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2023年5月

これは1件なのか?(登記申請添付書類閲覧申請書の付属書類作成は受託件数にカウントしていいのか、という疑問)

東京から帰ってきてから10日ほど、ずっと体調を悪くしておりました。

咳が出る・鼻水も出る、喉が痛む、黄色い喀痰が発生する・臭いもひどい、熱はないが頭がぼーっとする、など。

風邪のような症状である、医者にはかかっていない、念のため書類の収受は停止する、と依頼人各位には宣言しておりました。

…周囲への説明を正確にするとかえって余計な心配を誘う、という数日間を過ごしました(苦笑)

補助者さまの出勤も停止要請をかけていたのですがそろそろ再開せねば、ということで久しぶりに新型コロナウイルスの抗原検査キットを取り寄せたのです。

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ライン2本出ちゃったらブログに出す勇気は無かったのですがCラインに一本だけ=このキットでは陽性ではない判定、となりました。29日のことです。どうやら人様に派手にばらまくほどの状況にはないのであろう、と判断して書類収受を再開することにはしたのですが。

検査用のスワブを右の鼻に突っ込んだところでクシャミ3回、左の鼻に突っ込んで2回、引っこ抜いて検体を検査液につけたところでもう3回、おかげで何やら検査後のほうが半日ほど病気っぽくなって過ごしました。

とにかく検査結果は上記のとおりでありました。

と同時に考えてしまったのです。薬剤師の方々には失礼ながら…

 

これamazonで買っちゃったけどさ、第一類医薬品該当の検査キット販売に際して行う使用目的の確認って…
AIでもできるでしょ(゚◇゚)ガーン

この商売やってると、いろんなご職業の裏側を見てしまうのです。

そうしたなかで当方に邪魔な人物が『薬剤師ってのは(中略)給料高くて当然だ』的な発言をしてる奴がいたのを見てしまったことがありまして…どうみてもそいつのやってることは社会悪かその幇助、だったとは思っています。

もちろん僕の仕事と同様に薬剤師さんの仕事も、AIに蹴散らされる業務とそうでない業務が高度に併存しているとは信じていますが…

検査キットの通販、あれはもう、人間の仕事じゃなくなるね(笑)
司法書士の抵当権抹消1980円行政書士の電子定款作成代行4980円と同じくらいに風前のともしび、だと思えました。

ちなみに今後○○士ドットコムが導入するであろう法律相談データの二次利用を伴ったAIによる擬似的法律相談サービスの提供も楽しみにしています。

Garbage In, Garbage Out の凄い見本=相談希望者が自分が都合のいいこと言っただけの質問入力にヒマな士業の人達が適当にした回答の膨大な蓄積からどれだけ見当違いな受け答えが生み出されるか、という観点から。

僕があの会社のCEOだったら、月額利用料の多寡によって『品質の安定したデータ=裁判例の蓄積と強くリンクさせる回答』と『そうでないデータ=これまでの豊富な相談結果(というか、ゴミ)の蓄積だけで導き出す回答』を別にするけどな(人の悪い笑い)

体調が健全でないと思考も健全でない、そんな数日にした作業。免責許可決定に対する即時抗告の申立書作成がありました。

そのまえに免責に関する意見書を作っているのですが破産+免責許可はおなじ事件番号なので、文案を要する書面を二つ作っても来年1月に業界団体に報告する民事関係裁判書類作成の受託件数は1件、と数えます。これはわかるのです。

ただ、この業務では下準備をしています。表題の件。

この破産、担当した代理人はたぶんAIで代替可能な種類の人だったのです。

破産者が持っている、というか去年自分で設立した会社の株式数を空欄にした資産一覧表を出してきました。
チェック機能すらないのか(苦笑)

どうやら裁判所にもAIでの作業代替余地がたくさんあるんだろうな、と思えたのは、そんな破産の申立書をサクッと受理して開始決定を出した、ということから推測できます。もう、いっそ申立書類出した瞬間に(ランダムで0から99までの変数発生→0が出た場合のみ免責不許可/それ以外は許可)みたいなプログラムで業務を運営したってたぶんバレないと思えます。

お話しを戻します。当然ながらそんな破産申立代理人が自分のクライアントについて『免責不許可事由がある』なんて正直に言ってくるはずありません。

そこを破産債権者側がつつくと『免責不許可事由はある』というところまでは来ます。
※僕が、というよりAIにやらせてもそこまでは持ってこれる…ということだったらイヤだな、とは思っています。

そんな作業の一環で、法務局に会社設立登記の添付書類の閲覧申請をかけるよう、お客さまに頼んだのです。

商業・不動産登記とも、法務局における登記申請添付書類の閲覧申請には、申請人でない人が閲覧したい場合は正当な事由を示す必要があります。

ヘタすると拒否られる、という展開はモラルハザード気味な破産者が免責不許可になる展開より高頻度に見かけます。

で、僕は本件一連の業務で計2件、この『正当な理由(別紙)』とでも言うべきペラを作ったのです。

で、考えてしまったのです。

これは登記に関連して法務局に出す書類、です。
司法書士が作っていい書類であることは明らかです。ですが。

独立した受付番号は与えられません。ただ、業務としては目的を果たして完結するもの、にはなっています。
手数料も1件1件払うし、多分ですが閲覧拒否された場合はその処分の効力を争えるはず。

つまりこれは1件の登記申請書作成事件と同じようにカウントしていいのか?

