です。
なにか飲み物を安く、と思って入った駅前の平和堂。名古屋より20円ほど安く売っていた くらしモア チャンポン2食入り を買って帰ることにしました。
要するにこの日の前半は、4800円の経費増加と20円の食費減少を実現したのです(゚◇゚)ガーン
この件を無理矢理いい話に仕上げるとすれば。
今日、送付書類の到着を確認したお客さまからコメントがありました。
曰く、これで負けるならもうしょうがない、と。
最近こういうことを言ってくれる方が本当に少なくなった、とは思っています。
さて、裁判書類作成のご依頼は受付を再開しました。年齢性別その他わかりやすい属性はそれぞれ不問ですが、誰も救わない理想論や自己顕示欲と裏腹な正義感、そうでなければ和解で揉み潰される寸前まで戦略方針未定な迷走状態、などからできるだけ遠いところにいらっしゃる方のご依頼をお待ちしています。
十分なお金か(←まぁこれは滅多にない依頼類型です)時間か作業への協力、そうでなければ編集技術上のフリーハンドをいただければなおよいです。
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