嵐を呼ぶ機材、なんよ(または、嵐を呼ぶ機材ふたたび)
当事務所の活動でもとりわけ揉める作業があります。
係争地周辺で行う測量活動です。
測量そのものが挑発の意味合いを帯びたり紛争を引き起こしたりすることは我が国近代史をひもとけば黒船来航や江華島事件の例を見いだすことができますが、当事務所の活動はそこまで帝国主義的ではありません。真面目にやっても警察呼ばれる/すでに警察呼んだか呼ばれたかした当事者間の現場においてあくまでも合法的に作業する、その程度です。相手方の認識がどうあれ、僕が狙って紛争を起こすことなど決してしておりません。
…だからさ、相手が無体なことやってくれたらかえってこっちが有利になっちゃうのにね、なんて思ってませんー(遠い目)
冗談はさておいて。
こうした作業を他の業者さんに発注するのは申し訳ないので(実情としては、特に地方で依頼先探しに苦労することが多いので(怒))今年から自前の測量機材の運用を開始しております。
現場で初めて使用した日に警察がやってきて作業停止になった(実情としては、お客さまではない方がお呼びになった警察官の方に敬意を表して自主的に作業を停め、その後再開した)、そうした機材があるのです。レーザ距離計と測角用架台を組み合わせて現地で現況測量図作成が可能なため係争地に立ち入る必要はないんですが、是非はどうあれ警察は通報を受けたら一度は現地に来てくれるようです。
そんな嵐を呼ぶ機材を使わないといけない事案なんだろうな、と思って相談に応じていた案件がありました。愛媛県で。
境界確定を求めているわけではないのですが土地の境界と地物の位置関係が問題になっている本人訴訟です。ただ、現地で示すべき境界と地形の関係が若干厄介で立ち入りが難しく、相手方は本件に関連して警察をお呼びになったことがある、そうした現場が南予にあります。
そんなわけで、表題の件。次の愛媛出張ではこの機材を出します。滞在日程も伸ばしたほうがよさそうです。
ちなみに、そうした作業をやっても費用増加は5万円を超えないこととしています。事前に相談による費用のお支払いがない場合にはもう少し増えますが、ある建物の周辺の現況を何カ所か捉えて作業が半日、作成提出する現況測量図が一点程度ということでしたらこれで十分です。
ただ、警察官の方への対応その他の支障による作業中断時間も含めたタイムチャージ制を取ることは当然ありますが。
一般的にこうした機材で何ができるかといいますと、三次元の任意の二点間の距離がわかりますので
- 越境した構造物とほかの構造物ならびに境界との位置関係
- 敷地内の未登記建物の形状と位置(表示登記ではなく、除却請求訴訟を想定)
- 土地の形状・面積や建物の推定床面積(外壁面が基準ですが)
- 樹高や樹冠の幅
こうした要素を測ったり図化したりできます。もちろん単純なレーザ距離計としても使います。
裁判手続きで想定する類型としては土地所有権確認、勝手に作られた建築物や越境物の除却(所有権等に基づく妨害排除請求)、境界線に近すぎる建築物の建築差し止め、越境した樹木の枝の剪除、未登記建物への強制執行などがあり得ます。
こうした案件に関する本人訴訟を中心に、場合によっては助力できますのでご興味のある方はお問い合わせください。交通費日当のお支払いがあれば日本全域に対応します。
現場に嵐がくるかもしれませんが、僕は呼んでません(遠い目)
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