精査は人のためならず?
夜になっても窓ガラスに結露がでなくなりました。
春一番の知らせも聞かれるようになりました。
当事務所は今月、ちょっと寒い状況です。ご依頼を一件、解除といたしました。無事に書類を完成させればそれなりの売上げがあったはずなんですが。
今日は、そんな話です。
裁判所における民事紛争の解決、という分野で依頼人が実務家に期待、あるいは妄想していることで、実際にそれが期待あるいは妄想のレベルにとどまっていることの一つに、ひょっとしたら「依頼人より、事件に関する書類や証拠をよく読んでいること」を挙げてもいいのかもしれません。
なかにはご自分が何ヶ月かまえに書いたはずの書面さえ忘れたような代理人にもお会いしますから、実際のところひどい人は結構ひどいのです。相手側の書類・特に書証はなお読まない、という感じ。相手側の書証を使って攻撃するのは僕は好きなんですが、そうした叩かれ方をしたことはほとんどありません。どうしてそんなに読まないんでしょう?
忙しすぎる、というのが理由かもしれません。(常に代理人になる方々には、相応の忙しさがあるのでしょうか)
経験がなさすぎ、というのも理由かもしれません。(業界団体の統計による一事務所当たりの事件数を見ると、そうとも思えてきます)
僕のところは経験は一応あり、なぜかヒマなことが多いため(笑)お客さまから預かった資料はわりとゆっくり読むことができます。相手の主張も、こちらの証拠も。気が向けば自分で書籍や現地を調べたりして、僕なりの納得にたどり着きたいものだ、と思っています。
…たぶんヒマだからですが。
さて今週明けにも書類完成と目されていた、ある案件。例によって、お預かりしていた資料を精査していたのです。お客さまの意向を超えて。
どんなご依頼でもそうなんですが、裁判書類作成のご依頼で僕が時間の許す限りやっている資料検討の手法があります。
相手側についた因業で性悪な代理人(あ、書類作成担当者とは言いません)になったつもりで、僕のお客さまを敗北させる理由・根拠・その他弱点を探してみるのです。預かった全資料から。
こうした検討作業がお客さまから明示的に依頼されることは絶対ないので(皆さん自分が勝つために依頼されるので!)これは常に、お客さまの意向を超えてなされるもの、ということになります。
この作業、大なり小なり成果が上がることが多いのです。発見できた弱点はあらかじめ対策して申立に踏み切れる、ということになりますから。
ただ今回は、既定方針での申立そのものを崩壊させるようなデータが出てきてしまったのです。書類提出予定日の数日前になって。
いいことだとも悪いことだとも言えます。お客さまは無駄な実費や報酬を払って敗北に向かわずに済んだ、のかもしれません。
僕は…目先では書類完成後の報酬を失いましたが、勝てない論理構成でその後続く徒労を免れたと言えるかもしれません。
ただ今月は、ちょっと寒いな、と。
この報われないが重要なはずの作業、当事務所の売りにできないか考えています。
-まず貴方が負ける方法を、一緒に考えましょう!-
あ、これは無理(笑)
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お疲れ様です。ワタクシも本日、とんだ目に会いました。守秘義務から言えないお話ですが、お仕事?を一つ失ったようです。というか、勝手に敵視されて、ちょっと大変です。報酬にならないけれど、バタバタできる月末にできそうです。。。
あと、一身上の都合で○○士に登録することになってしまいました。マジ心の準備ができていませんが、そっちの業界団体で見かけたときは、優しくお声かけください。
P.S.○○士会のプールがとても気になっています。
投稿: 天然●● | 2015年2月23日 (月) 19時18分