何者かに間違われる現場(福島県:中通り山林調査 1日目)
お客さまが所有する林地と立木の状況を一通り確認しよう。
ただしその面積は100haを優に超える。
そんな調査の1日目。朝6時に夜行バスで東京駅につき、8時台のバスに乗り換えてさらに乗り換え、昼過ぎに現地に入りました。福島県内の天気予報で言うと西から会津/中通り/浜通りとあるうちの中通り、に分類されるどこか、です。
この日3筆目の土地を一言でいいますと
人んちの裏山
そんな立地にありました。それ自体には今回、なんの問題もないのです。別に隣地所有者と対立関係にあるわけではないし挙動のおかしい関係者がわざわざ僕の作業を見張ってるわけでもありません。平和な平和な、ただし面積が広い現場です。
どなたもそうだと思うのですが、林内で樹高を測るのは簡単ではありません。
…と書いたところで気づくのですが、士業やその受験生は木の高さを測ることは…ないか(苦笑)
誰がやるかはさておいてとにかく簡単ではない、という理由は全く簡単で、『見えないから』。林地内から上をみても葉っぱがぎっしり詰まってる(鬱閉してる)人工林では個々の木のてっぺんを見通せない、したがってレーザでも超音波でも目視で角度を取る昔の測高器でも測れないものは測れない、わけです。
そんな林内で中途半端に空が見えるところがあると、そのへんに生えてる木で樹高測れないか、という発想になり、作業者が時に創意工夫時に試行錯誤時に四苦八苦して…枝を払ったり器械を動かしたり風で葉っぱが揺れるタイミングに賭けたりしながら、まぁ測定を成功させたり失敗させたりするのです。
で、僕が頭上22mのところで揺れる葉っぱを呪ってるあいだに(測定にはレーザを使い、見通し距離上に隣の木の葉っぱがひっかかる状況)現地を案内してくださっているお客さまは足取り軽やかに下の畑に降りていき、当然ながらお知り合いのおばあさんとなごやかに話をしておられるのです。
…先に降りられると僕、林内のどこを歩いて降りていいかもわからない(道、などという贅沢なものはない。人が歩いた後にもできない)という問題はさておいて。数分かけましたが樹高が取れました。
そういえば山のなかで数日がかりの仕事は、九州での境界がらみの訴訟以来のこと。もう十年は経っています。
林学を修めて大学出たといっても信じてもらえないような足取りでようやく下の畑に降りると、畑仕事をしていたおばあさんがお客さまと僕になにか飲み物をくれたいご様子。
いえいえ当方、不審者として警察を呼ばれないだけでもう十分歓待されてる気分になれるのです(苦笑)
そんなお客さまとおばあさんの話題がこちらに向きまして。おばあさんが言うことには
『女の人じゃなかったの?』
はい、僕のことをそういうのです。もうネタでしかない(笑)
この時期僕の髪は少し長く(2ヶ月に一度床屋さんに行く周期で1ヶ月半経過)、測量担当者として歩くときのエチケットとしてこちらを敵視してこない人にはまず清く正しく明るく優しく(普段の自分にフタをして)振る舞うこととしております。林内に立ち入るときもそのようにご挨拶して通り過ぎたのが…
女性に見えたのだ、と(゜◇゜)ガーン
まぁとりあえず、全5日実施予定の山林調査の1日目はこの話題でよかろう、と思うのです。
写真は別の林地で、理想的な=林外からの樹高測定作業です。実際はもっと正確に、木のてっぺんを照準し風よ止まれと念じ、止まらなければ風か葉っぱに『止まれ止まれ止まらねば呪うぞ』と念を送る、そういう作業をします。するとだいたいは数分後に念が通じ、測定が成功する、と。
ここは周りに現れる人物が全員善人、という(僕にとっての→)超特殊現場です。警察呼ばれることも紛議調停で呼び出されることも懲戒請求を受けることもないのですが、これから何が起こるか楽しみでたまらない、わけです。
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