BC-10に、こんなことをしてみました
先週末最大の仕事はインクジェットプリンタのオーバーホールです。
廃インクを吸収するパッドも作業前まで本当に真っ黒だったのですが、台所用漂白剤につけた甲斐あってなんとか見られるまでに回復しました。(漂白したわりには黒いようにも見えますが)
今回分解したCANONのBJC-80V、Windows7で昨年秋まで使っていました。
その後、どこかの歯車に異常がでたらしく給紙に失敗するようになり、7ヶ月ほど放置しておいたのです。
…インクのカートリッジを、セットしっぱなしで。電源も入れずに。
これは大変なことをしてしまった、と気づいたのはそのカートリッジ(BC-10)のヘッドを一晩お水につけて、なんの反応もなかった、文字通り一滴のインクも吐出しないのを見てしまった瞬間です。
困りました!このカートリッジは既に発売中止になっています。ヤフオクで5千円程度で出品されてはいるものの、プリンタが直ったかどうかが不明です。
インクが出ないのは、プリンタ本体に異常があるかもしれないのです。
こうなりゃ意地でもこのBC-10を直すしかない、ということで、次のことを逐次実施しました。
そして本日、無事に復旧したのでこの間カートリッジに行ったことを書き留めておくことにします。
こうやればなおる、というよりは、こうやっても潰れなかった、という記録です(笑)
1.電極部分が浸からないようにヘッドだけをイソプロピルアルコールに一晩漬けた(常温で)
2.電極部分ごとヘッドを鍋に入れ、煮込んだ(お湯で)
3.イソプロピルアルコールをストローに吸い上げて、インクを供給する金属メッシュに当てて吹き込んで注入した(スポイトや注射器がなかったため。口の中にまでは入れてません)
4.イソプロピルアルコールにヘッドを漬け込んで、金属メッシュ部分からストローを使って吸い上げた(上記と同様)
-ここまでで3日ほどを試行錯誤していましたが、上記3.4.をやった時点でヘッドと金属メッシュの間で液体が動くのがわかるようになりました-
5.ヘッドをカートリッジに固定している部分を切断して分解し、両者を接続している樹脂製のパッキンを除去、代わりにエポキシ系接着剤で接着した
-これは十年以上経った合成樹脂部品、ということでもう手に取った時点でボロボロでした-
以上、どこか間違えれば人間のほうが壊れそう(IPAで目を潰したり死ぬことはないでしょうが)な作業の結果、いまではヘッドもしっかり復活して元気にインクを出してくれています。
とはいえ、プリンタに装着したあともヘッドリフレッシングを5~6回やってようやく、円山応挙の幽霊画のようなコントラストの印刷結果を出させるまでに至ったのですが…まぁ嬉しかったこと。明日の晩ご飯にはビールを一本つけよう、と思ったことであります。
さらにヘッドリフレッシングを繰り返し、もちろん互換インクですのでインクだけは派手に使っておおむね元通りにできました。
今回の復旧作業でポイントになったのは5.かもしれません。かしめてあるプラスチック部品をカッターで切ってしまう関係上、ひどく抵抗のある作業ですがこれをやったあとで電極ごとヘッドを煮込んだりストローであれこれやったりすると、かなり状況が改善されるように思います。
ある獣医さんのところでは、僕も使っているBC-20のカートリッジの分解掃除をされた結果を公開しておられます。この内容に勇気づけられました。
-司法書士やら獣医さんはこんな作業が好きなのか、などと考えてはいけません-
また、その獣医さんのウェブサイトでは写真を出してくださっている樹脂製パッキンが劣化していることでインクが適切に送られない、ということもありそうです。
これらの作業の詳細を、実験ノートにつけておかなかったのが少々残念な週末になりました。ヘッドの先をアルコールを浸した綿棒でさわってみても、インクが一滴もでてこないような…廃棄寸前のヘッドに挑むなら、こうした作業もいいかと思います。
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