これを当事務所が真剣に考えねばならない理由。

商業登記の申請受託件数が年1~2件しかない(今年はまだない)ので、登記申請閲覧申請書作成で受託件数をカウントできたら

業務の実勢を反映しない件数増加になるから、です(゚◇゚)ガーン


商業登記の申請書閲覧について本当に悩んでおられる方には当事務所で有料の相談に応じるほか、手配としてはつぎのようにします。

まず閲覧したい登記申請がなされた日を当該会社などの登記情報から特定します。受付番号は不要です。

閲覧申請書は法務局にあるものを適当に使いますが、正当事由は『別紙のとおり』とします。

で、別紙の部分をA4判1枚程度にあらかじめ作っておき、別紙と閲覧申請書を一緒に出すのが手続きとして最速、になります。

別紙はこんな感じになります。人名商号はそれぞれ仮名です。

閲覧申請書別紙

1.閲覧を求める書類
   本店 東京都○○区~
 商号 株式会社見本産業
(1) 登記の日 令和4年○月×日
付属書類 上記会社の株式会社設立登記申請書に添付された、
①定款
②雛形一郎からの出資の払い込みを証する書類
③取締役雛形一郎の就任の承諾を証する書類
(2) 登記の日 令和4年□月△日
付属書類 上記会社の役員変更登記申請書に添付された、
④取締役雛形一郎の登記の抹消について、抹消の原因を証する 書類(登記事項の不存在あるいは錯誤等を証する書類)
2.利害関係
(1)閲覧の申請人は、破産者雛形一郎の破産債権者である。
 (事件番号:東京地方裁判所令和4年(フ)第○○○○号)
(2)雛形一郎は上記会社の設立時の取締役としていったん登記されたが、令和4年□月△日に登記の抹消を受けている。
(3)閲覧の申請人は雛形一郎の破産手続において、債権者集会への出席および破産者の
 免責に関する意見書の作成を準備している。債権者集会は本年*月×日である。
(4)閲覧の申請人が破産者雛形一郎の破産手続申立書を確認したところ、資産の明細には上記会社の株式が記載されているが、株式数や評価額の記載はない。
  さらに、破産に至る職歴には上記会社の取締役に就任した経緯の記載もない。
(5)破産者が株式や役員報酬請求権を有するか否か、これを破産手続において正確に
 報告するか否かは、破産手続において、免責の許否および破産債権者への配当額に影響する事項である。
(6)したがって閲覧の申請人は、
 上記①および②の書類により、雛形一郎の上記会社に対する出資の額、出資が履行された事実、各株主に割り当てられた株式数を、
 上記③および④の書類により、雛形一郎が上記会社の取締役に就任し、その登記が抹消された経緯を、
 それぞれ確認することについて、利害関係を有する。

だいたいこんな感じでペラ1枚におさまります。
今回は2件分の登記申請について1枚の閲覧申請書別紙で閲覧したい、ということでやってみたら通った♪という事例でもありますが、閲覧の手数料は2件分払うことになります。
で、こういうのをウエブに放つとAIが勝手にテキストデータを取り込んでそれらしく作る…ようになるのか(゚◇゚)ガーン

公式な森林所有者探索フローの脇で(電話帳記載の住所情報の変遷に関する備忘)

少しずつ少しずつではありますが、県市町村から直接ご依頼をいただく山林関係の仕事が増えてきました。
今は報酬の発生に至っていない、という問い合わせについても自治体担当者さんが示してきた案件が興味深い場合は関与しています。

無料で(笑)ではありますがこれは特別と考えましょう。少なくとも一般顧客誘致目的の無料相談で消耗させられるよりよほど有意義な知見を僕のほうでも集積できます。僕のほうでもこうした事実上の行政協力をおこなうことで、行政の裏側を見られる価値があるのです。

…貴県じゃ守秘義務ってのはどうなってんですか?
などと聞いたりはしないようにしています(遠い目)


さてこの手の案件、規模がでかくなって怪しいコンサル会社が間に挟まったりすると大抵ロクでもないことになる=オブラートにくるんで言えば税金というものの使い方について考えさせられる(全件そうなるかそうなる可能性を見る)のです。一方、自治体担当者さんと僕とで直接やりとりできる契約形態の場合はそうした理不尽を目にすることが少なく、安心して仕事していられます。

そんなことやったって公費の無駄だよ、
と電話口で担当者さんに説教して
依頼回避した案件はいくつかあります(遠い目)

そんな継続的案件の一つが表題の件。意向調査協定締結林地台帳整備組合解散などなど、とにかくいろんな理由で『森林所有者の探索』を試みたい、というニーズが市町村林政担当者さんたちに発生しています。財源は最近SNSでバズッた(炎上した?)らしい森林環境譲与税、という構造。

…業界団体や公嘱協会、頑張って各市町村に食い込めばいいのにね…と思ったりするのですが僕もそこまで会の偉い人とつながりはありません。

で、僕は公嘱協会が決めたお値段にしたがって直接ご依頼をうけることができています…年度が替わって公嘱協会の価格も上がったために協会に所属してない僕の報酬も自動的に賃上げされてしまった(公嘱の価格でご依頼を受ける、というのが条件だから)、そんな案件があるのです。

まさか公嘱協会の偉大さを開業19年後に協会外で感じることができるとは思ってみませんでしたが。

主に土地台帳・登記簿記載の情報を起点とする森林所有者あるいはその相続人の調査に関しては、下記のチャラいフローが山林行政の管轄官庁から公開されています(出典:https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/keieikanri/attach/pdf/sinrinkeieikanriseido-23.pdf

