受付停止の夜は明けて
海藻をあしらったリゾットの上にスクランブルエッグを載せたらこうなるか、と思って眺めるその土鍋。
わかめスープと冷凍ご飯、水200mlを土鍋に入れ沸騰後いったん自動消火させる設定でガスコンロにかけ、溶き卵を広げてフタをした雑炊を30分ほど放置したらこうなったのです。
昨晩の晩御飯、というより夜食でしょうか、実は日付が変わっています。先月お受けした裁判書類作成のご依頼をこなすため、久しぶりに設定した受付停止期間。書類起案の作業をあらかた終えた最終日は、思わぬところで試練に見舞われました。
下手人はLP-M120です。姉の嫁ぎ先から昨年引っ越してきたEPSONの複合機が絶賛怠業中。10枚から20枚のうち1回は必ず用紙重送で止まるのです。
昨晩用意していた印刷作業は二百枚強が各3部。タイムカードのない残業代請求事件の書証は、時として提出枚数が笑えるほど増大します。作業記録やら何やらをかき集めて労働時間の立証を図るためです。
今回は提出枚数節減のためにやむを得ず手動両面印刷することにしたのですが(一般的には裁判所提出書類で両面印刷を行いません)、これに公式対応しているプリンタが当事務所では本機しかありません。作業を始めるだけ始めたところで、両面印刷の片側ページの印刷を終わったあとで用紙ジャムが発生した場合、すでに印刷したページも無駄になる理不尽さに気づきました(苦笑)
いつの間にか泥沼にはまりこんだ状態で昼から夜へ、そして深夜へと試行錯誤を重ねます。印刷設定を厚紙にして印刷速度を落としたり、重送された用紙には決まって静電気が発生していたため、電気ポットで湯を沸かして部屋の湿度を上げてみたり針金を給紙トレイに垂らして用紙に接触させ、他端をアースにつなげてみたりもしましたが、
ダメ。もう全部ダメ!ダメダメダメ!!
なにか考え方を変える必要がありそうだ、と卵が完全に固まった雑炊のようなものを咀嚼しながら考えます。自分で買ったプリンタなら7階から外にぶん投げるのも悪くないのですが、人から貰ったものをそうするのは人としてどうかと思います。トナーも替えたばかりです。
プリンタを亡き者にできないならば。紙はどうなんでしょう?あれこれアマゾンのレビューを調べたあと、今日は不在籍証明書を取りに出た区役所からさらに足を伸ばしました。
いい紙を使ってみることにしたのです。
坪量80g/㎡ということで普段使っている500枚248円の紙より2割方厚く、重いです。お値段には倍の違いがありますが、そうは言っても1枚1円違うわけではありません。500枚一束で売ってる用紙としては、訪れたお店では高い方。これを超える価格帯の紙は光沢紙や厚紙、そうでなければプリンタメーカー純正の用紙になってきます。プリンタそのものを7階から放り捨てるかどうかという状況ですので、EPSONブランドの用紙はもちろん見もしません。
軽くさばいて、まずは片面印刷してみます。
なにごともなく最初の4枚、ついで20枚のジョブが流れました。テンションが上がってきます(笑)
用紙トレイを見ていると、給紙されるべき一番上の一枚につられてついて行きたそうにしている二枚目の紙があるときとないときがあります。
印刷の設定で、用紙を『厚紙』に変えて印刷速度を落とすと、さらに安定してきました。
次のジョブ、39枚。トラブル無しで通過しました!
…ゆ、夢のようです(そこまでいうか)
ついで両面印刷。20枚のジョブを難なくこなし、39枚×2部を流してやっぱりトラブル無し。昨晩2時間掛けてできなかった仕事が30分で終わります。
つぎつぎに保留していた出力作業を進めながら、もう悠々と晩御飯の支度に移ります。今日はちゃんと調理を要する献立にしても、プリンタに邪魔されることはありません。普通に作ったシチューとガーリックライスの作りたてをいただくことができました。昨晩はやけ酒としてヱビスビールを1本開けたのですが、今日は祝杯ということで。
結局、両面印刷を含んで延べ300ページ程度の印刷ジョブを用紙を一枚もムダにせずに完了することができたこの紙、用紙ジャム問題解決のための選択肢としてなかなかいいと思うのです。
一方、保守なしでもう5年以上使っているのに安い紙をいくら突っ込んでも支障を発生させないCANONのLBP-5050Nは結構な名機なのかもしれないと考えさせられました。こちらはカラーレーザープリンタなので、モノクロで出力してもブラック以外のトナーを消費してしまうのです。これを避けるために、モノクロレーザープリンタとしてのLP-M120に期待してドツボにはまりかけましたが、この紙を使えばごく普通のプリンタとして使えるようです。
最後に。
ためしに昨日用紙ジャムを連発させた安い紙で、今日も片面12枚のジョブを流してみました。
10枚目でしっかり重送がかかり、用紙4枚をゴミに変えてくれました(苦笑)
対照実験も予想通り終わって、用紙を変えれば問題が解決できることが確認できた、としましょうか。一人で仕事をする時間が長い事務所の先生方には、『ある仕事をしているあいだに、印刷作業が進んでいる』状態を安定して作れることは結構重要だと思います。用紙の重送でお困りでしたら、紙を変えてみるのもいいかもしれません。
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