大寒の師弟合宿1泊1日(肴は契約書のたたき)
先日のこと。名古屋を夕方出て奈良県で1泊するシンプルな出張を設定しました。近鉄特急が大和八木に着くころ、金剛山地に日も沈みます。
愛媛県からは弟子が、愛知県からは僕が、そして県内からは発注側の担当者さんが集まりました。契約書を作ろう、という用事を弟子が持ってきたのです。知らない人が作った叩き台の書式は一応あるので僕があらかじめよくたたいておき、それを酒の肴にして飲もうか、ということで。
担当者さんによれば僕と弟子との関係がよくわからない、ということなのですがそれはそういうものなのだ慣れてくれ、ということで押し切ります。あくまでも僕が師匠で弟子が弟子。
見かけと社会的カタログスペックから導かれる判断は逆なはずですが、とにかくそうなっているのです。
僕の認識では本件、不肖の弟子に対する支援として稼いだ分だけ使ってしまう仕事になる=交通費相当額を払ってもらえりゃそれでOKなつもりでいたのですが、聞けばなにやら作業量と予算規模が増大しています。
あらかじめ提示しておいた報酬額をあっさり無視された気はするのですが、とりあえず当事務所はこの仕事で越冬確定、にはなるのです。僕の黒歴史にはならずに終われそうなプロジェクトだ、という見通しも立って少しは安心したものの、応諾した瞬間にどこかに引っ張り込まれた感じはしました。まぁ最初から最後まで完全にリモートで対応しろ、と言われたらこっちもリモートでできる最小限の作業に留めて撤収するつもりではいたので…わざわざお越しいただいた担当者様にはよかったですね、ということにしましょうか。
理想家肌の研究者と物騒な想定ばかり好きな士業に挟まれて、担当者様には妙な苦労を背負い込まれた気もするのですが、それでも作業をお引き受けになったことには敬意を表してやみません(遠い目)
会合そのものが18時過ぎから開始ということもあり、担当者さんとの会合終了後も弟子と僕は大和八木で合宿です。3年前の奈良師弟合宿に続いてこの街にも、安くて風情があり時節柄空いている宿がありました。今回選んだ1泊1名3千円台全3室のゲストハウスは母屋に2部屋、離れに1部屋という構成で、我々が選んだ母屋のほうには当日ほかに宿泊者がいない、とのこと。その気になれば貸し切って会議室に転用できそうな気もしています。
そのゲストハウスを選定した理由は事実上の感染対策と安さのほかにもあります。その古民家をリノベーションしてゲストハウスにするプロジェクトを始めた方が建築士だ、というのです。士業プラス何か、という業態はあり得るのかという点で、僕にも見たいところがありました。
母屋には他に宿泊者がいないので、弟子に絡まれながら飲酒を続けても誰にも迷惑がかかりません。彼の活動をいろいろ聞かされましたが、とりあえず本件以外の活動については関与するか否かは一切未定、としておきます。大規模所有者&富裕層対象の活動についてはこっちも作業時間あたり単価1万2千円以上提示をしてやろう、という程度には僕も強欲です。
-その弟子って人を経由すると何かの優待サービスがあるんじゃないかと思われた方?その認識は半分だけ正しく、上記のとおり僕は山旦那に興味がありません/弟子が誰であるかも、知らない人には開示しません-
同室異夢(←同床、ではありません)の師弟合宿を終えて、朝。
大和八木には古くからの町並みが残っているのを今まで知りませんでした。散歩を兼ねて大和八木の駅へ、遠回りして歩きます。
駅にたどり着けば9時15分発新宮行きの特急バスが出る…ということでちょっと心が動いたのですが、かろうじて理性が勝ちました。
林業関係者の方が当事務所にご依頼や相談を持ち込むには大きく分けて3つのルート+1ルートが機能しています。
1.林政担当公務員の方が全国林業改良普及協会に問い合わせてしまうルート。
昨年の『みえ森林・林業アカデミー』の講師の仕事がこれにあたります。清く正しく美しいルートはここだけでして、同協会が依頼経路になった場合は僕、わりとお行儀よく誠実に振る舞っております。逆に言うと、僕が持っている綺麗じゃないが重要な部分はあまり見えにくいルートです。
2.弟子経由。飲酒必須です。
僕が持っている綺麗じゃないが重要な部分が最初から見られるルートですが、安易にリモートで関与してくれ、とか言うとブログで皮肉られたりすることがあります。検討すべき契約書条文を提示された瞬間にこれは無意味だ、などと弟子には口走っていたり(弟子は弟子でその契約書案を『ボロ』と応じていたり)しますので、このルートの活用には多少の鈍さ、または強靱なご意志が必要です。あと酒も。
うまくお酒を飲ませてしまえば弟子と僕の関与が同時に得られて気チ●イに刃物、いえ鬼に金棒かもしれません。
3.当事務所ウェブサイト直接。
これがホテルの予約なら公式サイトが一番確実、となるのですがそうではありません。紹介がないため、執務状況によっていきなり依頼を断ることがあります。僕が忙しいときに電話をなさると不運な目に遭うかもしれません。送信フォームからのお問い合わせが比較的安全です。
そうではあっても三十代四十代のひとが適当にでっちあげたコンサル会社からの問い合わせなどで時々あるのですが、下調べが不十分だったり送信フォームに書かれている日本語が怪しいとみた場合には優しくお別れするようにしています。
僕からみたお客さまの素性がわからない関係で、しばらくの間は普通の司法書士として振る舞い無理をしない可能性があります。
僕の著書を新本で買った、と言われた場合のみ、若干の便宜供与があるかもしれません。新本で買っていただくことが重要です。
○最後に、愛媛県南宇和郡愛南町限定。
この町にいらっしゃる大事な方からのご紹介がある場合、南予は名古屋とみなす、という旅行書士報酬規程付則が適用されます。交通費も日当も不要になりますが、出張頻度に依存して対応速度が若干落ちます。
それと、ご紹介をくださる方が昼食時からお酒を飲ませてくださる関係で、午後以降の面談では飲酒していたりするかもしれません。
※なぜか先日の師弟合宿では、この愛南町限定ルートに弟子が異常な興味を示しました。
『その愛南町方式(←と、弟子が勝手に命名した)は今回の関与先に適用できないのか』
などと言われたりもしましたが…現地にいてくださる方によほどの熱意と力量と周りの人からの信頼、さらには環境完備のワーキングスペースとお酒とお赤飯とブリ・カキ・カツオ等の海産物ならびに蜜柑(あ、後四者は要求として過剰です。自覚はしてます)がなければ無理、なはずです。でも奈良県には海がないんですよねー(嘆息)
まぁ社会的必要性は理解できます。設定を工夫して試行してみたい、とは思っています。
…上記を見て本当に一長一短だ、と思われた方?だからブログのネタになるんです(苦笑)
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