暑いときに冷房を入れるな、という結論
我慢しろという話しではない、と最初に述べて補助者さまにご安心いただかねばなりません。
前回記事に引き続き、夏のエアコン利用と消費電力量の関係についてあれこれ試した結果。一言でいうと、表題のようになりました。さらに丁寧に言うと、『今日は昼から暑いでしょう』という予報が出たら朝からエアコンを入れておくのが妥当だ、ということになりそうなのです。
前提条件を整理します。以下の説明は事業場ではなく一般住宅によく適合します。
物件:名古屋市郊外所在の8階建てマンションの7階。日照通風良好。
冷房箇所:南面して窓を持つLDK12畳(エアコン設置)・6畳
冷房機種:SHARP AY-A40VX-W(定格冷房能力4.0KWh。14畳用)。2年前に整備・配管取替済み。
冷房設定:おすすめエコ自動、設定温度は標準からプラス2℃、運転開始後のみ風量自動、定常運転移行後は風量を静音に変更
補助者さま:司法書士法施行規則25条1項に規定がある、司法書士のアシスタント。他事務所では『さま』と言わないらしい。当事務所では水曜日17時半頃、土曜日14時半頃出勤する。暑さを嫌うことについて、前回記事参照(笑)
備考:給湯炊飯はガス使用。冷房以外に大電力を使用する機材なし
使用しているエアコンについて少し説明します。本機には『おすすめエコ自動』の設定があり、現行機種でも同様の機能があります。これは外気温や日照に応じて冷暖房の設定温度を変化させるもので、標準の設定から±2℃、温度を変えることができます。夏季にプラス2℃の設定にしている、ということは省エネ側に設定を振ってある、ということになります。
また、風向自動で運転を開始すると最初は床に風を吹き下ろすように運転し、20分~1時間後に風向を上に=天井沿いに冷風が進むように風向を変更します。これが冷房時の定常運転になり、この風向変更があった段階で風量を静音にします。説明書によれば、静音設定時は冷暖房の能力を少し抑えて運転することになる、とされています。
このほか、縦型の送風ファンとサーキュレータ各1台を配置しています。定常運転中の室温は、外気温にもよりますが28℃~30.5℃、となっています。
…要は『暑くはない、ということならよい』と考えて消極的に冷房している環境です。
ただ、ときどき補助者さまに迎合して設定温度を下げます(苦笑)
この物件でいろんな時間帯にエアコンを使ってみた結果と気象条件は以下のとおりです。
(気温データ:tenki.jp)
○1日冷房したら電気代180円加算、夜だけなら80円加算
ただちに比較できるのは期間中の最大値と最小値、7月4日と18日です。
7月4日は朝から出張に出て帰りが翌日となりました。このため宅内では冷蔵庫や電話関係機器など最低限の電力消費があったにとどまります。消費電力量2.7KWh。
18日は意図的に一日中エアコンをつけており、最高気温も37.1℃と期間中のほぼ最高値に達しています。消費電力量8.8KWh。
両者の差6.1KWhに1KWhあたり電力料金30円(関東北陸四国の標準的な料金は40円程度ですが、本稿では30円とします)なら183円。とにかくこれだけの差が生じる、ということになります。
1日の消費電力量4~5KWh台のところにいくつかデータがあります。例えば7月16日、消費電力量4.6kWh。
7月10・11、14、16・17日はいずれも、日中はエアコンを使っていません。
夜になりお風呂に入っているあいだにエアコンを起動し、就寝後少しつけていた、というパターンです。エアコン使用開始は20~22時、2時頃に使用終了、となります。
これらの日は、7月4日の最低値から1.7~2.7KWhの増加、となりました。1KWhの電力料金を30円とすれば51~81円。日中とにかく我慢しきって(あるいは、外出していて)夜だけエアコンを使うなら電気代は1日80円増、と覚えておくとよさそうです。
ここまでならお話しは単純なのです。
