電話番号を隠してみたら
ここ三日で入った、不動産登記のお問い合わせは3件。全部ウェブサイトからです。
言い方が正確ではなさそうです。
司法書士登録以来11年間でウェブ以外の依頼経路で来たご依頼が11件に満たず、残りはウェブからだ、というべきでした。
残念ながら最初の2件は、ちょっとタッチしてはいけない気配です。
…子供の体操服の名札を書き換えるのと同じような感覚で、ちょっと不動産の名義変えてよね、とおっしゃるのです。原因あっての所有権移転でしょ、ということを納得していただけないまま通話を終了することになりました。こういう人たちが本人申請を強行するとあとあと面倒なことになるんだろうな、と思えてなりません。
こういう電話が朝入るとしばらく頭痛がするようになりました。なんだか紛争の巣からもめ事のヒナが生まれたところをリアルタイムに見てしまっている気がするのです。
当然ながらそうした方々は電話で手際よくお話をお聞かせくださることもありませんで、「父と主人と長男が…」という語りだしの話を5分聞かないと、話者から見た主人と話者の父からみた長男が同一人物だ、とわからないこともあります。
不動産登記の場合はまだいいのです。最初から質問だけして終了、というパターンの電話は大体5件に1件程度にとどまっており、残りは条件次第で依頼を出す、そういうお電話です。
ま、とにかく言うがままに名義だけ変えるとか、とにかく言うがままに価格調整するとか、とにかく(以下略)というのが半分くらいあるわけですが。
これが労働紛争と裁判書類作成になると、無料相談ご希望の電話が5件中4件、そんな感じなんです。ここ数年、正確には過払いバブル崩壊後、残業代請求で依頼誘致のための無料相談を標榜するウェブサイトが増えた3年ほどが特にひどくなりました。
そんなわけで。三月下旬、ここ一年ほど温めていた計画を実行してみたのです。
労働紛争解決支援・裁判書類作成の各ページ右上に出していた電話番号を、片っ端からとっぱらってしまいました。
跡地には、相談のページへのリンクを置いています。そのページには電話番号を置いてあるので、○○を検索したらお前のサイトが出てきたから電話した、というようなお気軽な問い合わせが減るはずだ、と思ったところ…
わかりやすい結果がでました。
この分野での、電話での問い合わせがほぼ消えました(わぉ!)
3月に8件あった電話での問い合わせが4月には1件、この1件は有料での相談につながっています。
フォームからの問い合わせは3月に8件あったものが4月は9件。全体の印象としてはとても楽になった、そんな気がしていたのですが、問い合わせの記録を数えてさきほど納得しました(笑)
フォームからの問い合わせはもともと数秒~数十秒で内容が把握できます。文字情報のよさですね。お客さまの姿勢がすぐわかるため、丁寧に書いておくってくださった方には丁寧に対応することでご依頼や有料相談・法律扶助による無料相談を提案して成果が得られるのでこのまま置いておけばよく、電話でタダでなにか聞きたい、という人がどこかへ(全国系の大事務所にでも)行ってしまったぶん頭痛が減ったかな、と。
さすがにこれを不動産登記でやるほど図々しくはなれませんが、少し効果が出すぎたかな、とも思っています。
気になったのは相談へのリンクで、「無料相談」という語をいれてもあまり顕著な反応はなかったこと。法律扶助による無料法律相談は相談者からみれば無料相談なのでウソではないのですが、こうした文言を見えるところにおいておいたらクリックしたくなる、というものでもないようなのです。
なにかもう少し、リンクと周辺の文言を工夫してみたいところです。
ご依頼を検討中の皆さまにご案内します。
当事務所は連休中も平常通り執務しており、相談は10時から22時まで可能です。
電話の受け付けも…行っておりますよ(遠い目)
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