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出張報告2日目「レッドラインの前後で」

宿泊所から車で3時間弱のその村へは、ジェットコースターが運転されています。

Dsc_0061

あ、失礼。運転しているのはお客さまです。

どこに連れてかれるかわからないような写真がイイね、などとつぶやきつつ振り回されながら携帯電話を構える僕を、隣席でNPOの方が楽しげに写真に撮っています。

仮に僕が運転した場合は、途中で休憩と食事と仮眠をとって4時間はかかると思います。

もし五新線に特急が走ってたら、そう思いを馳せます。

きっとこの人、キハ187系2両編成で運転されるスーパー小辺路1号(京都発。五新線経由新宮行き)を裏道から抜き去るに違いない、と。

もちろん実際には、五新線は未成で終わってます。

したがいましてこの陳述は、お客さまのドライビングテクニックおよび運転速度について何ら具体的な事実や価値判断を述べたものではございません(例によって、遠い目)

ちなみに今日の行動開始は午前6時過ぎ。朝ご飯がファミリーマートでの補給なのはまぁやむを得ないとしましょうか。ある村の役場に向かっています。

僕とお客さまのほか、弟子・NPOの方の4名での行動です。

役場で通された会議室では、脇からしきりと師弟関係の説明が入ります。役場担当者さんには「流言飛語に惑わされず、僕の人権を守ってください」そう笑顔でお願いして3時間弱のやりとりを終えました。

ただ、こうした冗談は執務時間中の初対面の公務員にみだりに言ってほしくない、と僕は思っています。

対外的カタログスペックとしては僕の弟子が大学名誉教授で僕はそこらに転がってる凡庸な司法書士なんですから、その秩序は尊重すべきだと(遠い目)まぁ場合によってはそうした話題に困惑する人や、かえって信頼できないと認識する人も出るでしょうからね。

役場から引き揚げる途中、役場担当者さんから連絡が入りました。「今回の訪問を村の広報で取り上げたいが、名前を出していいか」とのこと。

ちょっと考えて、僕だけ掲載不可を出しました。


思えば僕のお客さまに対するロイヤリティは、ここで下り曲線を描き始めていたのです。


昼ご飯はダム湖畔の小さなお店。メニューに見入る僕のわきから、弟子が考えるまでもなく「日替わり」と断言します。チキンカツ定食、850円。

…なにかある、と察して僕も飛びつきます。

なるほど他の定食類は900円台~1000円超。出てきたものは久しぶりに、人が手作りで作った味がしました。次の日にKさんから聞いたところでは、そこがほぼ固定の立ち寄り先だとのこと。

帰りは引き続きジェットコースターに乗り込み、数カ所への寄り道を経て進みます。

実は一箇所、寄り道の提案を辞退しました。いい写真が撮れるということなんですが…

言われるままにより道などしていると、後へ後へ予定がずれて結局自分が追い込まれるだけだ、そんな気がしたのです。

街に降りてからは、卒業研究を進めている学生さんが一名合流します。当然ふつうにご挨拶し、ちょっとくたびれて社屋に戻ると別の予定が設定されておりました。

なんでも、同じような社会課題に取り組む人が遠方からやってくるのだとか。初めてお客さまの会社を訪れる人です。

そのプレゼンテーションを僕も聞くといい、というご配慮なのです。

角の丸い名刺をさわやかに差し出してきた若い男性は、行政書士さんとのこと。挨拶代わりに、ということでその方が全国審査に出したというプレゼンテーションを聞くことになりました。

