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コンテンツマーケティングとの相克

コンテンツマーケティングという言葉が、SEO対策でもちいられるようになったのはここ3~4年のことでしょうか。

外部リンクの獲得など小手先だけのSEO対策ではなく、良質なコンテンツの増強が検索エンジンに評価されるようになる、という点では順当で魅力的な考え方だったとなったはずですが、ここへきておかしなことになっているようです。

検索エンジンを利用した結果としてたどり着くウェブサイトに、良質どころかどうでもいい情報ばかりが表示される、そんなことはありませんか?これは閲覧者から見た状況の変化です。

僕が利用しているクラウドソーシングのウェブサイトでは、昨年まで債務整理・破産・借金関係のどうでもいいようなコンテンツを数百字~一千字程度作成して 1文字当たり 0.2円から0.4円を支払われるタスクの案件がたくさんあったのです。

この分野に加えて、特に今年に入ってから、交通事故・相続・離婚、時には労働関係の案件が目に付くようになりました。そうした案件で発注者は、ときに「ウェブから検索できる程度の内容でよい」などと内容の水準を安直に指定しています。

こうした、誰が作成したかどうかわからないような成果品はどこへ行くのでしょうか。

ちょっとしたやり方で追尾してみました。言い回しを工夫した、ただし内容は凡百な(ええ、明らかに当事務所ウェブサイトの水準からみれば手を抜いた)成果品をいくつか納品したうえで、保存してあったその文章をgoogleから検索してみたのです。納品から数週間後に。

あるものは、アフィリエイト目的らしいブログにたどり着きました。

複数の成果品は、ウェブサイト制作会社またはウェブサイトに関連するマーケティングの会社が運営している、士業の事務所を紹介するサイトにたどり着きました。

こうしたサイトは、内容の正確さや独自性はともかくとして、量だけは多い情報提供を行うことで検索エンジンからの来訪者を誘致しようとしているものと考えられます。こうして集めたアクセスを、自社のサイト内にリンクや広告を出させている 士業の事務所に流入させるのです。

ここで問題は、サイトの情報の質が悪すぎるのにわけもわからず登録してしまう事務所があることでしょうか。これ自体は笑って放置すればいいのかもしれません。特に弁護士さんのそれは(遠い目)。

ちょっとした問題として、そうしたサイトが備置しているコンテンツは、既存のほかのウエブサイトから思い切りパクッて作成されていることもあるようです。同事務所ウェブサイトのコンテンツのうち、給料未払いに関するものでそうした状況を確認しています。しょせんパクリはパクリでしかない(パクった元のコンテンツの質が上限になる)うえに、パクる奴の水準が低ければさらにわけのわからないコンテンツになるわけです。

こうした余所からパクったり適当に造らせたコンテンツでとにかく情報量だけは増やそう、というのがコンテンツマーケティングの一つの終着点になったのかもしれません。閲覧者にとっては非常に迷惑な変化ですが、広告出稿あるいはコンテンツの購入という点で直接あるいは間接的に荷担せざるを得ない士業の方も増えていくのでしょうね。

愛知県内の大きな事務所さんでも、ある程度手間をかけて自社でコンテンツの質を管理しながら増強させていくタイプのA総合事務所と、それができないで広告出稿に走っているN総合事務所があるんだな、ということもわかってきました。N事務所のほうはだいぶ迷走気味、つまり広告出向先ウェブサイトに出ている情報の質を吟味してはいないようです。

意図的に作成されるゴミのようなコンテンツ、その増加問題ということでコンテンツデブリ、という語を考えてみましたが、すでにほかの方がブログ『 niwaringo(){blog}』で今年1月に用いられておりました。以後、当ブログでもこの語を用います。

googleが何らかの対応をとるまでのあいだこのコンテンツデブリは増加し続けるし、しばらくのあいだは効果がありそうに思えるSEO施策ではあるのですが中小零細の同業者さんは安易に荷担しないほうがいいと思います。

僕の場合はコンテンツマーケティングをめぐって発注側や広告出稿側(つまりふつうの士業の事務所)と実際のコンテンツ作成作業者の事情をどちらも覗けるうえに、この事務所における一人ウェブ担兼経営者ということでSEO・広告業者からの情報も入ってきます。

見えた内情はかなりずさんだ、と考えて差し支えありません。質の高いコンテンツを専門職がウェブ関係業者から買うのは難しい、と。作業者はどこの馬の骨か不明です。それを買う業者側にも知識があるディレクターはいないのですからまともなものが上がってくるはずがありません。(一部のまともな業者は、この部分を改善してくるでしょうか)

そんなわけで、その辺から電話かけてきたような広告業者からコンテンツを買ったり、そうした業者がやってるサイトに安易にカネ払って事務所名やお顔を晒したりしないほうがよいのです。

…少なくとも、2~3年後から先は(苦笑)

コンテンツの内容のよしあしをコンピュータプログラムが、つまり検索エンジンがどんな方法で評価するようになるのかは予想できません。ただ、それは向こう数年で必ず実現されるし、そうなった場合にコンテンツデブリの保有はこれまでのくだらないテクニックと同様、ペナルティ対象になるだろう、ということは期待してよいはずです。

僕としてはそうした未来を待ちながら夜なべ仕事でオリジナルコンテンツを増やしていくだけなのですが、うっかりするとこちらが先にゴミコンテンツに埋もれてしまうかもしれません。

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