創業18年にふさわしいめでたい話題(としての、売買登記)
年に1度もらえればもうそれで十分で、もしあったならば自分がホンモノの司法書士であることが確認できる素敵なご依頼。
商業登記と、不動産登記では売買を登記原因とする所有権移転登記がこれにあたります。正確には売買のうち、不動産業者が関与するもの。
登記がお好きな同業者さんには理解不能な世界の話しであることは自覚していますが、まぁお聞きください。この事務所は地裁通常訴訟の裁判書類作成のほうが売買による所有権移転登記より受託件数が多いのです。
さて表題の件。慶事というべきであります。今年も売買による所有権移転登記のご依頼をお受けすることができました。
決済の現場が北関東なんですが
あ、結局のところ大部分の同業者さんには理解不能な話しが続きます。自分でもわけがわからん、という気もしているのです。
お客さまからは許可をいただいたので少し詳しく説明します。この方も別件で多数回の有料・出張相談があったリピーターのお客さま、関東在住の方です。
これまで相談を受けていた問題の続きとして不動産を取得することになったがそっちで登記をやってくれないか、というお話しはあったのですがそれで地元の同業者さんより安くやるのは当然ムリ!な状況です。
そりゃそうだ。南関東の人が北関東の不動産買うのに名古屋から司法書士を呼ぶのは僕でもどうかと思う(笑)
本件、地元で完結するならごく普通に美味しい依頼です。
不動産屋さんに行って所有権移転のみの立会やってこい、売主の素性は確かで買い主は数年来の顧客だ、というのだから。
ただ、450km離れたところから僕を呼ぼうとするから話しが普通じゃなくなる、というだけなのです。
たとえば、価格500万円弱で立会を伴う不動産2個(土地1筆建物1個とか)の所有権移転で抵当権設定抹消あるいは名変といった関連事件がない場合、北関東では堂々とお金をもらっていい相場はいくらぐらいなんでしょう?おそらく4~5万円ではないか、とは推測します。
でもって本件、僕は税込み66000円で受託を決定しました。当然ながら日当交通費込みで。
※以後、説例としては不動産2個を仮定します
場所は東北本線大宮-小山間のどこか、としましょうか。仮に小山として(実際は違います)、当事務所の正規料金を計算するとこうなります。
- 交通費 29980円(名古屋-東京-小山で新幹線普通車指定席利用)
- 日当 27000円 (上記行程による行動時間 計9時間)
- 所有権移転登記申請書作成 22000円
- 登記申請代理 3000円
- 決済立会 10000円 (当事者2名 うち1名について面識無し)
以上、消費税を無視しても91980円ですから税込みだと10万円、ということにはなります。これを
- 交通費予算 9000円(往路は名古屋-新宿をバス利用とし5000円、復路は青春18きっぷ+普通列車グリーン車により4000円)
- 前泊の宿泊費 5000円(だって日帰りできないんですもの)
- 所有権移転登記申請書作成 22000円
- 登記申請代理 3000円
- 決済立会 10000円
あとは厳密に現地での当日ぶんのみ、4時間弱の日当を計上すると税込み66000円にはなろうか、と思っているところです。
決して有り難いご依頼ではないぞ、と言えるだけの信頼関係は構築されているはず…です。もう言っちゃいましたが。
少なくとも今回のお客さまは、自分の権利だけを振りかざしたりカネ出す奴が神様だなどという態度を取ることがこれまでなかった方なので、受けると腹をくくったら喜んでいられるタイプの案件になりました。
…受けるまでは頭を抱えましたが(苦笑)
そういえば3年ほど前、名古屋から長野県内(伊那や木曽でなく、長野より遠いところ)まで泊まりがけで出張して所有権移転登記をやって交通費込み6万円、というご依頼がありました。そのときにはなんと、地元の同業者さんから一発15万円の見積もりを出されたとお客さまから聞きましたが…
今回そういう見積もりが出ていてくれれば、なんて思ったりはしません。ええしませんとも。
相談あるいは別件のご依頼等で面識がある方、あるいは最近ときどきお問い合わせがある山林関係のちゃんとした承継目的での所有権移転登記のご依頼にあっては今後も交通費日当の調整を試みたいと考えているところです。
ちなみに当事務所の登記関係出張最遠距離記録は、まだ当ブログが始まる前の2005年夏の石垣島日帰りというのがありました。このときには日当の請求が全額落っこちています。まだ忘れられない(笑)
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