今はみんな、パワポで資料を作るんですねぇ。
プロジェクターの準備を進めるKさんをみながら、そっとため息をつきます。

プレゼンが始まりました。
淀みなく進む説明、つぎつぎに切り替わる画面、いくつものカタカナ用語…

僕は長い机の真ん中付近に座ってその端の演者を眺めています。
視界外からは、しきりに感嘆している気配が伝わってきます。

さらに視界外、机の反対側の端にいる弟子をそっと見やります。僕と同じ目をしています。

なおも続く説明。いくつかのカタカナ用語が出たところで、僕は静かに鯉口を切りました。

さらに続く説明。僕は頭の中で、襲撃作戦のリスクとリターンの計算を始めます。

説明、終了。お客さま以外の誰かがコメントすべき状況のようです。

僕は静かに、弟子を見やります。次に発する言葉を用意しておいて。

弟「-(守秘義務につき省略。ただし否定的発言を一言)-」

「よく言った!さすが僕の弟子。」

予想も期待もした通りの弟子の発言に、瞬時に予定通りの言葉で師匠が続けます。

小さなプレゼン会場が瞬間凍結されました。予想も期待もした通りに。

僕の正面で凍結中の学生さんに、脇からささやくような説明が入ります。

…左にいる指導教官(大学名誉教授)は僕(そこらに転がってる司法書士)の弟子だ、と。

ちょうどいい。
慌て気味の補足説明を聞きながら目一杯のパフォーマンス効果を計算しました。

学生さんをまっすぐ見据えて、無言で頷いてみます。
できるだけ静かに、でも威厳を持ってみえるように。

弟子は当然、脇でおとなしく控えてくれています。演者完全無視の数秒が過ぎました。

「マンガみたい」という嘆声が脇から聞こえた気もしますが、それに応じてすぐに笑いをとるほど安っぽい師弟関係ではありません。

ここは演じきったほうが楽しいはずですし、簡単に割り込まれるほど安っぽい挙動をとってもいないはずです。

いえね。せっかく関東から来てくださった学生さんへの「おもてなし」として、現代日本にもまだ梁山泊や桃園結義(でなければ、空賊マンマユート団。同名の株式会社は三鷹市にあるそうで)みたいな世界があるのを見せてあげるのもいいな、と思って…

ま、ちょっとした悪ノリですわ。

師弟一体の斬撃が終わったところで、弟子が指摘事項の説明に入ります。
師匠たる僕は、少し肩の力を抜き、口角を少し上げて弟子の説明に聞き入ります。

いつまでも正面の学生さんを凍らせておくわけにはいきません。少しリラックスしましょう。

弟子の指摘が終わったところで、お客さまは僕からもどうしても所感を聞きたいようなのです。実現への各段階においてどんな支障がありそれにどう対処するかの説明がない、と短く申し述べて終了としました。

ただ、我々師弟はこのプレゼンを単に斬っただけです。
そのあと念入りにすり潰して挽肉にしてしまったのは、NPOの方だったと僕は思っています。

詳細は言えませんが、そのNPOの方の所感には今までにない強いものを感じました。
ただし、共感すべき種類の。

ですので僕がこのNPOの方を叩き斬る日はこなさそうです。安心しました♪

客観的には、

客先への、初対面で、遠来の、同志になるかもしれない訪問者を脇から斬った、ということでレッドラインを越えたどころか即刻叩き出されても文句は言えないのですが、これも一種のプレゼンテーションだと理解しています。

当然ながら、その対象はお客さまに向いています。

  • 僕は別に依頼人の思惑をいつも尊重するわけじゃないし、
  • 低レベルな何かに調子を合わせて踊りたいわけでもないし、
  • 場合によってはお客さまに斬りかかる人ですからご安全に(遠い目)

そう認識しておいてもらうのは士業として、悪くありません。士業とは、そういうもんです。

訪問日かプレゼン内容か他の何かを間違えた行政書士さんは、あっという間に帰られました。さっきは晩ご飯を一緒にどうとか言ってたような気もしましたが。

僕もなにか間違えたらこうなっていたんだよな(最初にインフォーマルな面談を求めたから助かったんだ)、と後になって思ったのですが、ふつうの士業や理想ばかりの各種団体、お金が好きなコンサル会社の皆々様にはどうぞご安心ください。

この客先にはもう、変なひとはいません。

対抗的プレゼンや第三者へのおもてなしとしてテロ行為をはたらくようなひとは(笑)

NPOの方の滞在はこの日まで、ということで一足先にお発ちになり、18時半をまわったところで晩ご飯となりました。

12時間余の拘束を経て連れて行かれた場所は、餃子の王将(^_^;)

その際に新しい話題が出たこともあって、宿泊所に戻った際には弟子から12月9日東京へ行けだのなんだの、といった話は出ずにすみました。

この日残念だったのは、

第一に不毛なプレゼンで所定の作業に携わる時間が失われたこと。

第二にディナーが餃子の王将だったこと。

最後にやっぱり、お客さまから丁寧にお話しを聞く機会がなかったことです。

Dsc_0064c

写真はある寄り道箇所でのイメージです。

僕はこの林地に一切立ち入っておらず、画面中央に立入禁止ラインを越えた人が写っているのを補正で消したかどうかは、一切コメントしません(遠い目)

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