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年に1回しかない会社設立登記をQRコード付き書面申請にした代書人の末路(福島中通り出張2泊3日 2日目)

雑誌が読み放題になるサブスクリプションを使っている関係で、ポスト・現代・文春・新潮といったオッサン向け週刊誌には一通り目を通すことができています。

なかでも週刊現代の『美鳳の週間運気予報』は気になるのです。特に根拠があるわけではないのですが、サンデー毎日の星占いより当たる気がする。もちろん気のせいですが(苦笑)

そんな運気予報、8月生まれに対しては予報期間中、本日に限って傘のマークを示しておりました。

Img_20231211_231632

今日は郡山のビジネスホテルから行動開始です。昼からの出張先に行くまえに、法務局に寄って登記事項証明書が取れればいいな、と思っておりました。先週出した会社設立の登記、提出が少し遅れましたがお客さま宅への訪問直前のギリギリで完了になるとふんでいたのです。書面申請での登記完了日は明日とされているのですが、今回はQRコード付きの書面申請で登記申請書を送っています。これは完全書面申請より、だいたい1日速く終わる傾向があります。

名古屋から郡山にやってきた司法書士が福島県内で昼から始まる打ち合わせ直前に、前週出した同県内での会社設立登記が終わるかどうかを気にしている朝、という状況です。

ところで、ひかり電話には事務所の電話への着信を電子メールで知らせるサービスがあります。
着信時刻と相手方電話番号が、メールで通知されてきます。

そして、出張中に遭遇できるオソロシイ事態を3つ挙げるとするならば、『出張中に遠方の法務局から入ってくる電話着信の連絡』はその一つに入るのではないか、と常々思っているのです。

で、今週最初の電話は9時39分に入ったようです。発信者の市外局番、024。

福島県福島市の市外局番です。もう福島地方法務局に決まってます(呆然)

ただ、状況がヘンなのです。
今回、僕はQRコード付きの書面申請を出している、と申しました。これは申請用総合ソフト経由で入力・申請情報を送信しておこなう非オンラインな申請でして、補正の連絡も申請用総合ソフトから来る、と言われています。

あと、僕はここ数年、商業登記で補正をもらったことがありません。申請件数は年1~3件ですが(笑)

ともかく電話します。総務課から法人登記部門に回され女性から男性に引き継がれたところで、担当者さんが言うのです。

補正ではなく確認の連絡なのですが、と。

それ自体はちょっとした文言の確認ですが、その後がほんとうに当ブログにふさわしい展開だったのです。表題の件。

担当者さんは言うのです。

『当局でも会社設立の登記は他より迅速に処理するようにしていますし、この申請もQRコード付きで出していただいてますから速く処理できるのですが』

と。

『ですが朝からシステム障害が起きてまして、(法務局内からも)ログインできないんですよ』

と!

『ですので完了までもうしばらくかかりますが、何にしろ完了の通知はシステムから(メールで)送られますから』

と!!

(゜◇゜)ガーン

右や左の同業者さま。僕のところはオンライン申請を使っていないのです。
そんな事務所がごくたまにしか来ない商業登記の申請を、わざわざQRコード付きで出した結果がこの不運。凄いでしょう(笑)

同業者さんではない方々に説明します。
司法書士の本体業務であるらしい、そして当事務所では神様からの贈り物と認識される(件数は少ないが、利得は大きい)登記申請もパソコンからインターネット経由で申請することは可能です。

ですが当事務所では、そんなに急ぐ申請はない・書面は郵便で送るんだからオンラインを選ぶメリットは少ない・実はアナログ万歳と言ってみたい・等々のくだらない思惑により、オンライン申請を採用しておりません。

そんな僕がお義理で当局のご意向に従うために使っているのがQRコード付きの書面申請です。
※最近みた同業者さんのブログでこの申請形態がマイナーだ、と述べておられるのを見てしまい、膝を抱えて泣いた、というのは誇張です

このQRコード付き書面申請、どのようなものかと言いますと

法務局が提供している申請用のソフトを利用し、申請用の情報はインターネットを通じて法務局に送ることができるのです。

ですが申請者が厳密に誰であるか、という情報は送りません。これが純粋なオンライン申請との違いです。
言い換えると、マイナンバーカードや士業専用の電子証明書を持っていなくても利用可能、というメリットがあります。

その代わり、申請人や代理人はオンラインで送った情報と同じ情報を登記申請書のかたちで紙に印刷します。

ここでアナログばんざーい、と叫んでみたいのですが高度情報化社会の恩恵がこの紙にも及んでいます。

申請用総合ソフトから登記申請書のかたちをとって出力された印刷物には左上に小さな、そして重要なQRコードが付されています。

このQRコードを法務局側が読み取ることで、法務局は紙の登記申請書を受け取るものの、既に送信された申請情報とそれを処理するシステムにアクセスすることができ、つまり紙の申請書記載事項でなく電子情報として送られた申請情報を使って登記申請を審査することになる、らしい、というもの。

でもオンラインでもQRコード付きでも申請書以外の添付書類が依然として紙であり郵便で送ってあげる必要があるのはもちろん、政府各所に潜伏してアナログ社会への回帰と郵政省の復活を策する反動勢力の陰謀…というのは誇張です。

とにかくシステム上、紙と郵便はオンライン登記申請の活用に不可欠(笑)となっています。

そんなデジタルとアナログの狭間、主流派と非主流派の空隙、IT革命からデジタルトランスフォーメーションへの過程をさまようような登記申請形態がこのQRコード付き書面申請、だと僕は認識しています。

なるほどこれ、あんまり使う人いないかもしれない(苦笑)

そんなQRコード付き申請の特徴が今回、絶妙のタイミングで逆効果になりました♪というお話でした。

で、僕に一日ぶんのブログのネタをくれた登記供託オンラインシステムは郡山駅から訪問先への移動中に復旧したらしいのです。
お客さま宅でお昼ご飯をいただいているうちに13時14分、完了の連絡が送られてきました。

その画面をお客さまに示して、僕はかろうじて面目を保つことができた…はずなのです。
その方からは引き続いて、不動産登記のご依頼を進めることになりました。もうそれだけで、今回もいい旅だったと思えるのです。

それと、やっぱり美鳳の週間運気予報は偉大だ、特に傘と雷のマークのときは注意すべきだ、とも(笑)

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