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儲からない仕事(と、出張)を続けられる予定

月末の月曜日の午前中。ヒマなのです。

もちろんここは社労士兼司法書士の事務所です。

登記や社会保険事務を主たる業務にせず、注力分野である裁判書類作成は昨晩できた文案をお客さまに送って検討待ち、月内に納品すべき事案はこの一件を残すのみ、新件は複数あるがゴールデンウィーク中にやればよい、というわけで。

月末の月曜日の午前中ではありますが、ヒマだと言ってみたいのです。

基本的にはヒマなのですが、依頼中のお客さまのなかには忙しい時期を避けてくださるらしい方もいて。
メールでそうしたお尋ねがありました。ええと6月中旬までの予定としましては

>多忙が見込まれる期間はないのですが名古屋市にいない期間は結構あります。
>会社のもめ事で関東、家族のもめ事で北陸、山ごもりで東北、甘夏もらったので四国、などの出張は予定していますがいずれも調整可能です。

Dsc_0336

書きかけてふと我に返り、2行目は削除して書き換えました。
ちなみに写真は、今回も旅費日当請求無しでの愛媛出張を決意させた甘夏、です。

上記メールのお尋ねをくださった方のご依頼は、今年の当事務所不動産登記依頼件数の10%を占めるであろうと予測しています。

リピーターさんとはいえ平和な世界からご依頼いただいた方をあまり惑わすようなことは書いてはならんな…
ブログのほうに書いとくか、ということで表題の件。

来月は1週間ほど、福島県で山林の調査をしてくるつもりです。当事務所に配備されている、嵐を呼ぶ機材(このレーザ測量器を投入する現場はなぜか揉める。作業者には悪意はない、というのが当事務所の公式見解)を投入して、今回は胸高直径を簡単にたくさん測ってこようかと。間伐が一通り入っている山が多そうなので、建築用の機材でもそう苦労はしないだろう、と考えています。

※我が国の歴史ではインパール作戦がこうした希望的推測で実施されたような気はしています

今回は悪意ある周辺人物と揉めるのではなく、自分の甘さと対峙する案件になるかもしれません(苦笑)

なんでそんなことやるの?というのは当然ブログのネタになります。個人所有の山林について、法人化を進めるご依頼を受けました。

この方が僕の著書を新本で買った、ということで遠方ながら読者サービスも発動されているのです。
さらに話しを聞くと、悪意ある周辺人物は全く現れない希少案件(←当事務所では)であるうえ、まぁちょっとした理想を実現できる可能性がある、ということで。

これはなるべくおカネをかけずにやってみよう、というのが大方針なのです。実費も司法書士報酬も含めて。

必要なおカネ、のうち最も問題なのは個人所有山林の法人化の場合、林地および立木を新設法人に移転等する際に発生する納税義務です。

いずれ紙媒体で発表できるよう依頼中なのですが、要約すると個人から新設法人への資産の移転を低額でおこなうことができず(市場価値が低いくせに面積だけは広い山林の場合、現物出資は非現実的)、値段をつけて売ったら売ったでその所得に課税される、とはいえ伐採して売却するのと違っておカネに換えるために山を売るわけじゃないからこの取引=新設法人への資産移転の取引当事者には担税力どころか収入そのものがない、だから個人所有山林の法人化なんか進まない、と書いた本が昭和時代にもう出てるのを国会図書館で発見した。その後この分野で有用な著述はない(失笑)

とまぁそんな実情があるわけです。きっと林野官僚も林政学者林業経済学者も林業家もほかの問題への対処で忙しかったのでしょう。このように多忙は未来を狭め社会を停滞させる害悪なのです(←冗談)

そんなわけで、今回のご依頼を受け、ヒマに飽かせて概算してみました。お客さまの規模の林地と立木の所有権をそれぞれ法人に移転する場合、譲渡所得&山林所得だけで納税額が2千万…

誰もやらんよそんなことは。税務相談する前に計算打ち切っていいよ

ということで別になんとかするわけですが、ここで山林の標本調査が関わってきます。
狙いとしては消極的で、齢級の割に胸高直径が細い=あまり山の状態がよくない=立木価格を高く評価できない、という調査記録を紙で残して確定日付でも貰っておこうか、それを添付した売買契約書など作って名目上の譲渡価格はできるだけ低めにとろう、関連登記の手続きを僕が受ける以上は契約書も僕が作れるわけだから

この一連作業は登記の依頼を受けた司法書士が可能な業務だ

ということにはなっているのです。
詭弁にも思えましたが、法的にはそのようになりました。

もう一点コンプライアンス面を含めた僕にとっての作業難易度を下げる要素として、この地区は地籍調査が済んでいるのです。つまり境界は復元可能なかたちで既知であり、ゆえに境界周辺での活動は回避して依頼人所有の林地内でのみ活動すればよく、したがって今回は怪しい司法書士がGPSレシーバとレーザ測距儀を担いで山林内を徘徊していても警察を呼ばれたり懲戒請求を受けることはない、と確信しているのです(苦笑)

だから日当を請求せずにやってみよう、交通費と宿泊費だけもらえれば今回はそれでいいや、というところに事務所経営上の問題は残るのです。

そう、この案件はやりがいはあるものの、儲けを優先すべきものではない…ようなのです。
そりゃ1週間現地調査やって1時間6千円総額40万円もらえりゃ僕は単純に嬉しいですが、そういう請求書をぶつけるとお客さまの依頼意思を喪失させかねません。ましてこの方は僕の著書を新本で買った山林所有者であり、僕が嫌悪するブラック企業な山旦那ではありません。

ここはなんとか名古屋発郡山往復の交通費宿泊費合計で総額5万円程度にできないかな、と。
当初見積額に対する減額調整率87%、というべきでしょうか。まぁそれはいいでしょう。

ここで身につく経験はたぶん10年後の当事務所の価値を上げるはずで、ならば今回は損さえしなけりゃいい、と思っています。

ただ、そうすると1週間働けない部分を他で補う必要がありまして。

月額最低30万円売り上げると補助者さまにお給料を払って僕も生きていける、ということにはなっています。
いま関与中の案件で向こう2ヶ月のうちに入金になるものをかき集めると…

53万円、と出ました。ゴールデンウィーク中に起案する新件の裁判事務2件を含めて。

7件あると望みたい登記のほうはもう増えないと諦めて。
裁判事務の新件はもう1件加わりそう。こちらは確実に。たぶん更に増える(笑)

以上のことから僕は6月末まで、将来の自分のためにやるような山林調査や誰が勝っても誰も幸福にならない紛争案件に関与を続けることができるはずです。単なる移動や現地滞在で1日数万円の日当をとったり新幹線相当額の交通費を最初から請求するようなことは、しなくてもよいだろうと思えるのです。

もちろん依頼と依頼人は選んでいますが…もし新たに加入されたい方がいらっしゃいましたら電話以外の手段でお問い合わせください。

要領の得ない電話はすぐに話しを切ってしまうのですが(悪癖と自覚していますが治りません)、労働紛争労働側(事情があれば経営側も可)、民事家事関係裁判書類作成(戦略的に間違ってる人には冷淡です)、山林関係登記相続(ブラックな山林企業家は相手にしません)、左記各分野に関連する現地調査文献調査には一応の知見を有しています。

上手い具合に、と言いましょうか。これから2ヶ月の出張範囲はほどよく広がっているのです。

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