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本年最終東京出張(12月13~15日で決まりました)

事業およびその経営、というものについて考えさせられるご依頼が並行して進んでいます。

概ね僕が好きな順に

  1. 僕にはちゃんとお金を払ってくれるが別のどこかに穴が開いている人。
  2. ひたすら真面目でひたすらまともな人。ゆえに儲からない人。
  3. 前項に該当するうえにタイミングや人脈に恵まれて順調な人。
  4. 高邁な理想と官庁批判は大好きだが僕をタダで使おうとする人(弟子)

事業経営上は底が抜けており僕をちゃんと使おうともしないが補助金貰うのは好きな人も今年はいました。
もちろん受託前にお引き取り願っているため上記のようになります。

上記4類型のうち僕が好きなのは実は第一類型です。難易度は高くなる反面やりがいと実務経験は増えることになり、僕が紛争解決上必要だと認めた出張その他の提案(つまり費用増加)は採用されやすいから。逆に3番目の類型の人は関与する意味が少ないといいましょうか、事務所の業務として独自性を発揮しにくいので簡単に事務所を乗り換えられてしまう可能性が高い、と僕は考えます。

※会社設立や抵当権抹消がそれにあたるんでしょうが…ああいうのをウェブで集める事務所の苦労は想像もつきません

地裁や高裁での職業代理人が勝訴判決を取って契約通りに委任事務をおえたあと、強制執行のご依頼だけ受けた際に補助者さまに愚痴ることがあるのです。

要するに彼らの活躍はウルトラマンと同じだ。勝ったが荒廃した街が残った、と。
一般人の懐具合を考慮すると、そう言わざるを得ません。僕自身はそうならないように気をつけてはいるものの、常にそうできているか自信はないところです。

一方で上記第一類型の事案は、特撮映画に例えるならば採石場跡地での決闘に似た面があります。
すでに荒れ果てた場所で思い切り戦えばよく、戦うことで発生する追加的破壊はあまり心配しなくていい、と。

ただし補助者さまから見ると…第一類型のお客さまは人として好きになれない部分がある、ということになるようなのですが。

※ソンナ方々ノオカゲデ貴女ノ賃金ハ払ワレテイルノダヨぐふふ、と申し添えてはおります。雇い主として。

補助者(さま)の評価は高くないですが僕はこの事案は気分よく受けてますので安心してください、とお客さまに言える程度には馴染んでいただいている経営者の方が東京にいるのです。当然ながら裁判書類作成案件。

前回の打ち合わせのとき、客室内で電話していたのが聞こえてしまいました。終話後に上目遣いで尋ねてみます。

「いまの電話、司法書士さんですよね?」

どうみても登記をやる打ち合わせのやりとりだったのです。
それも、僕がこのお客さまと8時間打ち合わせやって稼ぐ報酬を申請1件で稼ぎ出せるような登記の。

「あああああワタシという者がありながら儲かるご依頼だけは別の事務所に流すなんて、よよよよよ(嘘泣笑)」

人が泣くさまを『よよ』とする擬音語は平安時代には存在していたのだとか。
令和の御代に、しかも中年男性が嘘泣きで使っていいかどうかは議論の余地を残します。

まぁそういうスピードと確実性が求められる不動産登記を遠隔地のお客さまから受けてはいけないのは当然ですので上記発言はあくまでも笑える冗談だ、ということを申し添えます。

そうした案件で、あくまでも裁判書類作成業務での必要が発生したため、表題の件。
東京に出張することになりました。滞在地は荒れ果てた採石場跡ではなく浅草~上野、滞在期間は3分間ではなく12月13~15日の3日間です。

出張相談を追加費用なく行うのはちょっと難しいかもしれません。新幹線を使って時間を捻出したり16日以降に滞在を延長して引き受けることは検討できます。いずれにせよ5千円程度の費用増加が生じます。

本年最後の東京出張になりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

意図的にお金の話をします。僕(事務所所在地:愛知県名古屋市)にちょっと複雑な裁判書類作成を依頼し、事実関係を聴き取るために2泊3日で浅草付近(←都内では宿が安い地域)まで出張させる予算。

  • 交通費は高速バス利用 正規料金往復11000円。
  • ビジネスホテルツイン 2名2泊12000円。
  • 地下鉄等の行動費 2000円。

以上合計25000円です。
宿泊費は2名分なのですが、これは打ち合わせ時に自由に部屋を使うためで合宿まではやってません。冒頭の第4類型=弟子とは合宿をすることもありましたが費用は師匠負担、という恐ろしい展開になっています。

もし節操のない閲覧者がこのページを印刷して他事務所に持って行きこの料金で出張やれ、などと言ったら一瞬で受託回避が決まる程度には法外な設定ではあるはずです。

出張費としては安すぎるはずですが不当誘致ではない、とは信じています。
複雑な裁判書類作成の受託を争う市場は、東京にもないはずだから(苦笑)

あとは現地での打ち合わせに要する時間1時間あたり6000円で費用を積算します。事案を整理しきって準備書面を作る際には4ページまで3万円+1ページ増加ごとに6千円を加える、ということにしています。来年は社会情勢がよくなるぶん、宿泊費の部分が上がるはずです。

やりがいは感じていますので、移動時間に対する日当は請求しておりません。ただし同規模の出張を1回実施しました。

これが数年単位でとっちらかった事実関係とその痕跡たる文書やら表やら写真やら録音やらを掌握し、依頼人の陳述を聴き取り、他人(裁判官)が読める書類一式に仕上げるための手間と費用の例ではあります。

こういう費用の出し方をして報われるのは請求額合計数百万円超えの紛争だけです。本人訴訟でもこの領域に入れば、職業代理人を使う場合の費用と比べて半減以下に持ち込めますから。さりながらこの作業をせずに自滅していくらしい方も定期的に現れ、それはどうしようもありません。

この出費を躊躇無く受け入れてくれるのが、冒頭の第一類型のお客さまなのです。そこが大変よろしい。

自分の認識を第三者にわかりやすく説明する=読める書面をつくることは、そんなに一般的でも簡単でもないようです。
そこらに書き散らされている通販や飲食店紹介サイトのレビューを見ると、そう思えてなりません。

作業の前提として事実を適切に整理把握するのがもうムリ、という事案も多々あります。

そんな訴訟で依頼人を交えて丁寧に事案を聴き取ることを世の士業がどれだけやっているのか、そもそも怪しい面があります。
法廷で反対側の席に座った素人玄人の死屍累々ぶりを見てそう言わざるを得ません。

ですので、こういうことをしてこういうお金をいただいていますと明らかにしておくのはどうやら悪くないと感じているのです。

-補足-

 ここは基本的に労働者向けを標榜する事務所です。このため開所以来、労働者側には優遇的な報酬設定を維持しています。
 労働紛争労働側のご依頼にあっては、慰謝料など算定困難な損害賠償や付加金の請求がない案件に限り、上記のような打ち合わせは1時間3千円で実施しています。時間単価の部分はそのように読み替えて差し支えありません。

 ただし、打ち合わせ中に僕以外の司法書士に電話して、登記の依頼などはなさらないようおすすめします。
それがわかったら、とっさに平安時代風な嘘泣きなどするかも知れません(笑)

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