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片足をひたしてみるマイクと音声編集の沼 前編

当事務所では、僕と依頼人・相談者の会話の文字化にNottaを用いています。

数年前から徐々に料金が上がっていまでは月額2000円になったこのサービス、当然ながら常用してはおりません。
お金を払うのは大揉めになった裁判書類作成案件があるとき、に限っています。

そんな案件が昨年末から四国-近畿-東海地方と続いておりまして(゚◇゚)ガーン

より具体的にはこのサービス、和解がこじれたか何かして判決になだれ込みそうな地裁家裁本人訴訟で尋問実施が不可避な状況で利用頻度が上がります。

  • まず陳述書の準備に際しておこなう聞き取り。
  • 次いで尋問対策①。訴訟代理人がいないので、主尋問は尋問事項書を用意しておいて裁判官に読み上げてもらうことになります。これに供する一問一答形式の主尋問を準備せねばなりません。演習も行います。
  • ご希望により、尋問対策②。相手方当事者または敵性証人への反対尋問は、尋問の内容とそれを依頼人が読みやすいように表現する、つまりこちらも一問一答形式で読み上げればよいところまで準備せねばなりません。こちらも、演習を行います。

これらのやりとりを録音し、音源とともにNottaで文字化したものを依頼人と共有するようにしています。

音声を文字に認識させる際、その精度は音源の質に依存します。期せずしてそれを意識させられたのは先月から今月にかけてのことです。

近畿への出張で録音して持ち帰ってきた音源と、来所いただいて直ちに録音した音源を比べたところ、明らかに後者が劣っているのです。再生させた録音は電話のような音質で、話者の語尾や小声の部分が妙なかたちで消えています。

変です。出張先に持って行ったICレコーダはVictorのalneo XA-C110。
Wikipediaで調べたところ17年前に発売され14年前頃には販売を終了していたシリーズです。

当然ながら7年ほど前に内蔵バッテリーがヘタったので当然のように分解しAmazonで数百円だったノーブランドのバッテリーに換装して、以後当然のように現役、まぁそんな機材です。

事務所で使ったのはPolyのSync 20。会議用スピーカーフォン、2020年の発売です。

しかるに前者のほうが、何も考えずにPCにデータを取り込んだ限りではバックグラウンドノイズはあるものの鮮明かつ自然な音質に感じられるのだ、と。Nottaで音声認識させた結果も後者は劣ります。Nottaが吐き出した認識結果を僕や補助者さまが修正するのに要する時間が1.5倍かそれ以上違うように思えます。

合併前の日本ビクターはそんなにも偉大だったのか、と思えたのですが何か訳があるはずです。

そう思った時点で僕の目の前には、この世にいくつかあるという沼の一つが広がっていたのでしょう。表題の件。

端的に言うと若干ムカついたのです。
ネットオークションで新品売価の3分の1程度で調達したとはいえ、発売から4年しか経っていない(しかも、電話関連機器ではそれなりに名のあるメーカーの)製品が17年前のものより劣るとは何事であるか、と。

原因を調べようと思い立った時点で、僕はマイクの沼にまず片足を差し入れることになった…らしいのです。

それはさておいて、Sync 20が『電話会議用の機器である』という点は対談の録音に際してマイナスに作用するのだ、とこれはすぐに理解できました。サンプリング周波数が低いのと、同機種が持っているノイズキャンセリングの機能が邪魔をして語尾の消失などが生じるのだ、と。

なお、本機は電話やSkypeの通話に使うには大変良好なのです。エコーキャンセリングと全二重通話の機能をソフトウェアに依存せず使え、相手からの音声は明瞭に受信します。ただ録音用マイクとしてはよろしくない、と。

要は本来想定されていない使途に使って破綻した、文字通り自業自得だ、ということで対処を誤った本人訴訟の当事者とほぼ同じ状況です。

ただ、ここでは今が4月であることが次の方針に影響してきます。
昨年もそれなりに法人からご依頼を受けた僕に、確定申告の還付金が振り込まれていたのです。

オーディオテクニカの、ちょっといいUSBマイクの購入手配を取ったのは先日出張した岡山からの帰りのバス車中。
久しぶりに日当をもらえる出張をし現金で報酬の支払いを受け、さらに出発前にお酒を飲んだ勢いもあったかとは思います。

とにかく当事務所に、AT2020シリーズのマイクがやってきました。

さっそく次の打ち合わせに使ってみたのです。
念のため、alneoでも同時に録音しました。Nottaの処理可能時間を同じ内容の録音で使ってしまうことになりますが、あえて両者を比べてみたのです。

音声認識させた結果はalneoでの録音とほぼ変わらない、またはalneoのほうが若干優れている、そう確認したところで僕はマイクの沼に膝下までつかっていたのかもしれません。次回の記事に続きます。

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