)。

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ご覧のとおり、どなたでもかんたんに所有者不明の結論を導けるフローが(冷笑)

もちろん当事務所でも、ご指定いただければそうした品質で調査する…いえ、調査を打ち切ることはできます。
そうではありますがこの調査方針部分は記録に残さず契約書に書かず電話口頭での合意だけで確認しておきたい部分ではあります。

上記のフローは言ってしまえばチャラっと調査し片っ端から所有者不明を宣言し次から次へと強制的な権利設定=所有者からみれば剥奪、に向かうことを可能にするものなので怪しいコンサルが取り組む調査には最適です。

過払いばっかりやって大きくなった体の大きさを持て余し気味な大規模弁護士司法書士法人、なんかが受託するにも大変よろしいであろう、とも思えます。

僕が好きなのはもちろん、そうでない場合です。

森林所有者の調査はするが、できるだけちゃんと探していい、時間は若干かかっていい、費用は自制する、そうした振る舞いをする旨の合意がなりたっている案件があるのです。その市の人はまぁよかったネ、ということになるでしょうか。

で、そんな調査のある局面でどうしても過去の電話帳が見たくなりました。一般化します。

森林所有者調査の出発点として示されるのは主に土地台帳=『過去の一時点で不動産登記を経た、土地所有者の住所氏名』です。

当然ながら僕に調査が発注された以上、現時点でそこに調査対象者は住んでいません。

で、この国では平成26年以前の住民票データはあらかた捨てた♪根拠法に基づいて捨てたんだ文句あるか!という市町村が多いです。
ですので別にそうしたデータがあればそっちを使いたい、ということになります。

僕の見るところ、辛うじて世帯主について過去の記録をとどめるのが固定電話の電話帳、です。これは、都市によっては戦前、昭和40年代以降なら全国のものが国立国会図書館で閲覧可能状態にあり、僕は必要に応じて過去の住宅地図も併用します。住宅地図も昭和40年代以降のものが閲覧可能になってきます。ゼンリンとは別の発行体が単発で出していた、昭和30年代以前の名簿や地図を探すことは当然可能です。

そうした電話帳、森林所有者調査で重要なのは氏名と並んで住所の表記です。
より具体的には今回『住所のうち、部屋番号』が調査の出発点たる不動産登記データに載ってない、そんな案件がありました。

ちなみに、敷地権化済みなそのマンションの居室数、100戸超(゚◇゚)ガーン

各居室について片っ端から登記情報の請求かけて請求1件あたり千数百円の加算をせしめる、などということは当然やってはならないのです。別の調査も試みましたが奏功しません。

仕方がないのでこの案件、調査不能を宣言するまえに東京出張のタスクに載せました。

で、期せずして僕は昭和50~60年代の埼玉県の個人別電話帳の閲覧請求を乱打し、住所の記載の変遷をみることになったのです。

今回見たかった『集合住宅に住んでいる人の、居室番号』は昭和50年代後半まで表示されません。
※さらに前=昭和40年代は、番地も表示されません

ひょっとしたら地区によって異なるのかもしれませんが、昭和58年あたりに出た版から居室の番号が表示される、という事例を確認することになりました。

それと。この電話帳調査は随意契約に付随するオマケとして実施した、という認識なので報酬を発注者に請求することはないのですが『作業やった記録』は出したいと思っておりました。

で、国会図書館の複写担当者さんに聞いてみたのです。「複写申し込み書の控えを貰えますか?」と。前々から気になっていたのですが、同館の即日複写申込書は一部が控えになっているように思えます。

控えではなく複写申込書のコピーは、複写資料と同時に無料で貰える、ということを確認しまして。

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作業やった感を演出するために、この申込書コピーも送って作業終了、といたしました。


登記簿の記載を出発点とする現在の所有者・相続人の調査は、自治体からの随意契約でも当然お受けしますが一般の個人・団体の方からもご依頼をお受けしています。ただし職務上請求書の使用は、法律で許容される調査目的があると確認できた場合のみ行います。

…市から発注された業務を丸投げ、いえ下請け、ではなく適切な基準に基づいて再委託、できるかという質問もありましたが、それは今後も『イヤだ』と回答させていただきます(笑)

自治体さんの場合は同県内の公嘱協会=公共嘱託登記司法書士協会さんの報酬額設定に従うのが価格決定の根拠としてわかりやすいようですが、調整を求めることがあります。なぜか公嘱の報酬体系に、『登記上の所有者の調査に、別の登記簿データを使わない』前提で設定されたと思われるものがあり、ここは僕の調査方法と齟齬が生じるのです。僕のところでは登記簿図書館の名寄せ機能を所有者調査に多用している(上記のチャラい調査フローとは大きく異なる)ため、戸籍住民票データよりは登記データを所有者調査に活用していることになります。

一般の方からのご依頼については作業時間制または成功報酬制でお受けしています。
ご興味のある方は当事務所ウェブサイト備え付けのフォームからお問い合わせください。

作る前にまず壊す、その前の記念写真(鉄道模型レイアウトの製作準備)

先週行ってきた山林関係の出張相談(実は講演だったんですが)では、文字通り前代未聞、確実に空前でおそらくは絶後、な展開に直面させられました。

僕の出席を準備した担当者さんがいうのです。

(僕の著書を)『全員で買いました』と!

