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一瞬でダメだとわかる請求の趣旨(ただし、職業代理人の作成によるもの)

先日した、ある地裁での書類閲覧でのこと。

同地裁、記録係の担当者さんは概して親切なんですが記録閲覧用のスペースは貧弱です。
その日は2㎡ほどの範囲に5人詰め込まれました。まさに密(苦笑)

肝心なその訴訟は和解条項から想像もつかなかったのですが、事件名が貸金返還請求事件となっておりました。原告被告双方とも職業代理人がついている事案、ですが。

訴状を見て目を疑いました。請求の趣旨がヘン、なのです。

1 被告は原告に対し、金●●●●万円およびこれに対する、訴状送達から相当期間を経過した日から支払い済みまで年6%の割合による金員を支払え。

こんなことが書いてありました。

僕が雇った人がこんな起案をやったら一瞬でクビ、といえるくらいには下手だと思っていただいてかまいません。これでは相当期間の経過日=遅延損害金の起算日がいつなんだかわかりません。

ただ、百歩譲って三舎を避けさらに平和維持軍の監視を受けつつ緩衝地帯を設けるくらいの譲歩をすれば、この訴状をつくった代理人の言いたいことは一応わかるのです。

請求の原因をつらつら眺めると、詐欺まがいの原告会社がしょうもない被告会社に対し、念書一つ残さずに貸付(と原告が強弁する資金移動)を繰り返したことはわかります。つまり、原告から被告に期限の定めのない貸付が繰り返されていたからそれを返してほしい、というのが訴状に書かれている内容ではあるのです。

こういう場合、確かに債権者からの請求を受けてから相当な期限の経過後に債務者による支払い義務が生じる、とはいうのです。

でも訴状にそう書いちゃダメで、極めて当然ながら訴状訂正の申立書が出ておりました。

訂正後

1 被告は原告に対し、金●●●●万円およびこれに対する、訴状送達の日の翌日から支払い済みまで年6%の割合による金員を支払え。

…ようやく世間並みの世界に戻ってきましたよ記載が。というより訂正前の訴状、最初から受理するなよ裁判所(憮然)

こういう場合、あらかじめお金の返還を催告して相当期間の経過ってやつを実現させておき、そのうえで訴状送達の日の翌日を遅延損害金の起算日にしておけば裁判所は送達報告の内容を反映させて遅延損害金の起算日を補完してくれます。ですので訂正後のような記載に最初からしておくのが素人向け書式見本でもわかるお約束、のはずなのに。

印紙代だけで十万円を大きく超えるこの訴状でこの低レベルな記載とその訂正は一体なんなんだろう、とがっかりさせられてしまいました。

まぁ、あとはこの代理人がいくら着手金をとったか下世話な関心を持っているところです。昔懐かし報酬額基準が健在だったころなら300万円は取れているところなんでしょうが、まずそれはあり得ないでしょうね。

成功報酬には興味ないのです。和解調書によると、ほぼ原告全面敗訴♪で訴訟は終結しています。

こうしてみると、この業界にもセカンドオピニオンの重要性は高まっていくのかもしれません。業界内の人が見れば一瞬で不可だとわかる訴状がふつうに流通しているのをみると、そう思わずにはいられないのです。

もう一つ、この出張中に見てしまったものがありまして。

こちらは守秘義務に服するため言えないのですが、結論から言うと僕は家族信託反対派になる…とまでは言わなくても、いわゆる家族信託(残念ながら民事信託も含むだろうとは思います)から生じる紛争に対処できる技量と情報を蓄積しておいたほうがよさそうだ、と思っています。あの世界からもそろそろ腐敗臭が漂ってきた、そう思わされました。まあ20年前の成年後見制度黎明期と同じようなものなのかもしれませんが、非商事の信託制度に群がる低レベルな有象無象の跳梁はそろそろ目に余るものがあります。

(委託者の財産を)絶対パクるだろ受託者、最初からそのつもりだろ、と思わずにはいられない…一瞬でダメだとわかる脱法信託やその準備構想も、やっぱりあるわけですよ。本人訴訟でなんとかするにはちょっとしんどいテーマですが、いわゆる家族信託®(商標登録済みであることを示すのは、当ブログでは皮肉です)に正面から取り組むより脱法家族信託問題対策室を主宰するほうがやりがいがありそうです。

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