一から設定するWindows search
NASにおいた数千個のファイルを高速に全文検索させよう、という本題の前に。
外付けのHDDを使っていて、「ぶ~ん」という振動を伴った低い音が気になることはないでしょうか。
音の種類により、これを大幅に減らすことができます。具体的には、音を出しているHDDを手で持ち上げて音が減る(つまり、モーターやファンの作動音ではなく振動が発生しているために発生する音が減る)ようなら、下の写真のように細工することで振動を伴った音がほぼ聞こえなくなります。
ごらんのとおりHDDの上下に、『激落ちくん』をカットして挟み込むだけ。下に敷くだけでもかまいません。失敗したらその激落ちくん、粛正して掃除に使ってしまえばいいので費用が無駄になることもありません。
さ、これで外付けHDDが一層使いやすくなったところで、今日はWindows searchの設定を完了して全文検索ができるようにしましょう。Windows searchが有効になっている(意図的に停止していなければ、このサービスは有効で動作しています)ことのほかに、準備はいくつかあります。
1.検索したいデータをおいた場所が、ローカルディスクとして認識されていること。
これは前回の記事でTruecryptを使って暗号化と同時に実現しました。もちろん、本当に内蔵HDDにデータをおいてしまっても全然かまいません。
2.検索したいデータに対応したiFilterがインストールされていること。
Microsoftが出しているものではないソフトウェアで作成したデータを検索の対象とした場合は、そのソフトウェアの製造者が提供しているiFilterがあるならそれをインストールすることで、Windows searchを使った全文検索とそのためのインデックス作成が可能になります。
僕のところでは一太郎とDocuworksについて、iFilterを別にインストールしてあります。
このほか『ソフト名 iFilter』で検索すれば情報は収集できると思うのですが、ソフトベンダー側がこれを提供していない場合は…あきらめることになるかと(泣)
3.Docuworksや透過型PDF等を検索の対象とする場合には、OCRがかかっている文書であること
あまりにも当たり前ではあるんですが、研修資料などについてOCRにかけるのを忘れているということはよくあります。OCRにかけていないならばテキストデータを持っているはずもなく、いくら全文検索できても絶対ヒットしません(苦笑)
ただ、これは笑い事ではないのかもしれません。場合によってはスキャンした資料を死蔵することになります。
-下準備はこれで終わりです-
4.スタートメニューの『プログラムとファイルの検索』に『インデックス』と入力
『インデックスのオプション』を選択します。
5.『詳細設定』をクリック
『詳細オプション』の『インデックスの設定』タブで『暗号化されたファイルのインデックスを作成する』を必要に応じてチェックします。これは、内蔵HDDでWindows7が標準で持っている暗号化機能によって暗号化したファイルについてインデックスを作成するかを決めるもので、Truecryptとは関係ありません。
『インデックスの場所』は初期設定のとおりでよいと思うのですが、複数の内蔵HDDを接続している場合は、高速なHDDに作成するほうがいいに決まっています。
6.『ファイルの種類』をクリック
『詳細オプション』の『ファイルの種類』タブをクリックすると、実にたくさんの種類の拡張子が列挙されているうえ、最初はその全部にチェックが入っていることがわかります。
そうやって手を広げすぎるのが、このシステムがWindowsにかける負荷が増える原因です。本当に必要なものだけチェックしておくとしましょう。チェック漏れがあったってそう悔しくない、と割り切りましょう。どうせ今まで使ってなかったんですから(笑)
僕のところでは一太郎関係(ファイルの説明が『Ichtaro IFilter』と表示されているもの)とDocuWorks(xdw)はチェック、あとはお客さまから回ってくるWordやExcelについても検索対象にすることにしました。設定が終わったら『OK』をクリックします。
7.『インデックスのオプション』から『変更』をクリック
今度はインデックスを作りたい場所を指定します。下の例ではローカルディスク(Sドライブとして認識されている、実際にはTruecryptで暗号化したNAS上の領域)の中の『終了』というフォルダを指定しているほか、初期設定で残っているCドライブのマイドキュメントとスタートメニューが選択されています。
設定したら、『OK』をクリックします。
7.信じ、耐え、待つ
『インデックス作成の速度は他の処理により遅くなっています』と表示され、インデックスが作成された個数が徐々に増えていきます。
データの量により数分から数時間(笑)かかります。
『インデックスの作成は完了しました』と言われるまで、PCの電源入れっぱなしで待ち続けるとしましょう。
この間、気が向いたら他の作業をしてもかまいません。
8.データをおいたフォルダのプロパティを確認しておく
エクスプローラから、検索したいデータをおいたフォルダを右クリックしてプロパティを確認します。『全般』タブの『詳細設定』をクリックし、『属性の詳細』で『このフォルダー内のファイルに対し、プロパティだけでなくコンテンツにもインデックスを付ける』にチェックがかかっていることを確認します。
これで、遅くとも数時間後には目的のフォルダに配置した目的のコンテンツに対して、Windows searchを使った全文検索がかかる状態になっているはずです。
9.できあがり
検索の仕方は特に難しいものではありません。エクスプローラで検索したいデータが入っているフォルダをクリックしてから、右上のウィンドウに検索語を入れる、というだけです。
もっと手っ取り早いのは個別のフォルダではなく『コンピューター』をクリックしてから検索語を入れると、コンピューターの配下にある各ローカルディスクのデータでヒットするものは片っ端から出してきます。
ちなみに、僕のPCでこの方法で『年金』と検索語を入れたらヒットした件数が529個、とか言ってきましたのでさらに検索語を追加するなどで絞り込む操作は必要ですが。
上記のシステムは、導入するだけならタダだというのが圧倒的な利点です。
iFilterを利用するインデックス検索機能を提供して、買える値段で(つまり、数十万円ではなく数千円で)入手できるソフトはほとんどありません。この一つである『全文検索くん』は、ローカルディスクだけでなくNAS上においたファイルでもインデックス検索の対象にしてくれます。
いま、これも試用して試しているところです…数週間後に記事にするかもしれません。
と、いうわけで。今日のおすすめはやっぱりこちら。
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