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司法書士が裁判所提出のために現況実測平面図を作っていい理由を考えたら、ちょっと妙な結論にたどり着いた件

先日おこなった測量作業で、少々考えさせられるものがありました。表題の件。

その測量作業とは違う例を設定します。隣接する土地所有者ABが関わる境界紛争で、Aが僕の依頼人。B所有の未登記建物が土地境界を越境しており、Aからは所有権に基づいてその越境部分の除却を求める訴状作成を準備する、そんな状況があるとしましょう。訴訟物の価額(侵害されている土地の面積)を算定したり除却したい建物を特定するために、現況を測量する必要があります。結果はもちろん、図面にして裁判所に提出します

繰り返しになりますがこの平面図は裁判所提出書類である、と。裁判所に出す書類は文字のみから成るものに限る、などという規定はないのでこう言わざるをえません。

では司法書士法ではない法律でこの作業が禁じられていないのか、考えてみます。現況をあるがままに片っ端から測る、という作業に法的判断は求められないので、請求額140万円超えの訴訟でもこの作業が弁護士法に違反することはないはずです。まして、依頼人が指した場所だけ測るなら依頼人が言ったことを整序して訴状をつくるのと同じ(むしろ、それより司法書士の裁量は狭い)ことになるでしょう。

次。土地家屋調査士さんはどうでしょう?

土地家屋調査士法はこの点明快でして、彼らの業務は不動産の表示登記の申請に関する作業に限定されています(境界ADRは裁判手続きではないので検討しません)。実は裁判所に出す図面の作成について、彼らとの競合を考える必要はありません。

残るのは測量法になります。ここで測量業務とそれをやっていい測量業者の要件が決められています。

同法3条で『この法律において「測量」とは、土地の測量をいい、地図の調製及び測量用写真の撮影を含むものとする。 』としていますので、土地を測って裁判所に出す作業は同法にいう測量に該当することはわかりました。

そうした測量のうち、国土地理院が行う基本測量(4条)、費用を国や自治体が出したりする公共測量(5条)には該当しません。

同法第6条で、『この法律において「基本測量及び公共測量以外の測量」とは、基本測量又は公共測量の測量成果を使用して実施する基本測量及び公共測量以外の測量(建物に関する測量その他の局地的測量又は小縮尺図の調製その他の高度の精度を必要としない測量で政令で定めるものを除く。)をいう。

これには該当しそうです。測量法上は、基本測量及び公共測量以外の測量、であると。

で、同法10条ではそうした測量を請け負う営業を測量業とし、同法55条では営業所に有資格者=測量士を置く義務や測量業者として登録を受ける義務を課しています。

当然ながら僕、測量士でも登録済み測量業者でもありません。

測量法のみから導かれる判断は以上なんですが、測量法施行令に同法第6条カッコ書き部分に関する定めがあります。

施行令1条4号ハによれば『面積が七平方キロメートル(北海道にあつては、十平方キロメートル)未満であり、かつ、基本測量又は公共測量によつて設けられた三角点、図根点、多角点又は水準点を二点以上使用しない地形測量又は平面測量 』は同法6条で規制を受ける基本測量及び公共測量以外の測量には該当しない、と。

したがいまして、測量面積がせいぜい100m四方に満たない現況実測平面図の作成(で、三角点等の成果を2点以上使用しないもの)は誰がやってもいい業務であるわけだから

提出先が裁判所になる場合には、平面図の作成は裁判書類作成として、堂々たる司法書士業務になる、と(^_^)v

ただ、ここで妙なことに気づきます。

もし…もし地図混乱区域まるごと民事調停にかけるとかいった理由で、面積7平方キロメートル以上の土地の平面図を作って裁判所に出す必要があるとしたらどうでしょう?

測量に関しては測量法が特別法である以上、裁判所にだすから弁護士や司法書士がそうした図面を作っていい、ということにはならないはずです。

…で、測量士が裁判所提出書類を作っていい、という規定はないわけだから。

これに対応できるのは測量業者でもある司法書士、とかそういう人だけになるのでしょうか。

まぁそんな大面積のご依頼がくるはずはないのですが。気をつけてはおきたいところでした。


宣伝です。上記検討のとおり民事調停・訴訟・仮処分申立等で裁判所に提出する現況実測平面図の作成は当事務所でお受けします。担当者は大学で測量士補登録可能な科目を履修済みであるほか、土地家屋調査士事務所の補助者として1年就労しています。

ついでに言うと、関係者が敵対的でも対象地内に立ち入る必要がない測量機材を有しており、多少の言いがかり・警察への通報・相手側弁護士からの警告文書の交付等々、には一応耐えられる経験もございます(苦笑)

こうした問題でお困りの方がいらっしゃいましたら、お問い合わせください。裁判書類作成のご依頼は全国から受け付けています。


2020.3.12.加筆

現況測量と実測平面図作成の業務と費用を説明するページを作って公開を開始しました。

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