Webライターの人生すごろく
当事務所ウェブサイトのコンテンツは全て僕が作っています。
ウェブ制作業者にお金を払ったことはない一方で広告収入が年数千円発生する…のはあくまで副産物で、大目的は検索エンジン経由でやってくる方からの依頼誘致にあります。
リアルな世界の営業活動をせずにウェブサイトでの情報を作っては出し続けるうち、一応は事務所が潰れない状態には数年でたどり着きました(まだ潰れてないだけかもしれませんが)。過払いバブルの崩壊・その後の競争激化・素人さんたちが作るゴミコンテンツの氾濫等があって長く停滞したのですが、昨年に入って動きが出てきたな、と思っています。
ただし、依頼が来る状態にはなっていないので以下の記事は笑ってご覧ください。昨年冬、たまたま止まった人生ゲームのマス目に
「知らない雑誌の取材依頼が来る:応じる/応じない」
というイベントがあったところからのお話しです。
メールの記載を見る限りでは知らない雑誌、だった=最初は広告費を僕に出させる話と間違えかけたのですが(関係者の皆さんすみません)実は自分が学生時代に研究室で読んでいた林業関係の雑誌を出している団体からのご連絡でした。
当然ながら僕がお金を出す話であるはずもなく、謹んで取材に応じることにしたのです。
掲載に当たって身上調書を作成し、担当者さんに送りました。農学部林学科=三重大学の名称では生物資源学部生物資源学科森林資源学コース、というお経のような名前の専攻を選んだ理由を
「今となっては恥ずかしいような話ですが、高校生時代に旅先で杉の単木一斉林を見てその美しさに心惹かれるものがありまして云々」
と書いて出してしまったのです。上記の部分が赤字になっているのは、同じ樹種同じ樹齢の人工林の育成は現在の林業界ではあまりいい施業形態とされていない、そうした共通認識がある方に向けてそう書いた、と。
業界外の人に言い換えると、いやぁ若気の至りです、でも取材には誠心誠意協力しますんでどうか許してください…という意味だったんですが。
このデータの提供をうけて人生ゲームのサイコロを振ったのは編集担当者さんです。上記赤字部分をカットして僕のプロフィールを作成されました。
修正希望を遠回しに遠回しにあげてみたのですが、通らず(汗)
この記事の読み手にいろいろ深読みを許す言い方をすると、担当者さんがおられる編集制作部、というところは熱心に仕事をすると次の仕事量で報いてくれる特徴があるようです。
担当者さんからはときどき、23時半過ぎに公用のアドレスから連絡のメールが入ることがあり、もし当事務所の最重点業務のほうでご依頼があったら版元よりこの担当者さん個人に味方すると決めております。カンリカントクシャとかそういう法的主張は破るためにあるのです。
冗談は半分だけにしておいて、お話しをもどします。
当初は月刊誌1回分の取材、だったはずでしたが掲載はなぜか増え、2ヶ月にわたっておこなわれました。昨年春のことです。
この人生ゲームで、実はちょっと残念なマス目に止まっていたのです。
「雑誌に出してもらう:ただし国会図書館の雑誌記事検索にはかからない」
というマスに。毎月行ってる国会図書館、僕もいつかはあの検索にかかるような情報を世に提供できるようになりたいと思っていました。その時点ではささやかな夢の実現はおあずけ、となったわけです。
なまじ実現できそうな局面に経たされると、かえってストレスになりますよねこういう希望って(苦笑)
掲載後数週間を経て、読者さんからの反響がある→相談が増える→登記のご依頼につながる、という人生設計は考えなくていいんだ、と悟りが開けたころ、もう一つの提案が振ってきました。
同協会が出している別の雑誌に定期的に寄稿しないか、頻度は3~4ヶ月に一回だ、と。
こちらは応諾しました。国会図書館の雑誌記事検索に載るからだ、というのが実は非常に大きな理由ではあったのですが、今なら言っても許してもらえるはずです。
