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著書を読んで問い合わせをした、という案件への対応(の失敗)とその先の構想に関する件

  1. 人に勧められて本を書く。
  2. それなりに売れる。評判になる。
  3. そのうちに講演や仕事の依頼が入る。

よくある弱小零細個人事業主の妄想です。

これが妄想に過ぎないことは、自費出版詐欺を事業活動とする今はもうない出版社の労働紛争で知りました。僕の場合、初めての著書執筆の依頼を受けるよりもずっと前に(苦笑)

そんな僕が一昨年の春書いた本は、曲がりなりにも商業出版(かっぱえびせんミニサイズ一袋ぶん相当のお金/一冊が僕の印税)であります。もちろん本書いたからご依頼がはいる、などということはないという真理は僕にもしっかりと適用されておりました。2年半ほど無風な日々を過ごした、先週のこと。

-以下、守秘義務に反しない範囲で説明します-

ずいぶんと若い数字の市外局番から着信が入りました。聞けば某県庁の林業担当課の方だとおっしゃるのです。

冒頭、聞いたこともないような発言がありました。いえ、正確には一度も聞いたことがない発言があったのです。

僕の本を読んだのだが、山林所有者向けの講演会をやりにきてくれないか・講演後は個別の相談もやってほしい、と。

この提案を謹んでお受けするようならこんなブログ書いてない、というのはなじみの読者の方々が期待されるとおりです。

それなら地元の司法書士さんでも可能なはずですが、と脊髄反射で即答してしまったのです(わらうところ)

もしそちらへの依頼が本決まりになりましたら某県司法書士会社会事業担当部の先生にはせいぜい感謝していただくとして(きっと先方はどんな経路で依頼が転がり込んだか把握しないでしょうし、当事務所での受託可能性もまだ残ってますので)、お話を続けます。

発想には興味をひかれたのです。山林所有者を対象とする、相続その他事業承継/休眠担保権やら過去の相続やら共有関係整理やらに関する不動産登記/それらがこじれた場合の裁判事務等々の情報提供。あったほうがいいのは当然です。

ちょっとお時間もらってもいいですか、とその方の許可を得て。

僕も受けることはできるが交通費がもったいないではないか/個別の相談を一回だけやるのはよくある失敗を招くぞ/代替案があるとすれば(以下はヒミツ)/等々の助言を十数分してさしあげて(と思ってるのは僕だけで♪)いささか毒気を抜かれたようなお声を残して担当者さんは電話をお切りになりました。

…なんだか悪いことをしてしまった気がします(苦笑)

で、電話を切ったあとでしみじみと認識しなおしました。

10月26日月曜日に入電したこの問い合わせこそが、僕の著書を読んだことが依頼の動機になったという最初のものだったことに(愕然)

僕の本は出版から2年半で推定1800冊ほどが売れているはずです。本件出版の予定部数は2400冊。売り切ったら順当に絶版、のはずです。

さてそうすると。既出の1800冊は2年半かけて僕に1件の問い合わせをもたらしたとして(冴えないダイレクトメールでレスポンスがもらえる割合と見事なまでに一致している気がします)、仮に残り600冊が完売したとしても今後2年半で問い合わせがもう1件来る可能性は…

考えないほうが、幸せに暮らしていけそうです。

ご依頼にはつながらない(正確には、今回は、僕がご依頼への可能性を遠ざけた)僕の本は毎年秋になると、ちょっとしたさざ波を僕の周りに起こすようです。一昨年は幻冬舎系のウェブサイト担当者から転載希望の連絡があり、昨年は新聞社の担当者さんから取材の要請があり、それらの2件は無償の協力要請でしたが今年はこれがあった、と。

三度目の正直として応じてしまって、ハッピーエンドにしてもよかったかもしれません。その県の県庁所在地には安くて美味しいお店がいっぱいあります。

ですが。思い直したのです。

いま電話でしゃべったことは、執筆のネタになるではないか、と。


以下は、当ブログをお読みのごくごく少数の同業者さん=司法書士の皆さまにはちょっとまじめな話です。

森林環境譲与税、という新たなお金をばらまける、いえ財源にできるようになった関係で県市町村林業担当部署(あるいはその影響下にある森林組合コンサル会社NPOなどなど)が発注者になって、法律関係の情報を提供する催しを企画する可能性が出てきています。

僕のところでは県の林業研究所が設けた林業関係教育機関での講演(対象者は森林組合の方と県の地方事務所にいる林政担当者)、今回のように山林所有者への講演または相談会、あとは市町村の林政担当者を対象に相続・戸籍関係の研修(相続未登記問題を視野においています)、そういった話について、すでに受けた依頼/食いつけば依頼になった問い合わせ/コンサル会社からの誘惑/といったかたちでそういう企画案に触れる機会がありました。

これはおそらく向こう数年で全国的な動きになるはずで、僕は手前味噌ですが有利な立場にあります。林業白書を出してる林業関係の団体から本を出してる司法書士ってのが僕一人しかいない関係で、うっかり県市町村担当者がその団体に講師派遣等の問い合わせをするともう必ず僕が紹介されてしまう(苦笑)

※同じ雑誌には弁護士さんも寄稿するのですが、この方は一流の大先生で忙しすぎる、という難点があるのです

そちら経由の問い合わせは10年間独り占めを続ければ中古住宅の1軒も買えそうな気もする(土地はさておき家1軒分の国産杉材は買えるようになる)のですが、それではつまらないのです。

こうした依頼をする側の担当者さんたちを支援したうえで地元の司法書士会(法教育やら社会事業を担当する部門。登記ではないはず)へ引き渡せるといいだろう、と思っているのです。

で、僕が何を始めるかといいますと。

まずは、士業の人への依頼なんかしたことない県市町村林政担当者の方々を想定して弁護士会と司法書士会をほどほどに競合させて手玉に取る方法…いえ士業の側にある不都合な真実も少しはお伝えしたうえで、よりよい企画・発注の仕方を模索する手がかりになるような情報提供を開始しよう、ということで担当編集者さんと話がまとまりました。

せまーい分野のごく少数の読者を対象とするものではありますが、役に立つ人には役に立つでしょう。

もちろん上記の競合可能性は今後常にあるのですがこういう案件、弁護士なんかに持っていかれるのはあまりにも勿体ないよね、だったら他県の案件でも当事務所で貰っちゃおうよ、などと無駄に総合的俯瞰的な見地からのお話は補助者さまとも時折しておりまして。

ただ、相続登記は好きだけど裁判事務なんかやらない、というセンセイ方には触ってほしくないとも思っています。共有関係での今後の民法改正の見通しを考えると裁判所への定型的な申立は共有山林の整理をめぐって増えそうですし、それ以前に定型的な遺産分割調停申立書作成程度の案件を回避するような軟派な奴が関わっていい分野でもないでしょうから。

※去年は有名な林業地域からそんな案件が漂流してきたのを本当に受けたのですが(苦笑)

そんな思惑がありまして、僕がこれから林業雑誌でおこなう情報提供は司法書士会にも弁護士会にも辛いものになるはずです。

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