直すなら4万円、という提案のオプション
先々週に暖房の故障が発覚したエアコンは、先日の記事で予想した範囲に収まる修理費用の提示を受けました。表題の通りに。
で、修理担当者来訪から10日後の今日。そのエアコンは何事もなかったかのように稼働しています。
実際に出したお金は、4320円で済みました。
今日は、そういう話です。
家電量販店サービスセンターへの通知→メーカー系の修理担当会社への転送というごく一般的な経路から修理担当者さんが来られたのは1月19日、昼前のことです。修理依頼から二日後の来訪、ということで修理費用+αの余裕を見込んだ10万円の現金を用意するヒマは十分ありました。
5年半まえに15万円で買ったこのエアコン、許容する修理上限額をいくらにするかを巡ってはかなりな葛藤はあったのですが(笑)
さてその修理担当者さん、おもむろに室内機のカバーを外したところで
バキャっ。
と音がした瞬間はハズレの担当者が来たのかと焦りましたが、本機はフィルター掃除の際にも、もともとそうした音を立てることがあります。
隣の部屋で贈与の登記申請書作成の仕事(または、そうした仕事をしてるふり)をしながら様子をうかがうと、まず強制運転をはじめてからガス圧の測定、ややあって室外機の冷媒の配管がある側のカバーを開き、いくつかの部品になにかしている気配です。
さらにリモコンを使って、なにか設定している音が聞こえてきます。
30分ほどで、室外機と室内機をそれぞれ元に戻された様子。エアコンは運転している…ように見えます。
「室外機のなかに制御弁、というのがありまして」
担当者さんには若干の関西なまりがあるようです。というんがありましてん、と聞こえる気もします。説明は続きます。
「この制御弁を電気で動かすコイルが故障してご迷惑をおかけしています」
…きたよ。で、いくらかかるんだ?
「交換すると4万円かかるんですが」
即決で出せるが心理的に打撃を与えるには十分な金額のご提示をいただきました。説明はさらに続きます。
「で、いまその制御弁を固定しましてん」
…は?
「フルパワーでは動かないんですが、それ以外に問題はないのでこのままお使いになったら」
にこやかに、室内機に手をさしのべる担当者さん。確かに暖かい風がでてきています。
どうやら僕の知識を超えた話になってるようです。つまりそれって
「このまま修理されないということでしたら、4320円だけいただいて帰ります」
なんか、修理させない気満々な感じですが?
「修理しなくても他が壊れるとか寿命が短くなるということは全くありません」
ありまへん、と聞こえたかどうかはさておきます。どうもこの展開、修理しない方がいい、という方向に向いています。端的に言ってもらうと
「フルパワーで運転できない、という以外に、困ることは何もありません」
本機のリモコンには確かについてる『フルパワー』のボタン、押してみたのは今回故障かどうかを判定した一回きり。となればどうするべきかはわかりきっているのですが…
それまでおカネ出す気満々だったのに、おカネもらう側から「そんなこと止めとけ」と言われているような気がするのです。
ひょっとしたらこれって…
生前贈与やる気満々で来たお客さまに「実費(登録免許税&不動産取得税)ほどの効果ないよ」と申し渡すのをお客さま側から聞くとこんな気分になれるのかも、と思い直しました。
つまりこの助言は、聞くべきだ、と。
担当者さん、得たりとばかりに報告書を作成し、お持ちの端末からプリントアウトします。
曰く、
制御弁40000円、見積キャンセルのため未修理
と。なるほどこれはあくまでも僕がキャンセルしたことになるんですね(笑)
最低の料金だけ受け取って帰られた担当者さんを見送ってから、ふと思ってしまったのです。
こういう案件はきっと世にたくさんあって、顧客をテキトーに騙して片っ端から交換・修理させてれば、いまごろ外資の手に落ちることなかったんじゃないかしらあの会社、と。
それは冗談ですが、良心的に振る舞うのもなかなか難しいものだと改めて感じさせられたことです。
ちなみに今回使わずに済んだ差額3万6千円、補助者さまは「別の暖房機器を買ったらいい」とおっしゃるのです。
僕はこのお金で、室内機の内部清掃を発注しようと思っています。このエアコンと、願わくばあと5年気分よくつきあうために。
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