見れば10名いらっしゃる出席者の皆さんが一斉に僕の著書を取り出すのです。

「そんな勿体ない、その予算で別に紹介している本のほうを買えばよかったのに」
と、購入者にも担当編集者さんにも、要するに自分以外の全員に対して無駄あるいは失礼な言葉を放ったのですが文字通りもう遅い(苦笑)

すみません。直接申し上げずに終わりましたが著者としてまことにありがたく、あつく御礼申し上げます。
ただ今後は私を呼ぶことの当否も含め、費用面をシビアに査定しながら関与したく思っております(苦笑)

ちなみに、僕が買ってほしかった本はこっち。
昭和時代、場所によっては戦前からそのままになってる相続未登記をまずなんとかしよう、できるだけ安く、ということであれば僕の著書より先に備え置いてほしいと本気で思っている本です。

amazonも近年はkindleでタダ読み出来る雑本が増え、いい本を探すこと自体が難化してきています。

そんな出張相談を神奈川県西部で終えまして、週末は静岡県東部の実家に泊まってきました。
高校生時代に作ってそのまま実家に置いてあったあるものの始末を、そろそろつけたかったのです。

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見て一目で何かわかる方、当事務所で可能な全業務のご依頼を歓迎します。

これは何か逸般の誤家庭にあるといわれるモノに違いないと正しく推測された方、見ないほうがいい物だと適切に判断された多くの方に説明します。コレにはまって自己破産、という案件はまだ聞いたことありませんが…楽しげに生活を傾けていらっしゃる・婚期を逸したらしい諸先輩方は僕が社会人になる過程で、あっちこっちで見かけたものです。

高校で入っていた鉄道研究部で学園祭に作っていたNゲージ鉄道模型のレイアウトのうち、まだ残っていた一部。
一言で要約するとそういうものです。当時、3年生の部員は僕だけだったどころか自分で模型をやってる現役部員が僕だけ、という恐ろしい状態だったので僕のところで作ったものを出展してその年は面目を保った…その残りが30年ほど、実家においてありました。

※幸か不幸か三重大学には鉄道そのものの研究部・会は存在しなかったため趣味にはまって生活を傾けることはせずに済み、結果として卒業後2年で司法書士に受かる、という別の方法で生活を派手に傾けてしまい、以後傾きを補正する機会を逸して現在に至っています。

当初はこのレイアウト、レンタカーでそのまま名古屋へ移送搬入できないか考えたのです。
ですが、最長2250mmの台枠が斜めにしても当物件のエレベーターに入らない(゚◇゚)ガーン

そうしたけで、どうせ木製の台枠にプラスター(模型用石膏)で地形を作ってあるだけなんで一旦解体して、木材とレールと電気配線にバラしてから移送することに決めていたのです。

その解体作業に1日かかる…と予想していたところほんとうに1日かかり、予想外だったのは筋肉痛が2日残った(笑)ということ。

ということは。

バラバラになった材料を名古屋にある拙宅に搬入し、これを組み上げるときにも同様かそれ以上の肉体的負担が発生する、ということかもしれません。

無理せずやろう、どうせ今後10年以上楽しめるんだから2~3年かかってもかまわん、そう決めました。


先週お受けしてきた講演で始まった案件がカタチになるのとどっちが速いか、という話し…かもしれません。

単に鉄分の濃い方のご依頼ご相談を歓迎する、という話しでもあります。今後ときどき、この件はブログに出てきます。

仕事場が公民館で、開始後1時間経って、自分に与えられた肩書きに気づいた件(東京小田原出張2泊3日 2日目)

今日の相談は山林関係。相談を終えて夕方になり、座れないなら前面かぶりつきもいいかな、という帰り道です。

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このお客さま方とは4ヶ月ほど前に1回目の出張相談を、小田原でおこなっています。今日は小田原近くの某所が出張相談の実施地、とされておりました。コロナ禍突入以来、出張相談には距離と換気とプライバシーが確保できる個室、の確保をお願いしています。

この条件設定だけで脱落しちゃった方もそれなりにおりましたが全て過去のこと。
これまでにはカラオケボックス、レストラン、シティホテル、そうでないホテル、公共施設の会議室、私営のレンタルスペース、個人宅、協力者宅、などなどがありまして。こうした準備の内容で依頼人の能力を推し量ることもできています。

今回は山林関係の相談限定で、たまにあるパターン。
公民館、が指定場所だったのです。

1回目の相談は公共施設の会議室で2人の方に対して行い、その続きだ、と聞いておりましたが…今日の会場になった公民館では細長いテーブルがコの字型に配置されています。出席者10名ほど。

僕はその端っこに配席されていただけなのでまぁそういうもんだろうと勝手に了解しました。出席者の方に問われるままにしゃべり始めるうちに1時間少々が過ぎました。

自分の手際の悪さを詫びながらそれでも出してもらったカステラはしっかり食べてお茶を飲みさらにペットボトル2本目のお茶を頼み、休憩に出てトイレから戻ってきた…そのタイミングで気づきました。僕の席にだけ、テーブルの前に白い紙が垂れています。


講師

司法書士 鈴木慎太郎 先生


…あ、これ相談じゃなくて講演だったの(汗)

だからみんな僕のこと先生って言うのかな(苦笑)

いっそ記念に写真を撮って帰ろうかこの張り紙、と思ったのですが自重します。
今さらですが先生ってほどのもんじゃないことはもうわかってますよねー、と適当に断って相談のような講演のような質疑応答を続けました。こんな感じで。

