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Hello Worldの日

今日は仕事のはなしです。登記について、気になっているサービスがあるのです。

昨年時点で商業登記の申請書と添付書類一式を自動で作成する(サービス運営企業は司法書士ではなく、利用者が勝手に入力したデータをお清書しているだけだから司法書士法に違反しないと主張し、法務省も一部の照会に対してはこれにそう見解を出している)サービスはいくつか存在しており、僕も覗き見用にアカウントを持っていたりします。

ただ、そのうちの一つのサービスで固定的に作成される定款はもうほんとうに固定的な内容。定款自治もなにもあったもんじゃない、ということが年間商業登記申請件数5件を超えたことがない僕にもわかる定型的な内容です。

実は先月、電子定款の認証代行だけそのサービスを経由して発注したのですが、費用は2160円とのことでした。その値段で定款の電子化だけやって暮らす○○書士さんってどんな気持ちなんだろう…コンビニでレジを打つほうがまだ変化に富んだ仕事だと思います。

相続登記についても今春から、こうした登記申請書作成サービスが出てきています。

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覗き見用にアカウントを持ちました。有料での利用はしません(笑)

こちらもまぁ、サービス提供者は『どうせ素人が勝手に入力した内容でPDFを吐き出すだけだ』と言って法違反を免れてるわけですが、PPC広告を見ると相続登記の依頼報酬が10万かかるとか、申請をオンラインでとか、実態と一致しないふざけたことを抜かしています。

サービス利用前からはじまる、こうした誇大さ浅薄さ適当さ加減が、いかにもウェブの人=閲覧者を釣ってページビュー増やそう、うまくいかなければ閉鎖して逃げよう、って感じで凄くイヤなのです。

そういう会社なら潰れてしまってもいいよな、どうせ儲けを追求するためにサービス作っただけなんだし。

ということで。結論が飛躍するかもしれませんが。

こうしたサービスは各事務所のウェブサイトで保有すればよい…より理想的には業界団体のサイトで維持管理公開されたらいいのに、無料で、と僕は思っているのです。

どうせこうしたサービス、個別に生えてくるのを潰しきることはもうできません。僕たちの業界は昭和50年代の国鉄みたいなもんで、公益性を主張しつつ発足当初のサービスだけ提供して=鉄道だけ運転してても飛行機と高速バスにシェアを削られるだけ、そうした状況です。

ただ、皮相的なコスパ(という表現が僕は嫌いです)にとらわれて自由競争を放置した結果、今世紀に入ってからあっちこっちの脱法ツアーバスの居眠り運転で人が死ぬようになりました。

登記をいくらミスっても人死にが出ることはないですが、上記のサービスを見ていると利用者のレベルの低さを役所の作業で補わせようとしている気がします。つまりこれは、外部不経済を発生させる未熟なサービスだと考えました。

そんなサービスですが、ものの善し悪しのわからない素人に9800円ださせる程度のインパクトはあります。奴らがPPC広告で言うには、士業に頼めば費用10万円、らしいから(冷笑)

ならば業界側から参加してサービスの質を上げ、間抜けな会社を駆逐すればよいではないか、というのがまず一点。

もう一つは、一般の会社がこの手のサービスを提供する場合には絶対できない登記相談業務とセットにしたり、このサービスからトリクルダウンしてくる利用者=本人申請をあきらめちゃった人から通常のご依頼を受けられるのではないか、というのが二点目。こうした狙いはあっていい、と思うのです。

業界内の(特に政治団体の)方々とはきっと違う見方なんですが、僕がこうしたサービスを嫌いなのは他人に負担をかけて自分だけが儲けるものだから、であって業界の既得権益を脅かすものだから、ではありません。相続登記は促進されるべきだし、そのために申請は容易になるべきだ、という点においては上記のようなサービスがさらに勃興し、その過程で品質が上がることを期待します。

結果として業界内で食い詰める人が少々増えるとしても…きっと一般民事家事関係裁判事務には結構な潜在需要がありますよ(笑)

冗談はさておいて。

相続登記の申請書に絞れば上記のサービスと同様類似のシステムを作って公開することはそんなに難しくはない…そうお考えの同業者の皆さま、特に動的なウェブサイトを自力で管理運営していたりプログラミングの心得があったりする方、思ったことないでしょうか?

ええ、僕もそう思いました。

あとは添付書類の収集をどれだけ丁寧に支援するか、なんですがこの部分は既存のサービスが低レベルであるのと(戸籍には筆頭者ってもんがあるんだ、と理解していない奴が作ったような戸籍請求書式が出てますので覗いてみてはいかがでしょう)、この部分は相談業務で支援するほうが役所に無用な迷惑をかけずに済みそうな気はしています。

じゃぁ作ろうか、というのが今日の、というよりこれから1年間のはなしです。

つまり、PCからネットに行ける一般人ならば無料で使える登記申請支援システムを作ろう、と。

オンラインは論外と考えてよいので、紙の申請書作って郵送で提出する前提で。

僕のところでは、申請人と不動産を入力すれば保存・名変・抹消移転設定の連件申請の書類一式が作れるように表計算ソフトを作ってあるんで(立ち会いのご依頼がこない、という致命的問題点を克服できないうちに平成が終わったため今は使っておりませんが)、できるかどうかを問われればこうしたシステム、『できるに決まってる』ことになります。

問題はそれをWeb経由で不特定多数人に解放しつつ、それなりに便利な機能と一応世間並み…いえ、世間並みから少々劣ると言われるくらいで済むユーザーインターフェイスを実装できるか、という点にあります。

この部分はちゃんとやれるようにしないとしょうがないので、Pythonを習得することにきめました。

申請人と不動産の表示と価格を入力すれば登記申請書と遺産分割協議書が自動で作れる、というくらいならgoogleドキュメントのワークシートを工夫しても作れるんですが、登記情報PDFから不動産の表示を取り込んだり(それ以前に、たとえば共有者の変遷を解析させたり)、各市町村が持っている戸籍謄本請求書をダウンロードするページをブラウザを立ち上げて表示させたりするくらいの芸はもたせてみたいわけです。

で、久しぶりに表題のアレを試してみたところなのです。まさに千里の道も一歩から(遠ーい目)

当ブログにごく少数いらっしゃるIT土方の…いえ技量優秀なるプログラマの方々には、僕がいつ音を上げるか楽しみにごらんいただきたいと思います。

うまく根負けさせるように誘導してくれれば皆様方にご依頼をお出しできるかもしれませんし、あるいはコスパ重視(結局それかよ)でランサーズにでも発注しちゃうかもしれません。

大げさな話はこのくらいにしておきましょう。5インチのフロッピーディスクに入ったN88-日本語BASICでキャリアをスタートして今はJavaScriptでスパゲッティコードが作れる、という程度のところに一つ新たに習得する言語として、Pythonはそんなに悪い選択ではないだろう、と思っているところです。

中華系の怪しいCNC加工機にGコードを食わせて何か面白い工作をするにもよさそうですし。これから始めるプロジェクトがこけても、実は趣味で使う期間が長くなるのかもしれません。

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