成果が上がれば「ええのん」を
出張相談は予定より延長して昼過ぎに終わりました。
2時間ほどある自由時間で、ランチのお店を探したいのです。(お値段が)観光地らしくないお店で。
先日出張した、京都でのこと。長ーいアーケードと「さんじょうかいー商店街♪」のBGMが名物らしい商店街にやってきました。下調べはしていません。いいお店がありそうな気がしたから。
東西方向へ一直線に伸びるアーケード沿いのほかに、直交する路地をのぞき込みながらゆっくり歩きます。
何回目かにのぞき込んだ南への路地に、なにか気配がしたのです。
…わかります?道が左に少し曲がるあたり。
忍び足で近づくと(別に悪いことしてるわけではないのですが)小さな黒板にメニューがでています。
五島うどん定食、600円。しょうが焼き定食、800円。ランチは高くても、1000円。
そうだよね。こうでなきゃいけないよね。ポルタに並んでる店のランチ1500円とか1800円とかいうのはあれ、何かの間違いなんだよね、と安心します。長崎で見かける細めの麺=五島うどん定食があるのも気に入りました。
…失礼ながら、京都地裁の食堂のほかに初めて京都でふつうに入れるお店を見つけられそうな予感がします。
さらに気配を殺して玄関に回り込むと(当然、悪いことしてるわけではないのですが)優しげな桜色ののれんがかかっていて、中の様子は不明な京町家。
お店の名前、不明です。看板どこ?(苦笑)
とはいえ値段が出ているのだからそう悪いこともあるまい、と腹をくくって引き戸を開きます。
中はブラッシュアップされた町家、というべきでしょうか。5席ほどのカウンターと2卓のテーブル、厨房には色白で黒髪で笑顔でショートヘアの眼鏡ッ娘…というよりは若干オトナな店主さま、広がっていたのはそんな小空間です。
なんかこう、都合よすぎな気がしてきます。千円でおつりのくるランチを求めて、駅前の地下街から逃れてきた身としては。Before&Afterを売りにするリフォーム番組を見てるような。
店外の黒板とおなじメニューは、ちゃんと置いてあります。
こういうときには、正体不明なものにトライするのがお約束です。二品のおかずとサラダ、おばんざいが盛り合わせてあり食後にはデザートとドリンクがついてくる、というプレートごはんを頼みました。
奥には小上がりがある模様。カウンターの端で食事を終え、ひとりスマホをいじっていた男性はやがて小上がりに消え、気配すらなくなりました。
他にお客がいるでなし、静かな…静かな昼下がりです。
やがてお年を召した女性が1人でふらっと入店、エビフライ定食を注文します。地元の人たちのやりとりが始まりました。
車庫だか物置だかの屋根が吹っ飛んだ、それは大変だよね直そうか、とか、そんな心温まる街の話題(笑)
どこかの食堂に入ったというより、どこかの家の居候になって台所の隅でご飯食べさせてもらってる気分になってきました。
ま、それもいいか。あちらのエビフライも美味しそうだし。
安易に広めるのはもったいない気がするこのお店、夜の献立もなかなか個性的です。
お酒の部。黒板に記載のとおり。
隣の隣のおかずの部、上から三段目のメニューは何か、これは尋ねずにはいられませんでした。僕はもう1人の入店者に配慮して、上記の表現で聞いたのに。
「あ、ばばあの唐揚げですね?」
ここ何日かで今年も入ったのだと嬉しげに説明をはじめた店主さまによれば、容貌が個性的らしい(顔マネをしてくれました。キュートです)白身の深海魚、なのだとのこと。名古屋ではお目にかかれない料理です。
お酒のグレード区分についても聞いてみたいのですが、これは次来れたときのたのしみにしましょう。この人は、実に楽しげに仕事をしておられます。
この出張相談がご依頼につながり、そこで成果が上がれば、日帰りせずにここで「ええのん」にトライするのはなかなか楽しそうです。
帰りは路地をジグザグに折れながら、四条烏丸まで戻ることにしました。
旧字体のホーロー看板も気になりますが、おばんざい3品ビール1杯980円昼からOKなほろよいセットのお店にも惹かれます。
観光地と観光地価格の店と満員の路線バスとまっすぐ歩かない外国人と固まって歩く修学旅行生から遠ざかれば…路地、楽しいじゃありませんか。
さて、次の出張日程が決まりました。4月23~25日、横浜・東京です。
いまのところ出張相談の余力は4月24・25日、昼間に残っています。宿泊場所の関係で、4月24日午前中は横浜駅周辺で相談可、それ以降は東京駅を交通費の起算点とします。国会図書館内での相談も、例によって可能です。
もともと23日にご要望があった打ち合わせに対応する出張なので、23日は夜間を除いて対応余力がありません。
それに、同日の夜は横浜でいい路地を探したい気もします。
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