恐いのは、強すぎる敵ではなくて…
誰かと一緒に何事かをなすときに。
恐ろしいのは強すぎる敵に出くわすことではない、と思っています。
本当に恐いのは、弱すぎる味方、です。
…本人訴訟の支援をしていると、ほんとうにそう思えます(苦笑)
敵対側代理人の挙動に一喜一憂するとか煩雑な作業に飽きてしまうとか、まぁ弱い味方にも実にいろいろです。当事務所ではたまにしか現れないのですが、特に手続きを途中でやめるような人に出会ってしまうとその月の売り上げががたっと下がる。これがよくない(笑)
たまには言いたいことを言ってみるとしましょうか。こういう依頼人は多かれ少なかれ嫌われるだろうな、という類型をいくつか。
- 役所で怒鳴る
これを武勇伝ばりに話す方がおられます。わざわざ敵を作ることもありますまいに。
…少なくとも、今後アナタが気に入らないならワタシにもそうするのね、と想像して身構えてしまいます。そんな相談者から依頼を受けたくない場合は「それってパワハラですか」と冷静に突っ込んでみます。
- 役所で黙る
さすがにこれも厳しいです。基本的にはご自分で状況を説明してもらわなければいけないし、黙っていたらお互い何もわかりません。ただ、その後にリトライできる可能性が高い点で怒鳴る奴よりはるかにましです。
- 法律知ってるよ、と言いたい
「オレは○○書士の事務所で働いていたことがあるんだ・××書士の資格持ってる…」
そういう人と、うまくいったためしがありません(笑)
たぶん、そういう言われ方をするとつい論破したくなる僕に問題があるのかも。「それが何か(この相談で)役に立ってるんですか?」とごく自然な口調で聞いてみたことがあるんですが、至って当然ながらご依頼には至りませんでした。
- 法律知らないよ、と言いたい
そりゃワタシだってそう多くは知らないよ、と申し上げざるを得ないのですが…知らない、という事実との対峙の仕方が問題です。
知らないんだから理解する必要もない、と居直られると「でしたら代理人をおつけになるのがよいかと」と申し上げて本人訴訟の支援としてはお受けできない、ということになります。
古人曰く、知らずをもって知らざるとなし、これ知るなり、って境地に達するのが難しい、と不惑の僕も思いますよ。
- 即決/即答する
いいことではないのか、と思ってはいけないようなんです。これは。
むしろ短慮さを表すものであることが多い気がします。多少複雑な手続きについて説明して「わかりました!」などと景気よく回答されたあと、数週間後に「先生には詳細な質問をする機会を与えていただけませんでした」などというクレームが飛んできて失笑させられる、ということがあります。
…そりゃ「わかった!」って断言されたらさらに説明することは避けると思うんですよ。
- 決められない/二転三転する
これまた困る類型です。こうしたところを見てしまうと、その後の展開の予測が辛くなります。
最後に、非常に興味深いのは上記のような挙動のお客さまに共通する要素として
自分の正しさだけは疑わない
という面があります。
- 自分が正しいと思ってる奴が、もっとも間抜けだ
と僕は信じています。
で、今日午後来られたお客さまは、ご依頼にあたって「こんな請求してもいいのか」とおっしゃいました。
どうやら今回の新しいご依頼でも、いいお客さまに恵まれたようです。
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