月刊誌の袋とじについて継続的観察を要する件
先日の東京出張では2泊3日の日程のうち、最終日だけが自由に使える日になりました。
いつも通り国会図書館に出向き、予定していたいくつかの検索テーマにそって資料を請求していきます。
欲しかったのは2番目の資料です。業界紙のようなそうでないような1番目の雑誌…読んでません(苦笑)
さて過払い金返還請求のときもそうだったのですが、お商売に熱心な同業者さんたちの業務が社会問題化するにはいくつかの段階があると思っています。
知人との飲み会でどこかの事務所の執務姿勢が噂の的になる→噂に出てくる事務所が増える→一般誌に記事が出る→同時に複数の新聞雑誌・執筆者が問題を扱うようになる→問題事例を扱った単行本が出る→法務局が乗り出す・テレビで特集される→(利にさとい先生方の一部は業態を転換したり法人を解散させる)→業界全体を不利に動かす裁判例が出る、まぁこんな感じの。
で、上記画面の業務は昨年秋までに相次いで違う雑誌が取り上げる時期を過ぎ、この春ついに『単行本が出る』段階まで行きました…と。
続報がないか、と言うことで定点観測キーワードを入れたところ、ZAITENの6月号の記事が出てきました。
昨年からこの執筆者の雑誌記事は読んでいたのですが、この3月に出た単行本『成年後見の闇』は別に紹介したいと思います。この業務に全くタッチしておらずこの業務に熱心に取り組んでいる先生とも親交がない僕からすると、これは同制度の利用を考えている人や問題事例にすでに巻き込まれた普通の人に勧めてよい、いい本だと考えています。
あ、実は本題はそこにありません。この雑誌に見開き2ページの、雑誌記事索引にも載っていない記事があったのです。
-東京地裁開廷情報ピックアップ-
3月10日から1ヶ月間の、東京地方裁判所の主な訴訟の事件番号と原告被告、事件名が100件ほど列挙されています。労働関係訴訟は地位確認と賃金(たぶん残業代)請求など数件が載っています。
掲載基準は『この雑誌が扱いたくなるような会社・法人・個人』が当事者のもの、としかいいようがありません。誰もが知ってる大企業に加えて宗教法人や学校法人が当事者の訴訟が掲載されていました。おそらく有名人が当事者のものは、そちらが理由で掲載されることになるでしょう。
逆に、上記の企業等を訴えた個人名も載ってしまうということで問題があるようなないような記事ですし、件数もわずか100件で網羅的とはほど遠いのですが…
これは連載記事だというのです。現に財界展望新社のウェブサイトでは、ZAITEN最新号では5月10日から1ヶ月のぶんが掲載されていると表示があります。
訴訟記録の閲覧に関する(圧倒的大多数が、不毛・非常識・無駄な)問い合わせは多々あり、それへの対応過程でいろいろな情報はありましたが、ここに気づいていた人は誰もいませんでした。灰色な情報を暴露するのが売りの雑誌に東京地裁の開廷表の抜粋が載ってると考えるほうがどうかしているといえばその通りではありますが…こんな情報でも求めている人はいるはずなので、当事務所ウェブサイトの訴訟記録閲覧方法のページに加筆しておこうと思います。
そんなわけで、国会図書館で定点観測すべき雑誌がこのたび一つ増えました。
なにしろこの記事、いつも『袋とじ』になっているようなのです。
ちなみに、もう一つの定点観測キーワード。
こちらは一冊目の雑誌を閲覧しました。内容はそんなに深刻なものではなく、遺留分に食い込んで揉めたり受託者が勝手放題にできすぎたりハウスメーカーが糸を引いてたりすでに訴訟になったりしている事例があるから金融機関側でうっかり荷担するなよ、というもの。
つまり一般的な問題事例の紹介、という程度ですよ(遠い目)
ただ、金融機関担当者向けの媒体にこれが出た、というのはきっと、素敵なドメインを押さえたあの事務所が同分野に進出の姿勢を明らかにしたことと関係があるのでしょう(ウソ)
この話題とは別に、同分野で単行本を出しておられる同業者さんがウェブサイトで『信託口の口座なんか作らない・要らない』と言っておられるのを見てしまったのですがこれとの関係は…
いや、これは邪推というものですね。
僕はこの分野には関心があるものの、あちらはあちらでなんだかオトナの事情が渦巻いていそうでうっかり近寄れないのです。引き続き、ご熱心な先生方の健闘に期待します。
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