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新件は訴状の添削が二つ

8月1日時点の受託業務概況

○民事関係裁判書類作成

  • 係属中:地裁通常訴訟5件 その他1件
  • 作成開始:訴状1件

○各種登記

  • 不動産登記:1件

○裁判外代理

  • 債務整理に関するもの:1件

○社会保険労務士業務

  • 顧問先(賃金計算):1件

○ファイナンシャルプランニング業務

  • 相続対策に関するもの:1件

○その他継続的受注先
(概ね2ヶ月に1回以上の受託があり1年以上継続するもの)

  • 官庁外郭団体発行誌への寄稿:1件
  • 地方自治体との単価契約:1件

○その他の業務で今週受託したか、受託を準備しているもの

  • 裁判書類作成の相談:2件

以上


10年前より…儲からない業務に偏ってる(゚◇゚)ガーン

とにもかくにも8月1日で創業20周年を迎えてしまったのです。

本日出勤の補助者さまには上記の案件のいずれかに関して『ぶった切る』とのコメントを頂戴しました。
併せてワイン1本とハードクーヘンをいただいたところです。僕は満足です。

さて、人生も職業生活も残り半分、と考えねばなりませんがまず10年前を振り返ってみます。
10年前はまだ労働紛争労働側の裁判書類作成があったのですが、現時点で係属中の案件はすべて経営者が依頼人で労働紛争とは無関係な案件、となっています。労働紛争は労働側経営側とも『依頼が来れば受けるけど、依頼そのものがあまり来ない』業務になってしまいました。
変わったなぁ、と自分でも思いますが、これは関連するキーワードについて検索エンジンの順位が落ちたから、ということでシンプルに説明できます。

逆にこの分野も含めて、キレイなランディングページをでっち上げてWeb・SNSへの広告費を月n万ぶっ込んだら売上は月3n~4n万、といった可能性も残っているとは思うのです。そうではありますが…この分野で依頼を集めても永続性がない、と気づいてしまいました。

この20年の経験に即して言い換えます。

  1. 僕のところで労働紛争を解決できた労働者の皆さんは、そのあと住宅取得や会社設立の登記の依頼を別の事務所にするのです。他県の人はもう全員(゚◇゚)ガーン
  2. で、そんな他県の皆さんは次の紛争に巻き込まれたタイミングで当事務所を思い出し、また悪戦苦闘案件を携えて当事務所に現れるのです(゚◇゚)ガーン

これが…リピーターのあるべき姿だ。嬉しいなー(棒読み)

残念ながらそうしたリピーターさん達の中には報酬支払い遅延等の問題を起こして取引終了になる方も複数出ており、今年はリピーターへの過度の期待も危険、という教訓を得たところであります。
人は変わってしまうものだし、そうだから紛争も起こるのだ、と司法書士登録前の中央新人研修(当時は神戸市でやってました)で聞いた気がします。

10年前からやってみたいといいつつ意外なかたちで実現できたのは大学での専攻分野への回帰=山林に関する寄稿・自治体との直接契約の締結です。おそらくここに小さなブルーオーシャンがあるだろう、とみており、来月は他県の森林組合に関わる仕事が始まります。

気にしてはいたがしばらく触らないでいよう、今後もたぶん訴訟で批判的に触るだけだ、と決めたのは家族信託です。
当事務所で不採用にした家族信託の受託者候補者は8割以上が『オレのものはオレの物 お前のものはオレの物♪』というマインドセットの持ち主だったので…家族信託が理想的に機能するほど世の一般人は受託者として真っ当でない、と残念ながら考えてしまうのです。
あとは期待通りにといいますか、遺留分規定の回避などのぶっ飛んだ内容の信託条項を組成して本当に吹っ飛んだ、といった裁判例をここ4~5年で同業者さんがいくつも作ってくれているので、それを嬉しげに論評する弁護士さんたちを通して見ていたい…こいつらどっちもどっちだ、と思うけど(苦笑)

たぶんですが、これは商事信託としてのサービスが十分に充実していくなかで、商事信託側に吸収されていくんではないか、とファイナンシャルプランナーとして思っています。
でなければAIが作る字面だけ筋の通った信託契約書が氾濫してそれをジャイアンみたいな受託者が財産横取りのツールに使って数年後に僕の仕事=裁判書類作成の依頼が増えるんじゃないかな、とも。

そして。
残念ながらWebや動画配信やSNSで法律関連情報に触れられる可能性がこれだけ増えても、当事者にはあまりいい影響がないらしいな、と思わせる分野が表題の件。

これは…いい意味でも悪い意味でも『今後も減らない仕事』になると考えています。

理由はよくわからないのですが、当事務所にはずっと一定の量、一定のレベルで作られた訴状作成に関する相談・添削のご依頼が来るのです。

人が自分自身で裁判書類を作ることについて、ネットを介して十分な技量を身につけられるシステムがあるならばこの分野でも依頼は減るはずです。すでに魅力的な競合サービスがあるなら、これも同じく依頼は減るはず、です。でも、そうではないのです。

