海港の上へ/空港の下へ 運転手も知らないらしいフリーきっぷで行くオススメできない高知漫歩
いろいろあって、ふっ切れました。久しぶりに旅先での馬鹿話をしましょうか。
先々週、愛媛へ出張したときのことです。小牧-高知間を航空機利用にしたため最後の滞在日は朝から高知周辺で過ごすことになりました。暇つぶしのために、とさでん交通のバス・路面電車一日乗車券2000円を購入します。小牧行きの夜の便は高知を20時前に出るため、このきっぷをまず乗車区間の北限=高知駅から1時間半かかる土佐郡土佐町田井まで行って帰ってきました。ここまでで14時。
別の話題。高知空港は四国最凶の不便な空港だと僕には思えてならないのです。といっても四国に定期航空路が就航する空港はあと3つしかありませんが。
高知空港が南国市にあることは徳島空港が板野郡松茂町にあるのと同じくらい、または東京ディズニーリゾートが浦安市にあるのと同じくらいに他県の人には知られていない事実でしょうが(苦笑)高松・松山・徳島・高知の4空港のうち高知空港に限っては11月現在、空港から立地自治体に行く公共交通機関がないというすっごい制限がかかっています。
路線としては1日2本あるのですが、それが絶賛運休中である、と。
いっぽうで高知空港から高知市にだけは、毎時2本程度の空港連絡バスが運行されています。ですが上記のとさでん交通バス・路面電車一日乗車券には、その空港連絡バスには乗車できないという制限がかかっています。
バスで空港行きたけりゃとにかく740円払え、まぁそういうことになっている…そうされてしまうと、逆に工夫してみたくなるものです。
さらに別の話題。
先ごろ数年ぶりにビジネスバッグを購入しました。重量が300gほど増加した代わりに3way、つまり背負える装備を導入しています。靴は一見ふつうの革靴ですが、いつも踏破性が高いウォーキングシューズしか使っていません。
そうしたわけで。
とさでん交通バスの路線網から高知龍馬空港に近いバス停を探し、そこから歩いて空港にアプローチすればよいではないか、と考えたのです。そうすれば空港連絡バスに740円まきあげられずに済みます。荷物は背負うことができ、足回りはいつも通りに徒歩移動に耐えられます。
調べた結果、それだけなら18時半頃そのバス停に着き30分ほど歩けばいい、とわかりました。余力があります。では明るいうちに…
海港の上へ:桂浜バス停→種崎バス停徒歩連絡(浦戸大橋経由)
桂浜にはまだ行ったことがありません。上記のバス路線図では黄緑色の路線バスが一系統だけ運行しており、ピンク色の系統は高知付近の名所を回るがやっぱりとさでん交通バス・路面電車一日乗車券では乗れないMy遊バス、とかいうバスです。
これも他県人があまり知らないことではあるのでしょうが、太平洋に面する桂浜は実は高知港につながる内湾=浦戸湾の入り口なのです。桂浜の反対側の半島にはやっぱり高知駅から一系統だけバス路線が来ており、その終点が種崎です。
二つの半島のあいだには海をまたぐ浦戸大橋がかかっていますが、これを走るバスは一日乗車券では乗れないMy遊バスである、と。
なんだかだんだん腹立たしくなってくるわけですよ、こういう設定されると。
調べたところ、浦戸大橋には狭い歩道がある、とのことでして。まずはこの区間を徒歩で連絡し、桂浜から種崎に出ることにしました。
行動開始からつまづきます。桂浜で運転手が乗車券を眺め、別のバスから他の運転手を呼び寄せなにやら詮議を始めました。
どうやら運転手、そのきっぷを見たことがないらしいのです。
自社で売ってる割引乗車券を(怒)
一分ほど拘束されて解放されましたが、追いかけるように「あんなの(乗車券)見たことない」という声が飛んできました。自社で売ってるきっぷを見たことない、それだけならまだしも利用者の前で平然とそう言える運転手、というのもなかなか余所では見かけないとは思うのですがね。
もっとも高知県にはさらにひどい路線バス会社があり、一日に5回乗車したうち通過/停車バス停の名称をちゃんと放送したバスに2回しか巡り会えなかった土佐サウスウェストトランスポート(仮名)という物騒なのが宿毛から中村あたりを走っています。社名はあくまでも仮名ですが、この物騒な会社が足摺岬・四万十川・柏島といった観光地もカバーしていたりします。
僕の知る限りこの会社が日本最悪で、このレベルになるとワンマンの認可を取り消されないのが不思議です。バスに放送設備があっても使って案内してないわけですから。
お話しを戻します。桂浜と龍馬像は見た瞬間にどうでもよくなり、さっさと地図に次の目的地をインプットしました。
歩道はほんとうに狭く、当然ながら渡ってくる歩行者自転車もいなかったため変わった場所からの浦戸湾の眺めを堪能しつつ、ひたすら歩いて40分余。種崎に着きました。
空港の下へ:下田村バス停-高知空港徒歩連絡
種崎は観光地とは全然関係ない、海辺の静かな集落です。
3人は入れるだろうバス待合室には身なりの悪い遍路が一人、息絶えたように動きません。
ここは浦戸湾を横断する県営渡船の発着場でもありますが、反対側の渡し場がバス停から遠かったので桂浜から無理矢理やってきました。
夕日が沈む種崎を17時05分に出て、知寄町二丁目で前浜車庫行きに乗り換えます。
実はこの時点で、どのバス停で降りたらいいかが未定です。バスには乗客がいなくなり、次の折り返しのバスは1時間後、すなわち飛行機の乗り遅れが確定する、と(苦笑)。
地図とバス停を見比べつつ、バスが東から南に進路を変えた下田村で降車ボタンを叩きました!こういうときにはスマートフォン、便利だと心から思います。
もしバス停案内放送をせずに突っ走るどこかの西南交通、いえサウスウェストトランスポート(仮称)だったら絶対できない利用法だと思うのですが、そもそも日本の圧倒的大部分の路線バス会社ではバス名を自動放送で案内します。こうした心配は通常せずに済むはずです。
下田村はとっても暗いバス停でした。ここから誰も来ない道をひたすら歩いて35分ほど、これまたスマートフォンの導くままに歩ききったのですが、これは暗いときにはやっちゃダメ、敢行するならライト必須です。
この経路は滑走路と交差していますが、これは滑走路の下をくぐるトンネルを利用することになっています。
明るい部分はここだけで、あとはひたすら田んぼです。特に空港北側は人家がない区間が続き、そのまま失踪してもきっとわかりません。さすがにこれは、夜はもうやりたくないところです(普通は昼でもやらないでしょうが)
この日の歩数は、スマートフォンによれば1万8千歩を記録しました。前の日までにお客さま宅でお腹いっぱいお赤飯をいただいてきたのですが、おかげでストレスも体重増加もなく=食べた分を消費するかたちで出張を終えることができたようです。
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