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こんな態度と表現で事前質問19項目へ暫定回答を納品してあり、それに特に文句言われることもなかったんで(品位保持義務違反を指摘されることもなかったんで)当日もこのノリのまましゃべりだして…1時間ほど経ってようやく、どうやら僕が今日の先生らしい、と気づきました。

先生扱いされたまま上記の回答をプロジェクターに投影していただいたんだけど
これ大画面で見せられると…回答者、ダメな奴に見えるよなー ははは(乾ききった笑い)

結果的に報酬を自分から値切ってしまった気もします。

当事務所出張相談では消費者向けの料金として1時間3千円の定めを置いています。今回は東海道本線小田原駅を出発地とし、小田原駅から小田原周辺にある目的地までの往復の交通費と日当(1時間につき3千円)を加える、という報酬設定です。

講演に該当する案件ではもう少し(というか、2倍以上)多く請求できる報酬体系にはなっていたのです。

が…

本案件では今後も時間単価1時間3千円、と出席者全員の前で宣言した瞬間は上記の張り紙と肩書き、視野に入っていなかった記憶があります。

とりあえず今回の出張相談のような講演のような質疑応答は3時間ほどで終わり、あとは『皆さま方が私を出入禁止になさらなければまた来ます~』と約して終了、となりました。まぁいいか。


ひょっとして昔も自発的に値切ってたのかどうか忘れてしまいましたが、福岡の信徒さんには久しぶりにコメントをいただいています。

あの路地ではしご酒ができるなら、値切ってもらってもいい気はしますね。今後もそういうお仕事をくださる方を増やしたい。

身もふたもない回答を受け入れつつその状況を楽しんでもらう態度は、当事務所での相談継続には理想的、ではなく必須に近いのですが(笑)

今後は山林の相談に一層注力します、と言ってみたい東京小田原出張2泊3日 1日目

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この時期の伊那から諏訪は随分と様子のよいところです。
空は柔らかに蒼く、水張田が空の青みを地上に降ろして、木々はさみどりに萌え、山には残雪が白く輝いています。

 

で、出張相談がキャンセルされました( ̄▽ ̄;)
この時期の東京は様子のよくないところかもしれませんが…今日から出張です。当初の予定では労働者側裁判事務と経営者側裁判事務の出張相談と山林関係の相談が1件ずつ入っておりました。
このうち初見だった労働相談が早々にキャンセルになりました。事前の提供情報に少なからぬ問題があり、これは粛々と出入り禁止にするとして。
今朝地下鉄の駅まで来たところで、継続相談中の経営側の相談もキャンセル通告を喰らいました!Σ( ̄□ ̄;)
まぁこちらは相当の事由がある模様。あの感染症をもらって帰るのもなんですし、特に文句はいいません。

 

かくして神奈川県西部での出張相談が1件残りました。山林の共有に関するもの。
あとは、いま愛知県内某市からご依頼をもらっている山林所有者調査業務に関して、国会図書館で昭和時代の埼玉県の電話帳を調べてくるのが今回の出張でやること、です。期せずして山林の仕事中心の出張になりました。

民事関係裁判書類作成業務のシェアが前年比1.4倍になった、という詭弁

僕のしごとは業界団体への加入が強制されています。業界団体にはあれこれフクザツな感情はあるので当ブログでは『業界団体』と言っているのですが今回は表題から、どちらの業界団体かわかってしまいます。

今日はそんな業界団体が毎年くれるブログのネタの話しです。

この時期業界団体は総会開催に先立って、県内の会員が受託した事件数の概略を発表します。

僕が注目するのは、当事務所の不動産登記の件数が業界団体平均からどれだけ下方向に乖離しているのかと裁判書類作成件数がどれだけ上方向に乖離しているのか、です。

不動産登記のひどさは脇においておきます

業界全体にとっては憂慮される情勢なんでしょうが、やっぱり民事関係裁判書類作成件数は昨年比で減少。本県では400件台前半を記録しました。

つまり会員一人あたり受託件数、年間0.2件。

当事務所。昨年は13件となっています。平均比65倍(わらうところ)

去年まではだいたい40~50倍、という話しを林業関係者さんへの研修講師の挨拶のネタで使っていたのです。
「えーと私の事務所は不動産登記の経験数は業界団体年間平均のだいたい20分の1、民事関係の裁判書類作成のほうはだいたい40倍(←ここで受講者の動きが止まる)となっています。で、開業から18年ですから平均的な同業者さんの720年分の経験をお伝えしに来てるわけですね。登記のほうは1年弱になるんですが今回の研修、法律と契約ですので登記の経験が貧弱なことは無視してくださーい」

上記の論法を使うと、今年3月で登録19年(先行開業した別の資格のほうは8月で20年)なんで

19×65=1235年ぶんの経験になるのか。
いまから1235年前って…奈良時代(汗)

数字を用いた詭弁ですが詭弁であることが明白なのでまぁいいか、楽しんでもらうことが目的であってごまかすことが目的ではない、と考えてさらに続けます。気になるのは市場シェア、なのです。

当事務所の昨年の受託件数を業界団体全体の件数で除したところ、今年は3%を超えました。昨年は2.2%だったので…あらためて表題の件。

不動産登記の受託件数が壊滅的に低いことを脇においておけば、僕は今年いっぱい『県内の同業者さんの民事関係裁判書類作成の受託件数の3%は僕のところでやってます』と言ってもウソではないことになりました。めでたい、と言っていいのでしょうか。

