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言い訳多めな新サービスの告知(裁判所提出書類作成のための測量作業・現況実測平面図作成の受託について)

こんな本があります。僕はほかに、土地家屋調査士が主人公になる小説をあと一冊しか知りません。

主人公は独身男性の土地家屋調査士。依頼はもっぱら彼の人格識見によって誘致され、金融機関や不動産屋に媚びることもないばかりか登場人物としてほぼ描かれず、本職の測量作業は厳正を極め、必要があれば県外に出張して測量以外の事件も解決し、そんな主人公に思いを寄せる女性まで現れる…

そんな異世界転生モノのライトノベルです。

というのは冗談ですが、今となってはすっごいファンタジー(←もちろん軽蔑的表現)だ、ということはよく存じております。

それに対して今を去ること、二十年ちょっと前。それは僕がまだ、士業に夢も希望も持っていた平成時代初期のはなしです。

司法書士試験合格後、土地家屋調査士の事務所2箇所で補助者として働いていたときに見たのは、本職は不動産屋に使い捨てられるか地元信金とハウスメーカーのためならちょっとやそっとのあれやこれやを厭わず、

  • 境界立ち会いに出てみればエスロン巻尺で境界線の寸法を測ったふりして昭和50年代の地積測量図記載の数値を正確に暗唱させられたり(2cm以上違ってましたが、本職は何かのファンタジーを信じていたのでしょう)
  • いつも開放トラバースで作業してる(閉合なんかしたことねーよ。それどころか本職、測量現場にこねーよ!)のに土地調書にはいつも同じ閉合比が記載されている(どうやって計算したか知りませんが、本職は何かのファンタジーを信じていたのでしょう)

そんな事務所でありました。

そうしたことと、最終的にはそうした事務所を2箇所とも解雇されたこともありまして。

僕は土地家屋調査士兼行政書士の事務所2箇所で補助者をやったあと、社会保険労務士兼司法書士として開業する、という現在に至っております。今月で司法書士登録、16年になります。

さらに付け加えると、開業後は弁護士さんについては彼らの依頼人や依頼人だった人からの法律相談で、税理士さんについては彼らの従業員や従業員だった人からの労働相談で、それぞれ裏口からそーっと、彼らの実情を覗き見ながら現在に至っている…というわけで。

いっそ海事代理士と弁理士の事務所には、厳正な執務と妥当な報酬設定とホワイトな労働条件があるのかしらん(あと、ちょっと色っぽい展開も)などと妄想してみたりします。


なんだか自分が法律関係士業をやってるのが申し訳なくなってきましたが、表題の件。

測量自体は嫌いじゃない、というより好きな作業なのです。

正義はさておき真実を探求するのが好き、そのためには依頼人と対立することを厭わないし売り上げが減ってもいい(苦笑)そんな僕には向いている、と思ってもいます。

そうした僕がたまに受ける、不動産・境界関係の依頼で多大なストレスになっていたのが裁判に関わる測量作業を内製化できない点でした。

最低10万円通常20万円ひょっとしたら30万円、という見積もりが出てくるプロジェクトなのに僕のところで作業指揮できず、発注かけても本職が出てくるとは限らず、紛争案件だとわかった途端に何もかも放り出して撤退する、そうでなければ面倒ごとを僕に押しつけたあと手柄だけ持って行く(まぁ、これは1事例だけですが)、そうした問題がありました。

だったらいいよもう自分でやるから!

…上位互換な他士業の事務所に法律相談に行って請求の少額な案件の訴訟代理を拒否されてブチ切れてきた人の情景描写(←当事務所で裁判書類作成の依頼をお受けする主な経路の一つ)のような情熱と、去年はちょっと増えてしまった売り上げによって生じる利益をどこかに葬り去る必要とに迫られまして、まずは昨年末までに機材を購入しました。

その機材でできることとやっていいこと…法律上の制限と機材の特徴とオペレータとしての自分の能力を把握し実際に作業を終えて、次以降の受託態勢を整えたのが先月までのこと。

このほどようやく、現況測量と実測平面図作成の業務と費用を説明するページを作って公開を開始しました。

誤差は出るんだよ、という言い訳がページ後半に頻出しますが、それは誰がやってもどんな機材でも出るのです。

そうした限界はありますが、昔々の地積測量図記載の数値を現在の、しかも傾いた地面をエスロン製の巻尺で測って完全一致な測長を読み上げるなんて愚劣なパフォーマンスに過ぎず、1km先まで誤差1cm角度5秒刻みで測れる時価200万円のトータルステーションを振り回してるのに想定位置から30cm離れた境界杭をそのまま測って境界確認してしまうなんてただの背信だ(が、それぞれ依頼人の希望には応えてる…関係者の立場を蹂躙してるだけで)とわかってしまった人を何とか支援できるサービスになるだろう、とは思っています。

あとはもう少し穏便に、たとえば未登記建物を強制執行あるいは収去の請求の対象にしたい場合、不動産登記と同様な建物図面の添付を迫られるのですがこれは裁判所に出す書類ですので粛々と作ってあげたい。
次に現状有姿で田舎の更地を売っちゃう、といった場合に所有権移転登記受託のオマケとして現況を僕がさっと測ってあげるのもよかろう、そうしたことも考えております。

不動産に関する出張相談で、そもそも測量業者や弁護士への依頼(要するに十万円単位の出費)に適するかを迅速に安価に判定できるだろう、とも思います。この局面ではかなり活躍するはずです。これは売り上げにはならなさそうですが…出張が増えるならいいかな(笑)

とはいえこうした境界紛争でよくある、1mm単位で正確に測ってみせろという一般人の発想が実は非現実的でして、僕のところの機材と技法や調査士さんが使うトータルステーションでも、誤差の大小は違えど一定の誤差は出てしまう、僕が対処できる土地の広さや測れる長さに制限はある、ということをご理解いただけるような方からに限って受託しよう…

という、かなり無理筋な依頼の誘致を試みるページになってしまいました。

今回公開するページを見て依頼を決意する人が現れると期待する、というのも実はファンタジーなのかもしれません。

本職に思いを寄せてくれる女性と異世界から来たスライムと、どちらが先に依頼人として現れるか気長に試してみるとしましょう(苦笑)


時には仕事を紹介したいしお酒を一緒に飲みたいな、と思える土地家屋調査士さんが一人います。

この方に言い訳しますと、先生忙しすぎるから自分のところで機材を持つことにしました。
それに先生、争いごとお嫌いでしょー(イヤらしい人の目)

 

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