最近では紛争発生後に弁護士への依頼費用を立て替えてくれて、さらに回収不能リスクを負担すると標榜するサービスすら登場しています。

一見すっごくいいサービスに見えるのですが当然、要審査です。つまり民間の会社であるサービス提供側に利益が上がるように絶対なるわけで、これが社会をよくするかと言ったら多分なりません。

むしろ『提訴側の手取りが減る、一種のオプション取引』として定着あるいは類似サービスの勃興を見る気がするのです。

言ってしまえばこのサービス提供側は『勝ちやすいと見切った賭場でだけ勝負すればいい』わけだから。
このサービスは保険業に該当しない、とサービス提供者自身が言っています。大数の法則に従って損得を通算し結果として利益を確保するのではなく、むしろ信用の供与=個別案件ごとに可能性を見切って利益を出すサービスだ、と思えるのです。

そうではありますが、成果を予測しやすくて多数の発注が継続的に見込める分野に絞って自治体とリンクできれば=大規模自治体がシングルマザーの依頼を片っ端から取りまとめて養育費請求に活用するようなことがあれば文字通り社会を変える成果が挙がるだろうと思うのです。

…生活保護支給案件が目に見える規模で減るかもってことだよ、
と言ってしまうわけですが。

もちろん弁護士ではない当事務所にはそんな都合の良い案件に関わる機会は永遠にこず、むしろそうした業者が審査でハネたか今後もハネるであろう非定型案件が来るだけなので大した影響はないだろう、と見ています。

むしろ上記のサービスは、一般人の期待に対して一部の(審査を希望された案件数の半分は余裕で超えるであろう)人の成果を実現する一方、審査でハネた残りの人を絶望させる=世の中の分断を強める方向で機能する気がしています。まぁこれは、今時のいろんなサービスで同じような競争と脱落が繰り広げられている気がしますが。

そうであるなら当事務所は今後も、そうした素敵なファイナンシャルサービスの審査でハネられる人の側にいるのがよく、また技量も上がるだろう、であるから今後とも、多少手ごわい内容の訴状添削でも粛々と受託すればよいのだ、と僕は補助者さまに言うのです。が。

『普通の勤務先なら何年か働いていれば一通りの作業ができるようになるはずである』

そう彼女はいうのです。

『なのにこの事務所ではそうならない、なぜか』

そう彼女は問うのです。

確かに10年前には残業代計算をやっていたはずの補助者さまは、変動金利1.16%30年もの借入金額●億円のアパートローンの返済額計算をしており、そんな彼女の不平をなだめるかごまかすかしている僕は、労基法ではなく下請法関連の判例検索に励んでいたりするのです。

僕が向こう10年で見つけられるブルーオーシャンが、仮にあっても。
たぶん次のブルーオーシャンを探して、僕の模索は続くのです。補助者さまの困惑も(゚◇゚)ガーン


まだこのブログを読んでくださる過去の、特に労働紛争労働側・裁判書類作成のお客さまのうち、訴訟でせっかく勝たせた家族から金を奪ったり僕への報酬を踏み倒したりそういう依頼人を僕に紹介したりなさっていない皆さま。当事務所は上記のような事故に遭遇しつつもなんとか20年、潰れずに保ちました。

この間あれこれと事故も誘惑もありましたが、僕が堕落も廃業もせず(そして定型業務が好きな中規模事務所に転業することもなく)今日を迎えることができたのは皆さま方のおかげです。あらためてお礼申し上げます。

残念ながら、僕とあなたを引き合わせてくれたインターネットというシステムが今後も人の世をよくすると単純に信じることはもう無理ですし自分専用の正義にしたがって紛議調停懲戒請求を試みる関係者も時々いますし人道を踏み外したらしいリピーターも出現するようになりましたし生成型AIが業務の大部分を吹っ飛ばす可能性もちらちら見えてきていますが……

まぁそれはそういうものと認識しつつも、僕はこの事務所でもう少し粘ってみようと思うのです。

僕を(直近15年間でご依頼の方には、僕と補助者さまを)覚えている皆さまを、失望させることがないように。

世の中が変わってしまうことに応じてこの事務所のあり方も若干変わっていますが、皆さま方が上記のような事故を発生させないでいらっしゃる場合は、おそらく前回依頼時以上のクオリティで裁判書類作成が可能です。
ですので何か困ったら適当に思いだしてください。この事務所の大事なところは、できるだけ変えずにいるつもりです。

黙っていても儲かる住宅購入会社設立等の登記を他事務所に依頼されたあと凄く手間のかかったり少額の裁判事務の依頼だけくださるようなことをなさっても、適当に嘆き悲しんだりはしますが依頼拒否はしません…すでにそういう依頼事例が数件以上あります。あるんです(笑)

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