付け加えると、民事関係、とされる裁判書類作成には破産民事再生特定調停といった債務整理関係業務を含みます。ですが当事務所ではこの依頼がありません。支払督促も昨年はありませんでした。ということで、定型の書類たくさん作るから件数増える、という事務所ではないのです。

ただし。

訴状答弁書準備書面など非定型的な書類作成が中心とはいえ、訴訟費用額確定処分の申立書が毎年必ず、少しだけ混じるんです。

今年もあったのですが、これを昨年提出するよう運動していればシェア4%行けたんじゃないか、などと思ったりもします。
数字の操作を伴う詭弁、なんですが。

乗り放題きっぷ所持者のモラルハザード 2日目(愛媛福岡出張3泊6日 5日目)

18年前に依頼をくださった、労働紛争労働側のお客さまと出張相談があったのです。衝撃の告白がありました。

…ご依頼のあと独立開業して経営者になった、というのはめでたいことですが、珍しくありません。把握できている=リピーターとしてご依頼があるだけでも5件あります。今後も経営側でご依頼相談に応じることを約束するだけです。

※100%労働者側で仕事する弁護士、
と標榜する事務所がたまにあります。
一見頼れそうにも思えますが…
それって将来の依頼人の数パーセントを切り捨てなければ存在不能な事業形態じゃん、と今だったら気づけるのですがそれはさておいて。

僕は全く忘れていたのですが、衝撃の告白。
そのお客さまは依頼終了時に報酬を値切った、僕はそれに応じた、という経緯があったというのです(゚◇゚)ガーン

ええと
逸失利益に経過年数と民事法定利率(当初年5%令和2年から年3%)を掛けまして。

その晩おごってくれればもう全然OK、ということで和解契約成立(ノ´∀`)ノ

久しぶりに日付が変わるまでお酒を飲みまして、天神の街がますます好きになったところです。

で、翌朝。出張5日目。

熊本-大分両県以北の路線バス高速バスがあらかた乗り放題で3日有効9千円、のきっぷを使っています。
このSunQパスは最近スマホで買えるようになり、愛媛県の三崎からフェリーで大分県佐賀関に上陸してもフェリーターミナル前の大分バスから直ちにSunQパスの利用が可能になりました(僕にとってこれが最も偉大なモビリティ・アズ・ア・サービスです)。

ではこの3日目、どうしようかな…朝飯を食べる気にはならぬが二日酔いはおさまったぞ、とモントレ福岡9階のベッドの中で考えます。時刻、9時。

やってみたいことのなかで一番安直なのを実行に移すことにしました。

宿を出て渡辺通1丁目のバス停から路線バスで博多駅に出ます。天神に行ってもよかったかもしれませんが。

10時16分博多駅前バスセンター発長崎行きの高速バス九州号で長崎へ。12時48分に到着します。

新幹線が通ってピカピカな駅前と比べて、バスセンターの暗さと汚れ具合になにやらホッとします(苦笑)

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写真では奥のほうの路地にある食堂で皿うどん880円を食べて、40分の滞在が終わります。

13時30分発の九州号で天神バスセンターに戻るのです。
実は13時45分発の便がよかったのですが、これが満席でして。
※この満席表示を見て、13時発の出島号で小倉に行こうか一瞬考えたりもしましたがそういうことはバスがよほど好きな人しかやってはいけない気がして踏みとどまりました

最近長崎でも出現するらしい皿うどんのようなもの=揚げ麺にあんかけがかかっている、一般にはカタヤキソバと言われる『皿うどん』だったらバスに間に合わなかったかもしれません。今回訪れた食堂はローカルな皿うどんを出してくれました。

長崎市内で渋滞があったものの、アグレッシブな走りの運転手さんに救われました。
この人、一箇所あったはずの途中休憩を省略すると宣言して(!)そのまま長崎道を東へすっ飛んでいきます。本州では見かけない手法です。

ですが、おかげで天神バスセンターにはオンタイムの16時17分着。200m離れたバスセンターの反対側=到着ホームから出発ホーム2番乗り場に急ぎます。
16時20分発小倉行き なかたに号との接続が1分待ちで成立し、小倉駅に向かいます。こちらも渋滞で若干遅れて18時12分着となりました。

SunQパスの利用はここまで、です。

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小倉駅前からは18時20分発として増発設定された名門大洋フェリーの送迎バス臨時便で新門司港に連れて行かれ、九州の旅が終わりました。

新門司港を19時50分に出る2便船に乗るには、普段は18時40分発の送迎バスがあります。
天神16時40分発のなかたに号に乗っても間に合った…とは思いますが、ともかく順調でした。


案件の内容は当然ヒミツですが、福岡のお客さまからの相談は続くのです。

そして天神には、やり残したことがあります。

ソラリアステージ地下の『おみき茶屋』でチキンカツ定食のご飯大盛り、を食べていません。

※経験者のみが理解できる内容だと思うのですが、あれを老若男女特にキレイなお姐さん方が当然のように完食する光景そのものが一種の福岡名物じゃないか、と僕は思うのです

できれば年二回は行きたい街だよな、と思っています。天神。
もちろん次回以降は割り勘での会食をお願いするのですが…今回はごちそうさまでした。

そうした次第で、今回も満ち足りた気分で新門司港を離れることができたのです。

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僕の思惑はさておいて、当事務所では九州全域からのご依頼も歓迎しています。

