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「目一杯善意に解釈すれば…」(ある労働相談の一断面)

今日も今日とて仕事です。創業以来ずっと、なのですが世間一般の労働者の休日=土日のほうが相談者が来る、それが当事務所の特徴で、逆に平日5日のうち4日は昼寝ができる(20分ほどの昼寝と引き替えに22時過ぎまでの就労を受け入れるなら昼寝も可)、という感じ。

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そんな日曜日、昼までに新件の答弁書一式を発送し、労働相談は15時から始まり17時過ぎに終わりました。いつも通りに労働者側からの相談です。
会社側が提示してきた就業規則案を分析してほしい、というのが今日のお題。会社側には社会保険労務士がついている、というのもよくある展開、ではあるのです。

ですが。

今回の就業規則案は各所で妙な条文を散りばめてあります。仕方がないので立法趣旨にさかのぼってと言いますか、『いったいどういう思惑で・状況で会社側がこんな規定を設けようとしたのか』を相談者たちに問うてみて、そこから会社側の考えを推測して…表題の件。

(会社側に立って)目一杯善意に解釈してあげれば、このような意味だと言えるかもしれないね

という推測を述べる作業を続けていたのですが。

その日何回目かの上記発言を口にしたところで、笑いがこみ上げてきました。

まぁ要するに、解釈に無理がある(笑)
無理がありすぎる(爆笑)

さまざまな紛争の相談で、あえて相手側の立場に立ってみる、という作業を試みることがあります。
それが困難であることを確認することで相手の主張に無理があることを確認する、という作業がわりと好きなのです。

ただ、これをまじめにやろうとするほど、どこかでおかしくなる…可笑しくなってしまうことがあるのです。

労働者側での労働相談なのに必死になって会社側社労士の立場を演じ、就業規則に自分で(この『自分』は僕が演じているところの、会社側社労士)仕込んだ地雷=しょーもない条文の趣旨説明をする、そんな自分(この『自分』は僕自身=労働者側社労士)に笑えてくる、と。

相談中にこの境地に達するには、ある程度争いごとや考えごとに慣れた依頼人がいてくれることがたぶん重要です。

自分の見解や立場を外れた思考に対して『先生ノイウコトハ理解デキマセン』といったテンプレート的なエラーメッセージを吐いて思考停止したりいちいち反論を試みたり果ては話題を変えて議論をどこかにやってしまったりしてくるタイプの人が依頼人だと、こういう思考実験はうまく行きません。昨年は当事務所での相談中にこっちが聞いてもいない反ワクチンの主張をいきなりしゃべりだし、医療の相談なら私にしてくれ、と自慢げに言ってきた自称医療関係者(医師ではない)がおりました。

こんな○○師(薬剤師でもない)に医療の相談するならジンバブエでウィッチドクターを探すわ、と思っていたりします。

きっとそういう人たちは、変幻自在に立場と着眼点を変えられる生成AIが人間の相談担当者よりずっと辛抱強く対応し豊富な回答を発する世の中になったとしてもそれを生かせないのだろうな、とも思っているところです。そうした人たちの相談、よく聞けば同じような失敗を繰り返していたり自分の不法行為で生じた事態にさらなる犯罪行為で対処した(で、処罰されたが更生してない)と豪語する人も去年はおりました。

そういうこともありまして。自分は専門家でござい・相談はワタクシに、などといいながら自慢と偏見をふりまくような相談よりは。

まぁこの事務所の相談では人がやる仕事の適当さを受け入れて…ほどほどに笑いを入れながら進めたほうがいいだろう、とも思っているのです。他人の失敗や不正を糾弾してばかりでは息が詰まってしまうし、その基準で自分を評価したときに耐えられないはずだ(失笑)

今日の相談前に、業界団体に出す業務報告書を作り終えました。
依頼件数の少なさからは素早く目をそらすことにして(思考停止したり言い訳を試みたり議論をどこかにやってしまいたい、と僕も思うのです。この論点に関しては)。一月中に終えねばならない仕事はもうおしまい、です。

二月に決まっている仕事は地裁通常訴訟の準備書面作成が一つ、寄稿は3千字弱と4千字強のが一つずつ、講義の教材作成が一つ、ここまではまぁ、丁寧にやる必要はあるとはいえ慣れたと言っていいのです。

特別な仕事が、月の真ん中に据えられています。
住宅取得のための所有権移転登記と抵当権設定登記の連件申請を伴う決済立会が、一つ(汗)

ちなみに現時点で、地裁通常訴訟の裁判書類作成としては高松・大阪・名古屋・東京の各高裁管内で計5件に関与しています。

我が事務所では地裁通常訴訟に関与する依頼のほうが決済立会の依頼件数より、明らかに多いのです(゜◇゜)ガーン

去年の登記依頼件数の少なさは業務報告書提出とともに忘れ去ることにして。
まず今週は講義の教材を作って過ごすことにします。締め切りは金曜日です。

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