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『非課税部分があります』

師走だから、でしょうか。小刻みに名古屋市内と近郊をまわる用事が、先週・今週で三つほど入りました。いずれも不動産登記や独立系FPでの仕事なのは大変ありがたいことです。

そんな仕事の一件に、見慣れない評価証明書の記載を目にするものがありました。

評価証明書=名古屋市内では固定資産税評価額等証明書は、所有権移転登記で登録免許税を計算し、その根拠を示すために申請書に添付するお約束の書類です。そこに手書きの追記があるのです。

『非課税部分があります』

と。

数値を書き換えると、こういう内容らしいのです。

その一筆の土地は、

  1. 登記上の地積 5000㎡
  2. 課税上の地積 4500㎡
  3. 価格 4億5000万円
  4. 500㎡は、非課税。公衆用道路であるため。

4.の部分が手書きの追記で読み取れる、と。

リクツはわかりますが初めて見ます。登記の受託件数がそもそも絶望的に少ないだけだろ、という突っ込みも自分で入れるとしましょう。

ただ、一筆の土地の中に課税部分と非課税部分が混在している、という場合にどうやって登録免許税を、そして、その根拠となるこの土地全体の価格をどう計算するか、という情報はウェブから拾えませんでしたので、情報をネットに放す価値はありそうです。

戸建ての住宅地に時折セットされる私道やその共有持ち分のように、一筆の土地がまるごと公衆用道路で非課税、というなら情報はいくらでもあります。その土地の近傍で価格の参考となる土地を法務局または市区町村役場で決めてもらって、その土地の㎡あたり単価に30%を乗じた金額を目的の土地の㎡あたり単価にして、あとは地積と持ち分を乗じてあげればよい、と。

…で、その近傍地の指定が不適切だと税務訴訟になるらしい、と(遠い目)

だったら今回の土地は?

同じ土地のなかに課税部分と公衆用道路として非課税部分があるなら近傍地もへったくれもあるまい、と考えました。上記の設例で、課税されている部分の㎡あたり単価を

4億5千万÷4500㎡=10万円/㎡ として、非課税部分の価格は

500㎡×10万円×30%=1500万円 したがって

この土地の価格は、4億5千万+1500万=4億6500万円

このように計算して所有権移転登記の申請をかけたところ、法務局から電話がかかってきました(がーん!)

「被相続人●●さんの所有権移転登記ですがね、これ集会所の部分だけ、登記上の住所が住民票の除票の住所と違ってます」

…は?

よく見ればこのマンション、居室(専有部分の建物)のほか、敷地権化されていない共有持分として土地と集会場等の建物を含んでいます。区画整理を経て、土地の名称と地番が変わりました。

で、以前登記申請をされた担当者さんは、居室と土地の持分だけは所有権登記名義人住所変更登記をしていてくださって、

僕には少しだけ、仕事を残しておいてくださった、と(爆)

ともあれ、肝心な登録免許税額の計算は間違っていなかったことを喜びましょう。明日は補助者さまや同業者さんご夫妻と、忘年会です。いいお酒になりそうです。


非課税の土地がある、あるいは土地の一部が非課税ということに気づかないで登記本人申請が頓挫する(または、申請そのものを見落とす)ことも登記の相談でたまに見るようになってきました。ウェブサイトで公開している、所有権移転登記を自分でしたい人のためのコンテンツでもこの部分への対処法を説明したいと思っています。

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