乗り放題きっぷ所持者のモラルハザード(愛媛福岡出張3泊6日 4日目)

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周りに聞こえない声量でつぶやいてみます。
わくわく(笑)

 

別府を8時02分に出たバスは由布登山口のバス停を過ぎました。乗車中の九州横断バスは別府から由布院、黒川温泉、阿蘇といった観光地を結んで熊本まで約5時間かかります。昨秋から運行再開になり、今日は4割ほどの乗車率ですが約半分が英語圏の人。十数年ぶりに乗りましたが、客層変わったみたいです。

 

大分から福岡行くのに直行の高速バスとよのくに号でもなく熊本へは最速のやまびこ号でもなくこの観光路線を使える理由が表題の件。昨日から、北部九州のバスが乗り放題のSunQパスを使っています。有効期間3日で9000円のこのきっぷは当然に九州横断バスが使えるため、整理券は取りましたが運賃表なんか他人事(笑)でいられます。
お天気も申し分なく、午前中の楽しみはこれ、です。

特急列車→特急バス→フェリー→路線バス(愛媛福岡出張3泊6日 3日目)

昨日の仕事は順調に終わりました(ということにさせてください)。今日は一日、移動日にできます。

出発地は宇和島、目的地は大分市、駅で言うと日豊本線鶴崎です。なぜかこの駅から若干離れたところに、温泉付き大浴場完備で一泊4千円台で、おまけに全国旅行支援が使えるホテルがありました。八幡浜からの交通費合計が一番安いパターンを採ります。

9時55分宇和島発の特急宇和海10号で旅を始めます。宇和島-八幡浜間の普通列車は朝8時~11時台に運転がありません。

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宇和島自動車で宇和島ー卯之町営業所ー三瓶ー八幡浜と乗り継いで所要時間2時間運賃合計1700円、とかいうのも考えてはみましたが、特急なら所要30分運賃料金合計1200円で済むのです。さすがにそこまで宇和島自動車に惹かれてはおりません(苦笑)

八幡浜から八幡浜港までは歩きますが、ここから船に乗るわけではありません。
港に隣接する道の駅みなっとから佐田岬半島の先っぽ、三崎港口まで行くバスにここから乗ることができます。

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この区間、八幡浜始発の路線バスと松山市内から直通する特急バスが一日各3本ずつ設定されています。11時10分発のは松山から来る特急バス…とは言っても所要時間が重要なのではありません。三崎でのフェリーへの接続にあまり余裕がないので、三崎で2時間ほど休憩することにします。

休憩が2時間になる理由。
毎時30分発であるはずの九四国道フェリーが、なぜか13時30分発だけ設定がないから(苦笑)

バスは12時20分に到着しています。愛媛県内で使える全国利用支援のクーポンが1100円分残っています。
そうしたわけで、14時30分発のフェリーになりました。愛媛県はフェリー発着場の隣に道の駅を上手く作るような気がします。宇和島港のきさいや広場、八幡浜港のみなっと、ここ三崎港のはなはなも良くできた道の駅でした。じゃこ天じゃこカツ1枚ずつのセットが270円。これをお昼にします。

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三崎から佐賀関へのフェリーは1時間10分ほど、1230円。佐賀関のフェリー乗り場はすぐ前が国道です。(というより九四国道フェリーが国道海上区間なので…着岸したフェリーの前から国道で、が正しいかもしれません)

国道上の少し佐賀関寄りにある古宮、というバス停から大分方面へは1時間に1本程度のバスは出ています。ですが九四国道フェリーの徒歩乗船者は5名、バスに乗り継いだのは2名。バスは16時10分にやってきました。鶴崎駅前には40分ほどで到着して宿に入り、今日の歩数は9885歩になりました。

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明日の朝は早いのです。予定は17時過ぎに天神(福岡市)で入っているのですが、6時40分発のバスで行動開始です。

名古屋から伊予鉄南予バスで始める愛媛福岡出張3泊6日

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名古屋から松山へは2系統の夜行バスが運行されています。一つはいつも選ぶJR系の路線。松山には朝9時半過ぎに着きます。
もう一つが名鉄・伊予鉄南予バス共同運行の路線。松山には7時前には着きます。出発時刻と運賃、座席は同じ。

 

JR系の路線をいつも採用するのは、こちらの路線だと最終的な目的地である愛媛県南予の到着を13時台に調整できるからです。
お昼前に着いてしまったら到着と同時に昼ご飯を要求しているみたいではありませんか(笑)

 

…というのはもちろん冗談ですが、今回は早く着くバスを使います。こちらは名鉄バスセンター発になり、地下鉄からの乗り換えが不便なのです。でも9日昼間の活動時間を増やして、10日は日のあるうちに豊後水道を渡ってしまいたい。

 

宇和島から大分への最安値の交通手段は八幡浜から路線バスで三崎へ、そこから佐賀関へは九四国道フェリーを使うパターンです。これを使うかは明日の展開次第ですが、このバスも伊予鉄南予バスが運行しているはずです。

メインストリームの脇でやってみたいこと(費用負担力の低い山林に関する、所有者不明土地管理人業務等の受託について)

ゴールデンウィーク中も平常通り執務しています。
と、書こう書こうと思っているうちにそのゴールデンウィークが終わってしまいました(゚◇゚)ガーン

読まなければならない裁判例が多すぎたのです。数秒で捨てたものも含めれば累計100件を超えてもう100件とかいった状況。よくそんなもの読めますね、というようなことを補助者さまはおっしゃるのですが作業そのものに価値があるわけではありません。こんな作業、生成型AIが1秒で精査を終えてレポートを作るサービスが再来年できたって全然不思議じゃないご時世…ということで僕の新たな隠れ家を確保しておきたい思惑もありますが、表題の件です。

