『修理とは気高い行為です』
アメリカ人って時々妙に凄い理想をぶち上げようとするよな、と少々苦笑させられました。
…そういえば来週はそんな法律の施行記念日。交戦権を否認したら平和でいられると信じた国家とブログで紛争の相手を敵と言った構成員に注意勧告を喰らわす業界団体は、なるほど考え方が似ている気もします。
どちらにも敬意を払っていますよ考え方にはねー( ̄~ ̄)
今日のお話は政治ではありません。関係者の皆さまにちょっとした家電品修理設定購入支援等のサービスを提供している当事務所電気部=すずき電器店では今回、iPhoneの修理を検討することになったのです。僕のものではありません。
聞けばそのiPhone、平常通り用いられてきたが充電ができない起動もしない強制的な再起動も当然しない、と。
おそらく電源周りの回路が死んだのだろう、ディスプレイのガラスが割れたジャンクなiPhoneを入手して基盤を移植すればよみがえるのではないか、そう思っていろいろなウェブサイトを見て回るうち、異常なまでに正確精密な分解マニュアルをアップしているサイトに行き着きました。
そこは…ある意味で過激な革命思想の持ち主たちの巣窟だったのです。表題の件。
iFixitなるそのサイトと会社は、世のあらゆるデバイスを自分で直せる権利を取り戻す活動をしておられる…のだとか。凄いねアメリカ人。
でもそういうの、
大好きなんですけど。
36ポイントの大きさ指定で言ってみました。
このサイトを読む限りでは主張に反論の余地がないといいましょうか、どこかの一国に交戦権と軍隊を捨てさせる以上のインパクトを世界に与えようとしているようには思われました。確かに、iPhoneから車まで自分が持ってる工業製品を自分で直せれば資源の浪費も環境の破壊も減るんですが…
そもそもアップルってアメリカの会社でしょ。その会社が特殊なネジで分解の妨害を図ってるんでしょ(苦笑)
このダブルスタンダードがいかにもアメリカ的でいいな、と思えます。これを多様さと解するなら、いっそ羨ましいと言っていい。
このウェブサイト所載の分解・修理マニュアルを検討したところ、今回ご依頼を受けたiPhoneは多分ロジックボードを交換すれば使用はできるものの…それをやったら結局、本体に実装されたメモリにあるはずの個人情報も故障済みのロジックボードと共に失われてしまうように思えました。ご依頼の趣旨として、iPhoneを使えるようにしたいのではなくスマホの故障で内部に拘束されてる個人データを削除したい、ということですので今回の目的には適合しません。個人的にやってはみたい、と思うことは思うのですが、実は他にも使えなくなったガラケーを6台ほどお預かりしていて、これらは個人情報を数百件から一千件ほど上書きしたうえで売れるなら売ってしまえ、ということになっています。
そうした事務もあるので今回は修理に踏み切れないのですが、とにかく非常に読み応えのあるウェブサイトを見つけることができました。できれば僕も、修理方法や修理部品の独占、資源浪費や環境破壊を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において名誉ある地位を占めたい…とは言えないまでもよき構成員の一人でありたい、そう思うところです。
※一応説明しますが、少しだけ日本国憲法の前文を引用しています。実情に合ってないだけで理想には敬意を払ってますから、僕も。
マニフェストがまた素敵なほど仰々しいのですが、敬意を表して掲げます。翻訳が一箇所間違ってるのはご愛敬、でしょう。
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