アナタの日常は、ワタシの非日常
来週は東京から房総半島への出張です。2泊3日のうち1泊を、海が見えるホテルに…宿泊費の7割を傾斜配分し、のこり1泊はカプセルホテル、そんな出張が待っています。
例によって、出張前の試練も待っています。15日の出発前に、地裁に出す訴状一件を完成させねばなりません。これが今月最大の大物、です。
なんとか最終案ができあがった17時。退勤間際の補助者さまに、査閲をお願いします。
原稿を渡してから数歩さがり、そっとつぶやいてみます。
- 誉められたら、晩ご飯はカツ丼♪
- 誉められなかったら、塩サバ(遠い目)
いささか苦笑気味に閲読を開始した彼女は十数分後、「わかりやすいです」とのお言葉をくださいました。晩ご飯にカツ丼をいただいてさらに4時間、さきほど完成案をお客さまにお送りしたところです。
一体この事務所ではなにをやってるのか、ということなんですが、訴状であれ準備書面その他の裁判書類であれ、「読むことそれ自体が仕事の他人」に読ませるもの、です。思い入れもなにもなく、言ってしまえば義務だから読む、と。
そうした人に自分に有利な情報を伝えるにはどのような書類ができていればいいか?という観点からの検討が、特に素人の方の書面にはまるごと欠損しています。それは時に致命的なほど。
僕のところでは、特に予備知識を与えない状態で補助者さまに書類を渡してわかりにくい箇所がないかをまずチェックしてもらうほか、こちらが誘導したい価値判断を(たとえば、あの社長には順法精神がない、とか)、淡々と事実を提示するだけで導けないか、そういったことを試しているのです。(たとえば…いまでも独立前に働いていた会社の預金残高を、ネットバンキング経由で覗いている、とか!)
こうしたことがどれだけ閲読者の当惑や反感を買わずにできるかが代書やさんの芸であるはず…けれどこうした部分の重要性は、ウェブではなかなか伝えられません。
お客さまにとって日常的に経験しており当然に理解していることは、それゆえに詳細な説明の必要を感じられないし、お客さまにとって糾弾や反感の対象になることは、それゆえに…淡々と説明しようという作戦に同意を得ることは難しい。
来月で開業11年になりますので、これまでに作った陳述書などの裁判書類のうち一般的なものを公開してみたいと思っています。実際にどのような書きぶりになるのか示してみて、共感できるようならご依頼いただければいいでしょう。
たとえばある業種の一般的なありさまやある技術の特徴を説明したものは、守秘義務の問題とはほぼ無縁(写真測量の重要性や歴史、なんて部分に境界画定訴訟にかかる秘密は含まれません)ですので、そうしたものを出せないか考えています。あとは、これまでの研修講師の仕事でも提供してきたような各種申立書類(当然、案件が特定される文字や数値は改変します)は公開できる可能性があります。
ただ、出したら出したで無料にするのはもったいないのではないか、という悩みはあります。まず無料で公開してみて依頼件数の推移を観察し、依頼増加につながるなら無料のままでもいいかな、などと公開もしていないのにあれこれ考えているところです。
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