焼きついた油汚れを除去する話
この冬から運用を開始した家庭用加熱水蒸気炉を、こう呼ぶ人もいるようです。
-ヘルシオ様、と。
・・・なんだよそのヘルシオさまって(冷笑)
そう言いかけて、やめました。今日は補助者さまの出勤日です。
さて、Yahoo!によれば『ヘルシオ様』での検索ヒット件数約45万件。この家電品に親愛と敬意を表するすべての方に連帯しつつ、今日のお話は油汚れの掃除の話です。ヘルシオも使います。
さて、写真は購入後22年たったオーブントースターの金属トレイです。
年に一度は重曹水溶液で煮込んで汚れを取っているものの、焼きついて取れない、それこそ二十年ものの油汚れが残っています。
重曹に代えてセスキ炭酸ソーダ水溶液で煮込むのもよいのですが、鍋に入れられないものを綺麗にしたいときにはどうしたらいいのでしょう?
具体的には、この写真でトレイを載せている黒いもの=ヘルシオの角皿にこびりついた油汚れをセスキ炭酸ソーダで除去する方法について試行錯誤してきたところ、このたび一通りの手順を確立したので公開します。
できれば角皿とその汚れの写真が欲しかったのですが、黒い表面に黒い汚れがつく関係で写真に撮りにくいため、代わりにオーブントースターのトレイの汚れ除去で説明します。
1.セスキ炭酸ソーダ水溶液の準備
水の重量に対して10%の重量のセスキ炭酸ソーダ粉末を投入し、かきまぜて数分放置します。パッケージに書いてある説明よりいくぶん濃いめですが、これ以上濃くしても飽和するか効果が同じだったりするようですので覚えやすい割合で行きましょう。水400gにセスキ炭酸ソーダ粉末40gを突っ込んでかきまわします。
数分すると、ほとんど溶けて透明の液体になります。
-これを菜箸でかき混ぜて作っていたのですが、箸先をぺろん、とひとなめしたところ天国に行きかけました。毒性はないとのことですので、ちょっと悶絶してみたい方はどうぞ-
2.角皿のセットおよび水溶液の投入
角皿をヘルシオの中段(または、ウォーターオーブンで角皿をセットするときの段)におき、あふれないように注意しながら1.の水溶液を角皿に入れます。
当然ながら、汚れを完全に覆う量である必要があります。
3.加熱とその反復
庫内を最高100度~数十度に保ちます。時間は2時間から4時間程度。
具体的にはつぎのようにします。2.の角皿をセットした状態で
- ウォーターオーブン設定温度100℃で5分加熱
- 30分放置
- その後、3分加熱と30分放置を任意の回数反復
汚れのひどい部位には粉末のセスキ炭酸ソーダを盛り上げておき少し水を垂らす。その後蒸し器で5分加熱→30分放置、を任意回数反復でも可です。
セスキ炭酸ソーダ粉末を大量にぶっ込んであるため、この水溶液が100度で沸騰することはありませんが、100度以上に水温を上げないことと庫内に入れる各部品の耐熱温度(樹脂製品の場合、高いものでも110度くらい)を上回らない温度設定が必須です。100度に設定したオーブン・ウォーターオーブンと蒸し器ならこの条件を満たします。
4.こする・削る
上記の処理が済んだ角皿を出したら
- 硬い汚れや傷を付けていいものの汚れを取る場合は、スプーンで
- そうでないものは、それより柔らかいもので
汚れをこすります。
このスプーンの先にある黒い汚れをこすってみます。
1分ほどで、落ちました(^_^)v
思い切りこすると落ちやすいのですが、トレイや角皿といった金属に傷を付けやすいことに注意する必要があります。基本的にはやさしくこすって落ちないようなら行程3.にもどって再加熱を繰り返すのがよいでしょう。
また、スプーンより傷つけにくく、ほどほどに硬い素材としては人の爪がなかなかいいのですが、使いすぎるとすり減ってくるような気がします。
さまざまな素材を検討した結果、キャッシュカードなどのプラスチック製カードが好適だという結論に達しました。現在、我が家では●ツモト●ヨシの会員カードがこの任にあり、良好な成果をおさめています。
汚れをあらかた落とすと、このようになります。
ヘルシオの角皿の場合、豚の角煮の油抜き→唐揚げ→フライなど、油が角皿に落ちる料理を数回続けて油汚れと焼き付きを大発生させた、という程度であれば、上記の方法で軽く復旧できることを確認しています。
セスキ炭酸ソーダの水溶液が庫内に悪影響を及ぼさないか、という心配はあるかもしれません。派手に水溶液を蒸発させるわけではないので大丈夫だろうと推測しますが、心配であればクエン酸による庫内洗浄を行うと中和されてしまうはずです。
僕は、さらにこうした掃除後に蒸し器を10分くらい稼働させて、庫内を水浸しにしてふきとっています。ついでにゆで卵なんかもつくります(汗)
そうしたわけで。全国のヘルシオ様ファンの皆さまには、今後は角皿を酷使しても大丈夫…ただし自己責任、ってやつでお願いします。
大事なヘルシオ様にそこまでやらせる勇気がない、というのであれば、上記2.3.の行程の代わりに
流しのシンクに角皿を置き、100度近くまでお鍋で加熱したセスキ炭酸ソーダ水溶液を投入し、10~30分かけて冷めたら水溶液だけお鍋に戻して再加熱→角皿に投入→再加熱
という作業を繰り返しても、ほぼ同じ結果にたどり着けるかと思います。
便利ですよね、ヘルシオ(遠い目)
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