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依頼人から聞く無料情報無用論

この6月から「あまりアクセス数にこだわらない/場合によってはアクセスを減らしてしまう」ことを受け入れるSEOおよびコンテンツマーケティング施策をさまざま講じています。

短期では売り上げ減少に見舞われるのではないか、と思っていたら案外そうでもなく、先月も一応乗り切ることができました。

…すでに底打ちして地を這ってるからだ、ということかもしれませんが(苦笑)

相談室でよく注意してみると、お客さま側からも気になる言葉が聞かれるようになったのです。

  • 「(士業が担当する)無料相談は役に立たない」

字面だけなら従前にも聞かれたことですが、今回は不満の矛先は各士業の事務所が客寄せで実施する無料相談に向いています。

  • 「ウェブで情報を集めることも難しくなってきた」

この発言が新しいな、と思いました。非定型的な不動産登記と労働紛争労働側の相談で、しかもウェブ/PC/プログラミングに親和性の高い人がこうした言葉を口にしています。

言い換えると、ウェブから情報を集めるのに苦労しない素養と機材を持ってるはずの人達からみて士業の(または、法律・法的手続きの)事務所や情報、相談先を適切に発見することは難しくなりつつある、ということだと推測します。

F井総研のセミナーや書籍が称揚するようなウェブマーケティング戦略の破綻、というだけならざまーみろ(笑)で済むのですがそうではなく、そうした戦略で構築されたシステムがウェブから士業の事務所にたどり着くための障害物として機能しだした、ということです。

(客寄せの)無料相談は中途半端で低品質、コンテンツマーケティングは素人がコピペしたゴミコンテンツと混淆して利活用不能な文字情報を作り出しているだけ、そうした問題が利用者側からもようやく指摘されるようになってきたのかもしれません。

別の動きがあります。

先頃やってきた登記のお客さまです。一時期自分でやってみる=登記本人申請を検討した、ということでしたのでそのご意志を尊重して関係書類を自分で集めていただくよう指導しました。

これで司法書士報酬1万円カットできてよかったね(微苦笑)というところまではいいのですが、所有権登記名義人住所変更の登記を入れなければならない不動産があります。

僕が名変やったら税別7千円、ご自身で登記申請なさるなら参考文献情報を送りますので区役所から車で5分の図書館で借りていただきたいのです、何しろウェブで集まる情報は玉か石かわかりませんので…と申し上げたら。

なぜかご依頼が僕に来ることになってしまったのです。

なんか不本意です。リーガルリサーチ/リファレンス担当司法書士として、自分の能力を否定された気がします(素直に売り上げ増加を喜ぶべきだ、ということは重々承知しています)

もっとも、このご対応も情報を適切に集めて準備することの難しさを示唆しているのかもしれません。お客さまには失礼かもしれませんが、ウェブだけで情報収集しようとした場合、どこか細かいところで対処不能になって頓挫、というのは実によくあることです。そうなる前に諦めてもらえば、傷は浅く済みます。

もう一つ、最近やってきた『無料での回答のみでよい』という指定の送信フォームからの問い合わせ。

…あ、これは雇い止めにすべきだ会社ガンバレ、というものでした。

労働者側からの送信でしたが。

おそらくウェブ経由でのアプローチは、上記に象徴される3通りに分かれるな、と思っています。

○大多数は自分ではもう情報を取りきれない・わからない、だから士業を使う、という人ですが、この大集団は『諦める/泣き寝入り』または『安ければいい』という方向にも流れそうです。

●多くない一部は労働紛争・裁判事務でときどき見かけます。自分とごく少数の理解者がいれば天下統一すら可能と思ってるらしいのですが、僕もその仲間に入ると思い込む人ほど僕の方では逃げ出す準備を整えている、というのがお約束の展開です。

◎さらに少ない客層が当事務所が歓迎するお客さまで、ある程度のしぶとさをもって検索と読み込みを続け多少のことではへこたれない、まぁそういう人です。

この属性を持つ方が直近一週間で3人続けて現れまして、僕の商売もまだまだ捨てたものではないな、と思っているところなのです。

他のメールでは、相手の勝利を願いたくなるものも…この一ヶ月で何件かありましたが。

すでに何らか(自分で!)手続きを始めてしまった人に「お前はすでに死んでいる」と申し上げるのと「残念ですご依頼には応じかねます(魚の死んだ目&電子音声以上の棒読み)」と通告して裁判所が先にとどめを刺すのを待つかは時に難しいところです。

遠回しに方針の間違いや敗北の可能性を示唆しておいて、負けたあとで関与すると依頼人との関係がうまくいくことがあるのですが、性格悪い人になりかねません(苦笑)

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