前世紀の炊飯器と中華なサーモスタットで作る低温調理装置
補助者さまがひどいことを言うのです。
『(僕が)インターネットで買うものって、だいたい普通じゃないですよね』と。
先日のおやつの時間。僕がボルネードの中古サーキュレーターをメルカリで買ったあと(取得価格5500円)、音が大きすぎたため一通り分解整備後美品にしてヤフオクで売り払った(売却後手取り価格8500円)、そんな話をしただけなのに…ひどいと思いませんか?
メルカリで買ったが堂々と故障していたリコーのジェルジェットプリンタ(修理済)の異音が気になると言われたような言われなかったような気もするし、ヤフオクで3000円で新品廃番のワイシャツ12枚まとめて買ったあと4枚を1500円で売り払って取得価格1500円で8枚残した話はまだしてないんですが…
僕としては備品機材の購入は概ね適切に行っている、と認識しております。今月は半年余の計画を経て、これを買いました。
で、表題の件。低温調理でお肉を美味しく食べたいな、と昨年あたりからいろいろ調べていたのです。
お金に糸目をつけない方は2万円内外の機器がおすすめ、そうでなければよくわからないメーカーが1万円程度で同じような機能の品を出しています。
この棒が何をやってるかというと、お湯をはった鍋に突っ込んで所定の温度を保ちつつ湯を攪拌し、ビニル袋に入れた加熱対象物を一定温度に保って湯煎する、というだけのもの。調理法と対象物にもよりますが、湯の温度は60~80℃、加熱時間は30分から24時間、まぁそんな機材なのです。
言ってしまえば温度を測定しつつヒーターを制御できりゃそれでいい、なるべく安く…そうしたわけで。
大学進学時に、両親に買ってもらった炊飯器を押し入れから掘り出してきました。内釜のコーティングがひどく劣化し1992年製とのことで交換部品も当然ない、ということで廃棄処分寸前だったのですが、制御部分は健全です。
こいつの炊飯機能は当然100℃まで、保温なら70℃くらいまで、内釜に入れた湯の温度を上げることができます。
あとは制御部分を別に購入すればいい、ということで今回入手したのはKKmoonのサーモスタット、1999円です。お値段もさることながら、きっと分解できるに違いない、といった裏蓋のたたずまいが気に入りました。
実は本品、コンセントの形状が中国用です。これを補うために海外旅行用のアダプタを同時購入するようamazonではレコメンドされていますが、僕は購入前からバラす気満々です。
大学進学時に、両親に買ってもらったオーブントースターがあります。金属部に腐食が出ているため廃棄処分確定だったんですが、125V12Aまで流せる電源コードが使われています。このコードを機器側の根元で切って被覆を剥き、コードとプラグを交換してしまうつもりです。
とはいえ。
このサーモスタット、レビューを見ると初期不良がありそうな製品です。分解して基盤から電源ケーブルを外す前に、かんたんに動作試験を試みました。交換前のプラグに、交換予定のコードの銅線をぐるっと巻き付けて絶縁を(面倒なんで片方だけ!)してプローブを握ったところ、室温28℃から体温36℃へとデジタル表示が変化し、30℃の設定温度を通過してリレーの作動音がしました。
テスターで交流電圧の変化をみたところ、問題なくAC100Vの出力を制御できています。
じゃ、分解だ(笑)
予想も期待もしたとおりに殻割りは簡単でした。裏のネジを4つ外して、本体側面に4カ所隠れているかみ合わせを丁寧に外すか乱暴に壊すかすれば外れます。注意する必要があるのは、基盤は裏蓋に固定されており、表側のカバーにはコンセントがあって基盤とは出力ケーブルでつながっているため、力まかせにカバーを開けるとケーブルとコンセントの電極を接続している半田付け部分を破壊するかもしれません。
ハンダを溶かして電源ケーブルを外し、用意していた日本仕様コンセントのケーブルをつないでハンダ付けするには特に難しいことはありません。
本品で重要なこととして、温度検知用のプローブと基盤はコネクタで接続されています。つまり、プローブが壊れたらamazonで新しい汎用品を買って接続/交換できます。素晴らしい♪
-そういえば、以前壊れたトラックボールを直すためにマイクロスイッチをamazonで買い、補助者さまにも手伝ってもらって交換したことがありましたが…それも適切な選択に基づく普通のお買い物だったと認識しています-
ケーブルを交換したサーモスタットは完全に日本仕様になりました。少々太いコードに交換した関係で、上の写真のような加工は必要になりましたがそれはさておいて。
本体に装備されたコンセントに炊飯器のプラグを接続し、温度を例えば60℃に設定して最初は炊飯モードで起動すると、水温がするすると上昇して設定温度到達→電源断、となります。
その後しばらく温度上昇が続きます(汗)
ヒータは加熱されてしまっているため、その余熱で。最高で設定温度60℃のところ、65.5℃までオーバーシュートしたのを見ましたがこのくらいなら運用でカバーできます。温度も実は1℃強、ずれてはいるようです。これもわかっていれば、運用でカバーできます。
あとは気づいたタイミングで炊飯モードから保温モードに切り替えてやれば、温度を大きくさせずに設定温度±1℃程度を保って20時間連続運転できることを確認しました。
通常運転時の本機の運用はとてもかんたんで、内釜に水か湯を入れ、ポリ袋に加熱対象物と必要なら調味料を入れて水没させ、内蓋の穴(もともとは外ぶたと接続するゴム製部品があった)に通してやり、同じ穴に温度検知用プローブへのケーブルも通してスイッチON、とするだけです。
今日のお昼は居酒屋に出してお金が取れそうな加熱対象物…いえ、ローストポークと豚の角煮をいただくことができました。明日は鶏胸肉を試してみようと思っています。絶対美味しいはずです。
-肝心なことなんですが、低温調理そのものは凄く優れた調理法なんです。ウチの機材が怪しいだけで-
この低温調理装置、スイッチが機械式(保温状態でコンセントを抜いてもリセットされない)の炊飯器をお持ちの方なら、あとはamazonでサーモスタットを買えば炊飯器は無改造で導入できます。anovaやboniq、その他の鍋に入れる方式の低温調理器はふつうの鍋で運用する関係上、水面や鍋からどんどん熱が失われる→再加熱する、という作業を繰り返さねばなりません。
これに対して炊飯器は内釜・内蓋と筐体とのあいだに空気の層がありますので保温効果があり、電源切って1時間放置しても7~8℃しか湯温が下がらないのです。
つまり。実は炊飯器転用型の低温調理装置のほうがエコだ、電気代もかからない、ということができるわけで、僕にとっては適切な選択で普通なお買い物をした、と思えるわけです。補助者さまにもこの点をよくお伝えしようと考えております。
利点をもう一つ。このサーモスタットはほかの熱源の制御にも当然使えます。
大学進学時に実家からもらってきた電気ポット(保温機能どころかスイッチすら無く、コンセントにつないだ時点で電源ケーブルに直結したヒーターを加熱するだけの空だき厳禁なポット)が押し入れを出て待機しています。
このサーモスタットを使って設定温度65℃でお湯を作れば、僕は保温機能のある電気ポットを入手でき、お客さまに美味しい緑茶が出せるはずなのです。
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