写真はメインストリームから外れた何かのイメージです。まさか排水口から発芽するとは。

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さて、先月施行された所有者不明土地関連の民法改正により、所有者・共有者が不明な不動産の管理人を裁判所が選任する制度がスタートしています。

この制度の前身というべきでしょうか、仕事多すぎるカネかかりすぎる使いにくい云々と言われていた不在者財産管理人や相続財産管理人も同様に、申立てを経て裁判所が管理人を選任する、という制度設計です。成年後見もそうですね。管理人や後見人として選任されるのは大都市ほど弁護士さんが多く、地方では司法書士その他が多い、という違いがあります。

そして士業が選任された場合、まぁ当然と言えば当然なんですが報酬を受け取れることになり、不在者・相続財産管理人の選任申立てでは申立権者はあらかじめ裁判所に費用を予納しなければなりません。予納した費用から管理人に報酬が支払われます。

これを士業から見た場合、要するに利権、なんて言ってませんからね。利権だなんて失礼な(ポジショントーク)。

先月から始まった制度はこの利権、いえ従来の不在者・相続財産管理人の業務が多すぎ費用も増える、という点への対処を一応の目的として導入されています。ですが管理人として選任されるのはやっぱり弁護士司法書士事案に応じて土地家屋調査士、といった人達が法務省作成資料に挙げられています。

当然ながら管理人にはいくばくかの報酬支払い=予納が必要なのは当然だ、という論理にはもちろん僕もよき業界人として賛同しておりますとも(棒読み)

本県業界団体でもそうした管理人候補者の名簿を作ろう、ついては登載希望者募集、といったファクスが流れてきたりもしました。ただし僕、これには載らないことを選んでいます。僕も凡人なんで別に裁判所が裁判所指定の報酬で分配してくれる仕事=利権が欲しくないわけではなく…いえ、利権だなんて言ってませんから。破産管財人なんて特に凄いよあれで破産者片っ端から免責相当の意見出してんだから無敵だよ、なんてもう全然考えてませんから(遠い目)

余りに腹立たしいので即時抗告の申立書作るんですがそれは別の話です

この民法改正については先月今月と、ある林業雑誌に制度解説を寄稿しました。ですがもちろん利権云々なんて口にしてもおりません。
そもそも僕が二ヶ月連続で寄稿することになった理由は別の先生が原稿を飛ばしたらしく、担当編集者さんが涙のメールを送ってきた(二回連続寄稿の提案後、編集者の涙にだまされてはいけないと知った)、というだけです。それはそれで嘆かわしいものがありますが、これも別の話です。

士業のほうの業界誌その他に寄せられた情報を見ると、相続登記義務化とならんで今回の管理人制度発足を明るい話題(仕事が増える♪)と考えているのが業界の趨勢には思えます。都市部中心に費用負担力の高い案件に関与できるならそうだろうな、とは思います。僕も凡人だから。

ただ、価値の高い=費用負担力の高い案件だけ歓迎、とはいかないだろうと思っています。

幸か不幸か当事務所の注力分野の一つに山林・林業関連業務がありまして。ここは費用負担力が低い案件が多そうだ、とも思っています。

そうしたわけで、当事務所では以下の申立てで僕が管理人に選任された場合は当分のあいだ、報酬を辞退するようにします。

  • 所有者不明土地管理命令に基づく所有者不明土地管理人(民法264条の2)
  • 管理不全土地管理命令に基づく管理不全土地管理人(民法264条の9)

条件は『固定資産税課税上の評価額が100万以下の、現況が山林であること』『事例は僕の寄稿する林業雑誌および発行団体に提供・公開可能であること』の2点です。当然ながら事例共有に際しては立地や個人情報が判明しないようにします。辞退するのは管理人の報酬のみで、申立て書類の作成報酬、管理人選任後の管理に要する実費は必要です。

不在者財産管理人の場合は名古屋市の士業が隣県の管理人になる事例はあるため、たぶん東海地方なら選任の可能性があると考えます。

それと…前半で何かの業務を利権だなんてもう全然言ってませんが、保有財産が少ない=成年被後見人の費用負担力が低い成年後見案件で士業による成年後見人が決まりにくい実情はあると承知しています。

そういう意味で不利な案件ほど、わざわざ自分で志願する人が選任される可能性は逆に高いよな(笑)とも。

具体的には、事前に調整したうえで申立ての際に候補者として僕を出しておき(内諾および管理人報酬辞退の上申書をお出しします)、運がよければ裁判所が僕を採用してくれるだろう、ということになります。

この記事に終了の告知を出さない限りこの取扱を続けますので、関係者の方々にはご検討ください。

あと、事例を提供するのはイヤという普通の方には…まぁ普通の報酬設定で承りますよ。森林経営管理法秩序に乗っからないかたちで所有者不明山林をどうにかしたい県市町村森林組合NPO共有関係団体各担当者の皆さまにはご検討いただけるかと思います。

そうした報酬や申立て費用を森林環境譲与税でまかなってはいけないとは誰も言ってないので、特に市町村担当者さんがその気になればいろいろやりようはあると考えています。利権にならないようにします、もちろん(笑)

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