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相続登記の見積もりに思う

先日のこと。リピーターとして来所された相続登記のお客さまがいうのです。

『戸籍の収集だけで費用が5万、とかいう(事務所がある)のはどういうことか』と。

ああそれはボッタクリですが、と説明しかけて付け加えました。

「でも、あこがれますね(笑)」

この程度の冗談なら直ちに冗談と理解される程度の信頼関係は構築できているはずです。
森羅万象すべてにクレームをつけずにはいられない個別労働紛争労働側や裁判書類作成の依頼希望者とは別の基準で応対しても全く問題は生じません。

そうしたわけで、当事務所の規程通りに戸籍関係収集の報酬を加えます。1万円。

この件含めて先週と今週で4案件の不動産登記のご依頼を受けることができました。

6月7月がいずれも0件、だったことを思い起こします。砂漠でオアシスにたどり着いた気分がします。

言ってしまえば依頼件数が凄く少ない、業界平均の数分の1から10分の1くらいの受託件数しかない、そのため不動産登記の報酬なんか自分でも忘れかけてたくらいですが(今月は自分で登記費用の見積もりを作るために、自分が数年前にウェブサイトに公開した登記費用見積もりのシステムを使ってしまった=自分がちゃんと見積もりが書けるのか不安になってしまった)、そんな数年間のあいだに世間一般の司法書士さんたちの登記費用が上がってきているらしい、そんな話題の続きです。

上記4案件のうち3案件でお客さま方がいうのです。

『(当事務所の)費用がよそより(以下略)』と。

ちなみに、報酬について他との比較に関する言及がなかった残り1案件は僕にとって鉄壁な依頼経路=僕によくしてくださる行政書士さんからのご紹介、ということで見積書提示前に受託が決まっています。これはまさに特別。

そうではありますが、別に安さを狙って値下げしているわけではありません。
周りの事務所さんたちの報酬額設定が勝手に上がっただけ、とシンプルに理解しています。

で、僕にはそれが不思議なのです。

司法書士の役務の原価を構成する要素はここ数年で、さして値上がりしていない、と僕には思えます。
当事務所の場合、今夏の電気代は昨年比で既に減少しています(これは中部電力とおさらばして転がり込んだ新電力がなかなか素敵な会社だったから、だと認識しています)。補助者さまの給料は今年に入って従前比4%のベースアップに踏み切りましたが、もともと年間の人件費が総額50万円を超えない(週の労働時間が10時間を超えない)のでどうということはありません。

強いて言えば交通費燃料代に若干の上昇が見られるとはいえ相続登記では(業務の大部分を郵送で進められるのだから)やっぱり影響は少なく、業務支援ソフトや事務機器自動車などの麻薬的サブスクリプションも当事務所にはありません。相続登記案件で一単位の依頼増加による費用の増加を検討した場合、依頼人にとって目に見える費用増加要素は定額小為替の発行手数料ぐらいではないか、と思うのです。

そうすると。
登記事件の場合、受託実績が増え経験が積まれることは作業時間の短縮を、つまり報酬額の削減を志向する方向にも…行ける気がするのです。言ってしまえばこの業務の大部分は、ほんとうはルーティンワークなのだから。

でもいろんな事務所のウェブサイトに書いてある報酬額は徐々に上がってる、と。消費者側からするとずいぶん理不尽に思えます。

そんな世論が盛り上がって業務独占廃止=生成型AIを運用する株式会社に相続登記業務を開放して相続登記の促進を図る特別措置法制定、なーんてことになったら…

まぁそれも楽しい気がします。ですが、利用者にデータ入力させてWeb上で相続登記申請書&付属書類一式を作らせる(その陰では別の士業が法定相続情報一覧図作成取得を名目に戸籍類収集を受託する)あのサービスも、今年に入って7万円台から8万円台に料金が上がったのには笑ってしまいました。税込みだと、すでに総額9万円台。

なんのことはない、インターネット上で新たなサービスを提供して登記の費用を下げるなどと放言するあの連中も欲望には忠実なんだ(失笑)

そうすると。
相続登記の義務化、とやらに問答無用で対峙させられる一般市民にはいよいよ逃げ場が狭まった気はしています。
上記のサービス、公開当初は1万円台で使えたことを覚えてるんだけど(゚◇゚)ガーン

僕が関わっている林業界では別にできることを模索するとして。

僕のところでは相続登記の報酬、少し下げる方向で何かできないか検討してみたいと思っています。

最後に、冒頭のお客さまから受託した相続登記の報酬額は、消費税別・実費別で以下のとおりです。

・戸籍類収集代行 1万円

・遺産分割協議書作成 1万円(2ページ)

・所有権移転登記申請書作成 2万2千円

・登記申請代理 3千円

以上合計4万5千円、法定相続情報なんかムダだから取りませんが相続関係説明図はタダで作りますそれが何か?ということで実は上記の怪しいWebサービスより大幅に安い、と言ってもいいはずです。同業他事務所さんとの比較は…せずにおいて。

 

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