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同じソフトが欲しいわけ(実は登記名義人調査に活躍中)

いよいよNTTが電話帳の発行を止めることになりまして、ちょっとした衝撃を受けています。

電話帳の発行が止まるということで、電話帳を元に作られているこのソフトの発行も止まるようです。

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システム・ビットの『ら~くらく電話帳』は全国の電話帳のデータを収録し、氏名から電話番号と住所の検索を可能とするソフトです。現在は2018年に出たVer.28が最終バージョンになっています。

同社ウェブサイトの製品紹介ページには、なぜか一番肝心なはずの『氏名から(電話番号なんかどうだっていいから!)住所が検索できる』機能の存在がわかりやすく書かれていないのは…個人情報に敏感な昨今の世情を反映したものなのでしょうか(苦笑)

世の電話帳の収録件数に応じてバージョンごとに徐々に収録件数を減らしてきたこのソフト、近年では収録件数3千万件を割り込んでいたはずです。僕のところにあるVer.20あたりまでが3千万件を維持していたかと。

僕がこのソフトに注目し、ヤフオクやらメルカリをウォッチして買いを入れだしたのは3年ほど前からです。最初にVer.10が、次に20と21が、今年に入って3が来て、21は転売して差益を若干稼いで導入費用の足しにした、そんな経緯をたどっております。

いちばん古いVer.3はWindows2000すら公式対応をうたっておりませんが(汗)このソフトを動かすためにWindows98seのシステムを維持するだけの価値はあります。2000年初頭に出たこのバージョンは順当に行くと1999年当時の電話帳データを収載しており、ちょうどその頃が我が国における固定電話の加入者数の絶頂期=契約数6千万件強、電話帳収録件数4千万件強などと言われておりました。

この時期の国勢調査で把握される世帯数とハローページ個人版の収録件数を比べると、僕のところには1999年時点で存在する世帯数の6~7割をカバーする世帯主の住所氏名(あ、ついでながら電話番号。別に興味ないですが)のデータがあって、それが検索可能になっているのではないか、と考えているのです。当然ながら通常は固定電話は各世帯に1回線=各世帯で一人しか収録されていないので、調査にはその特性を踏まえた工夫を要しますが。

ここで表題の件。
実は先日も、不明な登記名義人あるいはその相続人の調査を当事務所でできるのか、といった問い合わせがありました。今回は林業関係のお客さまです。

こうした業務では現地訪問=ご近所さん町内会長さんに調査対象者の消息を聞いてみる、という最も確実な手法を除けば(不動産価格も低いので課税データからも所有者の関係者がわからないという状況下で)

  • 死亡によりとっくに消除された住民票を請求し堂々とハズレを引く
  • 運がよければ登記上の住所が本籍地なので戸籍除籍の請求が成功する

これがやるべき作業の8割、それでダメなら諦めろ、みたいになっていますがちょっと芸がなさすぎる、と僕は思っていたのです。
当然ながら登記名義人の住所地の土地建物など他の不動産の登記情報を派手に請求して云々、といった普通の司法書士さんが机上でやることは全部やる前提で、さらにその斜め上を行ってみたいな、と常々思っておりました。

きっとそういう技能や装備が必要な時代がくるだろうから、というのは戸籍の電子化で電子化前の改製原付票が片っ端から捨てられだした平成中期から思っていたのです。

電話帳データを元にした同様類似の有料サービスはネットにも公開されています。しかしながら検索性に加えて運営者の合法性にも相当な難がある(犯罪とはいえないが民事上の不法行為が成立しないとは言い切れない=著作権個人情報回りの問題はぎりぎりパスしているとしても、プライバシーは蹂躙している)、近づかないほうがいい、ということで僕は『スタンドアロンで運用されて完全に合法な昔のソフトをゆっくり探し、見つけたら買いを入れ、ある程度整ったところで保有状況をアピールする(←いまようやく、ここ)』という策をとることにしました。

運がよければ、ではありますが戦前戦後(1940~50年)に不動産を取得相続された人については、ちょっと長生きしていてくれれば2000年の電話帳データに引っかかってきます。不動産取得時30歳として、その後50年ほど生きていてくれればよいわけですから。残念ながらCDに電話帳データを積んでPCで検索できるようにしよう、というソフトが出だしたのが1990年代後半なので、これ以上大きく遡るのはムリ、な状況なのです。まぁ労力勝負と割り切って国会図書館にこもり、紙の電話帳を探すということもやるときにはやりますが。

このソフトの素敵なところとして、同一市町村内あるいは県内にいる候補者を名字だけ・名前の一部などで検索し、相続人である可能性が極めて高い人をいきなりヒットさせる、ということもできたりします。親が似たような名前を子供につけてくれていると、もう嬉しくてたまりません(笑)珍しい氏名なら他県に移っても楽勝で捕捉できます。

こうした『住所の一部・氏名の一部・それらの組み合わせ』で登記名義人を検索できる機能は、戸籍や住民票、登記の制度には存在しないのです。正確には、当該業務を扱う役所の外にいる民間人には開放されていません。当然ながら公的に=国土交通省さんあたりが公開している所有者不明土地の探索フローチャートにも出てこない。ら~くらく電話帳はこの機能を置きかえるほか、『過去の世帯主のデータを探す』というものでもあります。この点は現在の住基ネットのデータとも違う特徴、ということになるでしょうか。

僕のところでは登記名義人の探索でこの電話帳ソフトが結構な活躍を見せているほか、会社の役員を氏名で検索できるサービスとして東京商工リサーチのTsr-Van2と登記簿図書館、不動産登記の甲区の記載を住所・氏名で検索できるサービスとして登記簿図書館(運営会社名も登記簿図書館)を用いています。

こうした調査能力を巡って誰かと競うことは難しいためあくまでも推測ではあるのですが、これらの…補完的なはずなのに実は主力として機能するサービスのおかげで特に戦後の登記名義人については他事務所より若干優れた探索能力を持てているはずです。たまに回ってくる、他事務所で調査不能を言い渡されてきた案件を見ているとそう思えます。

当事務所では、ご依頼の趣旨から依頼人が調査対象者の戸籍を請求可能ならば戸籍等の職務上請求をおこなうほか、それができなくても上記のサービスを組み合わせて行けるところまでは行く、そうした調査もしています。基本的には机上調査なので、全国からのご依頼に対応します。

欲を言えばもう一年遡れる、ら~くらく電話帳のVer.1が中古市場に出たら買いたいものだ、と思っているところ。もう数十万件か、保有できる世帯データが増えるはずなのです。

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