乙 は 誰?
法律やら登記の世界でふつうに用いられている表現が、気に入らないことがあります。
その最たるものが、当事者を甲やら乙やらと記載するもの。
だったら甲乙丙丁戊己庚辛…と並べたってせいぜい10人分にしか対応していない、ならshift_jisでも⑳まで対応している番号をまるで囲んだ文字のほうがまだ汎用性が高いだろ、というのはもちろん言いがかりです。
どうせ一般人のあいだの契約書では、名前を甲やら乙やらで置き換えたってせいぜい3~4文字しか節約できないのだから、全箇所で当事者名を書いたほうが断然わかりやすい、と思うのです。
そんなわけで僕のところでは、登記原因証明情報でも売り主買い主甲乙丙、という表現をことさら避けて、当事者の名前を全箇所に書いてはゆっくり読み聞かせなどしています。
そこへ最近、妙なものがやってきました。他のセンセイが作った不動産売買契約書です。
契約書で1箇条だけ、「乙は速やかに(中略)をする」という条文があります。
- で、それ以外に乙という語が出てくる箇所がありません。
- ちなみに、甲が出てくる箇所は皆無です。
したがって、この契約書では売り主買い主のどちらが乙なのか、わかりません。
どーすりゃいいんだよ(╯‵□′)╯︵┴─┴
ちゃぶ台返しなど試みてみたい今日この頃です。
ちなみにこれをお作りになった法律事務所のウェブサイトによれば、契約書作成は5万円から、先を見越した契約書を作る、とか書いてあります。さりながら他にも突っ込みどころがいくつもあるこの契約書に対して、補助者さまは最近おかんむりなのです。
しょうがないので、報告書形式の登記原因証明情報を作成して乗り切ることにしました。
権利証、とか権利書というのもちょっと困った言葉だと思う(司法書士が登記済証に適当な表紙だの封筒だのをくっつけていなければ、普通の人からみてそれが権利書だとわからない)のですが、最近時折見かけるのはさらにひねってあるな、と思うのです。
登記関連ノベルティグッズの業者さんが作成販売している、登記識別情報通知の表紙です。
『不動産登記権利情報』って一体誰が作った造語なんでしょう?登記識別情報でも権利書でもないように慎重に作られたことばなのかもしれませんが、逆に「登記識別情報(あるいは登記済証)または権利書はお手元にありますか?」と問うても通じない現象が起きつつあるように思えます。たんに厚紙の表紙なので、目隠しシール部分に容易に手を触れることができる(そして、触れたとしてもその痕跡を残さない)のも気に入りません。
そんなわけで。僕のところでは登記識別情報通知を、まず『登記識別情報通知』と明示した緑色の窓着き封筒(業者さんが販売しているもの)に入れ、さらに茶封筒に入れて…
言い訳めいた文章を、書き添えております(苦笑)
« 関西への出張の日程調整を始めました | トップページ | 言い訳しながら、名残の花見(まずは東へ) »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 東京・福島への出張日程の調整を始めます(2023.10.03)
- 相続登記の見積もりに思う(2023.09.29)
- 今週は電話の受付を停止します(2023.09.19)
- Ricoh SG7200 排紙詰まりとその修理に関する件(これぞリアル版、泥縄)(2023.09.12)
- 夏が終わるまでに何ができるんだろうと思う(摘心後の朝顔を見ながら、ですが)(2023.08.17)
コメント