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原稿料は増えないが執筆字数は増やしたいWebライターの駆け引き

先月は初めてお取引いただく出版社から寄稿のご依頼がありました。林業関係の仕事です。

1文字あたりの金額に換算すると、クラウドソーシングに出ているようなどこの馬の骨ともしれない素人が執筆する相続案件の10~15倍、の報酬設定ではあります。

ただ、困った点がありました。
テーマA、テーマB、自己紹介という構成で書いてくれ、というご意向に比べて執筆文字数が少ないのです。

これがいつもの媒体ならテーマAで一ヶ月、テーマBでさらに一ヶ月、双方とも文字数過多につき自己紹介部分はカット(←わらうところ)、そういう展開なのに。

敵を知り己を知れば百戦殆からず、というわけではないのですが、まず見本誌を送ってもらいます。

検討の結果、自己紹介というご意向を拡大解釈して『当事務所がテーマABに関して取り組んだ事例紹介』に変更することは可、と判断しました。僕が何者であるか、というより僕がそのテーマに関連して何をできる人か、を書いたほうがよかろう、ということです。

で、その部分に編集者さんが関心を持ちそうな情報をそっと紛れ込ませ、指定文字数マイナス2%、設定締め切りマイナス2週間、そんな余裕を持たせて初稿を送ってみたのです。ここまでの投入作業時間で原稿料を除した額=つまり僕の時給、約2500円。

※商業誌の締め切りを徒過して編集者さんから督促を受けることを自慢する馬鹿者が法律業界にも林業界にも、たまにいます。
そんな奴はさっさと引退しちゃえばいい、そういう反社会的な行動が編集者のサービス残業を増やすのだ労働者の敵だそんな寄稿者はせめて芥川賞取ってからそういうわがままを言ってみせろ、とは思っています。

…という僕はとっても模範的な執筆者を演じて次回以降につなげ、決定的なタイミングでこっちから頼み事をする、というのが基本的な戦略です(苦笑)

※いま1件頼み事をしているところですが、応じてもらえなくても取引打ち切りにはしません。
と、見えるところに書いておきます

まぁ担当者さんには当然のように喜ばれるわけです。
想定通りかそれ以上のクオリティの原稿が締め切りの2週間以上前に入ってくるわけですから。

…これを当然のように受け取るような相手なら次回以降の発注には応じないのが妥当ですが、先月は『寄稿はしてくれ・原稿料は出さぬ』と真顔で言ってくる学者達の同人誌がありました。おそるべし林業界、と言わねばなりません。

で、担当者さんからいくつか質問を受けました。僕が拡大解釈して情報を増やした部分に。

釣れた♪などとは言いますまい。
ではありますが、補助者さまに初稿を見せたところ当該部分の周辺で担当者が感心を持つだろうと予測していました。
この予測にはたいへん満足しています。補助者さまが文章を吟味する能力は、相変わらず高いのです。

担当者さんには丁寧に回答します。情報を増やした部分に興味を持ってもらえるように。

このあたりまでで僕の時給が2千円を割ってきます。数日後。

連絡が入りました。当初発注文字数の3.5~5%ほどだが字数を増やせそうだ、ただし構成の都合で削られるかもしれない、と。

据え膳食わぬは寄稿者の恥、という言葉があったでしょうか。もちろん飛びつきます。

加筆する文案を整えて、連絡事項を付記します。

加筆に関しては方針CとDがあり今回はCを採りました/いただいたテーマに関連して、より有用なのはDのほうですが残念ながら制限字数にはおさまりません

と。このあたりで僕の時給は補助者さまのそれを下回ってきます。

で、数日後。

さらに当初発注字数の1%ほど増やせそうだ、だから方針Dのほうで書いてくれ、という連絡がありました。

もちろん飛びつきます(笑)

文字数の制限が厳しいこともあり、その部分だけで●時間以上かかる作業ではあります。
とはいえ頭の中で文章を練って文字数を数えていればよく、作業自体は遊歩道を歩きながらでもバスの中でもできてしまいます。

実際には先月の東北出張中、岩手県内のある景勝地から釜石への移動中にそういう仕事をしておりました。宿に着いたらエディタに入力し、テキストファイルをメールで送ります。

これがめでたく採用となりまして。
僕の時給は結局のところ、岩手県の最低賃金を下回ったようなのです(゚◇゚)ガーン

要するに余計な苦労を今回もするのであろう、というのがこの寄稿依頼に対する補助者さまの予想でありました。

これもまた、彼女の予想通りなのです。

数年に一度ぐらいはそういう予想をしたあと真顔で止めてみてほしいのです。
ですが大体は秋の行楽日和を告げる天気予報の口調で本職が苦労を背負い込む予想を述べられるので、僕もまぁいいか、と思っているところです。

担当者さんからは他にも何か執筆機会があるようなご連絡もありました。
ですが、まずは定期購読書店販売合計○万部というその媒体の実力(反響。より具体的には、読者からのご依頼の有無。切ない願いとしては、登記のご依頼の有無)を見て決めるつもりです。

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