ここから先は、小学生の自由研究程度の内容にはなっていそうです。
○起動時間帯と消費電力量
この実験を始めるまでは僕も冷暖房について、単純に『稼働時間が短ければ消費電力は少ない』と信じておりました。
ですので土曜日は14時頃、水曜日は16時半~17時頃に冷房を始めていたのです。
つまり、補助者さまが出勤される1時間~30分前に。
たとえば7月15日(土曜日)は14時から30分の消費電力量に、当物件にしては鋭いピークが見られます。14時から冷房開始してその後ずっと冷房し、1日の消費電力量6.7KWh。最高気温33.4℃。
7月7日の消費電力量は6.2KWh、最高気温33.8℃。
この日は、準備書面陳述書作成の締め切り日だったため10時から冷房を入れていたのです。そうではありますが消費電力量は、14時から冷房開始した15日より少ないことになっています。1日のグラフにみる顕著な違いは、15日のほうにあったようなピークが発生しないこと。
住宅そのものに十分な断熱性があるならば、なるほどこれはあり得る結果だと考えました。
つまり冷房開始時の気温が低ければ目的温度に到達するまでの消費電力量は少なくて済み、いったん冷やしてしまえば(冷房している環境の断熱性が十分に高いならば)その後の外気温の上昇はどうあれ、温度を一定に保つことはそんなに消費電力を増やさずに冷房可能である、と。
さらに言い換えると。
補助者さまが午後から出勤するからといって、わざわざ(気温がいちばん高くなる)昼過ぎまで待ってから冷房を入れる本職は馬鹿だ…と!
なんかもう、廃業してもいいかなー
これでもファイナンシャルプランナーなんだけどさ(うつろな目)
冗談はさておいて。
どうやら僕は冷房の使い方を12年間まちがえ続けてきた、ということがわかりました(゚◇゚)ガーン
最高気温が1℃程度しか違わない組み合わせを抽出すると、7月8日と9日(8日は14時、9日は来客があった関係で10時半から冷房開始だが8日のほうが消費電力量が大)、7月19日と20日(19日は17時、20日は10時半から冷房開始だが19日のほうが消費電力量が大)でも同様な傾向を示しています。
もう一つ、7月20・21日は両日とも10時台に冷房開始、その後ずっと冷房、としていました。消費電力量は0.1KWhしか違いません。
ただ、最高気温は20日と21日とで2.7℃違っています。ですが時間ごとの消費電力量変化にも、差が見られません。
これが、『断熱能力が高い物件なら外気温の上昇前に部屋を冷やしてしまえばその後の外気温の変化とは無関係でいられる』ということなのか、あるいは『20日の前日に雨が降った・その他の未考慮要素が影響した』からなのかは、まだ不明です。
このような傾向を見いだしたところではありますが、今のところは少しでも冷房を効果的に運用したい場合
- 冷房したい部屋の断熱性を上げる施策(すだれや赤外線カットのカーテンの採用・断熱性の低い部屋の空調を諦めて締め切り、外気とのあいだにバッファーゾーンを作る、など)
- 【重要】気温上昇前の冷房開始
- 冷房定常運転時の抑制的な温度設定と、説明書を熟読して運転能力を抑えられる設定があるなら採用する(送風能力が減る場合、サーキュレータ等で補う)
これらの施策を併用することに加えて…
冷房開始後あまり温度設定を変更させない、ということも大事かもしれません。
時間ごとで消費電力量を見ていると、とにかく余計なピークを作らせないで淡々と運転させるのがよいようです。
7月22日土曜日は補助者さまが14時半過ぎから出勤されました。
おやつの時間に(ガステーブルでお湯を沸かして)温かいコーヒーを入れてくださったので、休憩時間中だけ冷房の温度設定を2℃下げ、さらに風量を静音から自動に戻した(冷房能力を上げた)のです。
で、そのときのグラフ。休憩は16時から、というのが丸わかりです(苦笑)
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