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ちょっとした思惑を込めて受託した無償リファレンス業務に関する件

昨日の東京出張では、別にもう一つ用事がありました。国会図書館での書見ですが、本人訴訟遂行中のお客さまからのお尋ねによるものです。

守秘義務に反しない範囲で説明すると『ある事業者にその監督官庁が出した行政処分の内容を知りたい』と。

その事業者、士業ではありませんよ。ならもっと簡単です(笑)

さて、調査を準備してみます。

まず、だいたいの違反発生時期と事業者名はわかっています。有料サービスとして提供されている(当事務所ではオンラインで、大規模図書館では無料で使える)一般の新聞記事全文検索データベースで事業者名をあたってみます。

…該当なし。

業界紙がある、とお客さまに言われたので、所蔵を検索してみます。

ありました。最寄りでは、大阪府立図書館に(爆)

もう一件、これは期待通りに国会図書館に所蔵されています。愛知県内には所蔵なし。

問題は、業界紙だからといって行政処分が公表されているとは限らない点です。士業と違って、業界団体が出している業界紙ではないのです。

ただ、仮にご所望の記事が見つかった場合、いま進めている訴訟でひどく有利になるだろう、とのことです。どうしましょう?

一見のお客さまならさっさと撤退、または作業時間制で料金計算して1時間あたり3千円、といった感じにすべきです。対応可能な料金制度は設けておりますが、これで3万円ポンと投げてくれる方がいたらそれはちょっとした豪傑と言わねばなりません。

そうした方には、2年にお一人くらいしか出会えません。

ですがこの二人のお客さま、この一年にわたって相談継続中です。相談料だけで●万円に達していますし、そろそろちょっとした便宜をはかってもいい時期ではあります。

そんなわけで、成功した場合の見返りのみ提示してこの作業をお受けすることにしました。

東京滞在、1日目。

国会図書館でも普段訪れない新館4階が、新聞とその縮刷版の資料室です。まずその業界紙1年分の縮刷版を出してもらいました。

午後の3時間かけて、1年分の検討が終わらないことに気づきました(愕然)

ただ、毎月の行政処分の発表は地方版の記事として掲載されていること、その内容はおそらくお客さまが希望しているほど詳しくないことがわかってきました。

縮刷版の精査を本気でやりたいときは、名古屋を朝出るバスでなく前日夜出るバスで東京に来たほうがいいらしい、ということもわかってきました(苦笑)

2日目。

…事実上タダで受けおそらくはタダで終わる作業ですが、やりきって帰ったほうがよさそうだ、ということで作業続行を決めました。

昨日閲覧を完了しなかった1年分と、その次の年の分も出してもらいました。

昼ご飯をとらずに6時間ほど記事を読み続けた結果、その業者に対する行政処分が出た日付は特定することができました…が、処分の内容は訴訟に有利な形では読み取れませんでした。

念のため、関東中部一円で他社に出ている同様の分野での処分を読み取って抜き書きし、今朝のメールで納品して作業を終えたところです。

見返りなし、確定。あはは(←乾いた笑い)

まぁ、処分の日は特定できたのであとは管轄官署に情報公開請求を試みるなりなんなりしてもらえればいいかもしれません。さしあたってはお客さまに再びバトンを引き継いだ、という状況です。

本人訴訟とは申せ、何か立証してみせるのも決して簡単ではない、準備書面にちょちょっとなにか書き足したから立証できたなどということはもう絶対ない、というお話しなんですが、さて本件、もしご希望の記事をご希望の形で見つけた場合の『見返り』、なにをお示ししていたと思いますか?

お客さまは二人、事案は労働関係訴訟、ということで。

それとは全然関係なく、記事が見つかったら相続登記を一人20件ずつ持ってきてください。それが辛ければ生前贈与と財産分与が混ざってもいいことにします(←高飛車)そうお客さま方に申しつけて…いえ、お願いしていたところです。

当然ながらこのお客さま方、相続だの不動産だのとはぜーんぜん関係ないお仕事に携わっておられます。

さようなら、僕の相続登記40件、推定売り上げ80万円(笑)

冗談はさておいて、ある資料を閲覧してきたいがその所蔵が東京だの大阪だのにしかない、ということでお悩みの地方在住の皆さまからもしご相談があれば、こうしたリファレンス業務は常に受け付けております。

当事務所ウェブサイトにページを設けたのは今年からですが、実は業務そのものは数年前からやっていたし訴訟の勝敗に影響を与えてもいた、そういうものだったりします。

この作業、費用は主に成果にかかわらず作業時間によって決まり、標準は1時間あたり3千円としておりますが、お客さまのご事情や訴訟の展開、その他私の気分や思惑によって、

まれに、異なる条件をお示しすることがあるかもしれません(遠い目)

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