補助者さまとはこの話題(今度は国会図書館のOPACに名前が出るよ!出るよ出るよ出るよ!)でしばらく盛り上がれたのは当時のヒミツです。
少年漫画雑誌によくある『一つの戦いが終わったとたんに現れる、より強い敵の出現』という法則は編集制作部のなかにもあるのだと理解したのは昨年秋、雑誌への寄稿もようやく最初の1回を終えた(ばかりの)ことでした。
本を出さないか、というご提案をもらったのです。
…ずいぶん展開の早い人生ゲームです(汗)
当時の僕と補助者さまの妄想では、雑誌への定期的な寄稿の仕事を数年続けた後でなら、そういう話がくるといいねー(遠い目)とは思っていたのですが。
本職補助者合計して延べ二百数十時間の作業を経て、本が世に出たのは今年3月です。
発売開始後数ヶ月を経て、読者さんからの反響がある→相談が増える→登記のご依頼につながる、という人生設計はやっぱり考えなくていいんだ、と悟りが開けたころ、もう一つの提案が振ってきました。余所から。
著書の一部を転載させてくれないか、という話です。
広告費を出せ、という話ではないことを確認するのはお約束です。
で、昨日。
リンク先のウェブサイトに僕の著書『そこが聞きたい 山林の相続・登記相談室』(全国林業改良普及協会)の一部が転載されはじめました。
予定では来月まで週1回ずつ公開箇所を増やし、最終的には著書のうち1割強、約30ページ分についてどなたでも読めるようになります。
以上、ウェブから始めた仕事が回って回ってウェブに帰ってきちゃった、というお話しでした。ただ、ひねりは効いています。
記事掲載の提案が来た『幻冬舎GOLD ONLINE』、富裕層向けの情報提供サイトなんだそうです。
…ふ、富裕層向けの。
そんなわけで、当事務所へ労働紛争・裁判事務を依頼されたみなさまにはお声を合わせてどうぞ。
お前がそれ(富裕層向け)か!
……ご唱和ありがとうございました。
ただし掲載箇所選定に際して先方から出てきた希望を見ていると、著書を読んだんだろうな、ということは推測できました。ですのであちらのウェブサイトに苦情を申し入れたり善意の(または、正しい)指摘をしたりするのはやめておいてください。
今回通過した人生すごろくのマスが、富裕層からのご依頼につながっているとは思っておりません。だって、相続登記の費用を出しにくいひとに登記本人申請を推奨することを目的として、普段は労働者側で賃金未払い請求の仕事してる人が書いた本ですよ、これ。本件、ブラックユーモアになりかけてますよ。
それはさておいて、さすが幻冬舎系のサイトです。掲載開始当日の時点で、もう当ブログで著書を紹介したページより高い検索順位にヒットしてきました。
問題はこの先なんですが、この先掲載範囲が増えて=ウェブサイトに公開される情報が増えて、そこから貼られるリンクが当事務所ウェブサイトにつながって、ということだけはもう既定路線です。
おそるべし幻冬舎系、と言わねばなりませんが別の大きな検索サイトにも載っかる手はずが整っています。
関係者のみなさまはといいますと
本件提案を受けて著書の担当編集者さんからは、
- 晩酌が一回、おいしく飲めそうだ
というコメントを頂戴しました。よかったです(笑)
一方で、著書の初稿から付箋を乱打し「補助者の付箋」(不適切箇所の指摘)という表現が著者-担当編集者間で通じるようになってしまった補助者さまからは本件、特段のコメントが出ていないのです。
- 努力(付箋)の成果を余所へ持って行くの?
という雰囲気は足下から冷気のように伝わってきます。
次回東京出張、お土産を用意して帰るほうがよさそうです(汗)
本がもう100冊くらい売れて当事務所には相続がらみの本人訴訟の案件が来たりするようになれば、お二人にはもう少し具体的に喜んでいただけるかな、と思っています。
僕の人生すごろくは、「なにかの間違いに巻き込まれる:登記の依頼は増えない」というマス目に止まったのかもしれません。
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