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小さな配慮の、報酬は…?

ネットラジオでたまに聞いているVOA Special Englishのコンテンツ。その日は『The Gift of the Magi』クリスマスも近いし、どこかに奇跡でも転がってないかな…とお茶をすすっている代書人のもとに、メールが着きました。

見ればずいぶん前に他県で出張相談をしたお客さまからです。

このほど一般先取特権による債権差押命令の発令をみた、とおっしゃるのです。法律扶助を使って、弁護士さんに依頼して。

ほほ、それは重畳。どうやらこのお客さまのところに、昨年のクリスマスの奇跡…というより、人の努力の結果が舞い降りた、というべきなんでしょう。メールを読み進めてみます。

お知らせによれば、そのお客さまは

  1. 僕がおこなった出張相談(有料)で民事法律扶助による弁護士の無料法律相談を受けるよう推奨され
  2. 民事法律扶助による弁護士の無料法律相談で、労働紛争労働側として複数の法律事務所の紹介を受け
  3. その複数の法律事務所の一つで相談の結果、その先生の知り合いの弁護士さんが経験があったこともあって(!)

法律扶助を使っての、一般先取特権に基づく債権差押命令申立を代理してもらうことができたのだ、と。

ホップ→ステップ→ジャンプ!という感じで相談ごとにいい方向に近づいていけたようで、いわばホップの段階で関与を終えた僕も大変いい気分です。

だったら最初から僕の事務所で全部やっちゃえばいいじゃん、という考え方もありますが、残念ながらこれはいけません。同業者さんには常識ですが、司法書士は地方裁判所の手続き=債権差押命令に関して法律相談をしてはいけないことになります。したがって、手続きの成否や個別具体的に整えるべき書類を教示するわけにはいきません。

これを守って僕ができることは、ウェブサイトのコンテンツ各所で一般的な情報を提供することと、個別の相談に際しては『今後は弁護士による法律相談のみを推奨し司法書士および社労士による相談を断固非推奨とする。弁護士から一般先取特権の行使について提案を受けた場合は全力で乗っかるように(遠い目)』と言い渡して撤退する、という程度です。

もちろんお客さまから個別に手続きの指定を受けた場合は書類作成を受託できるのですが、お客さまによっては相談やメールで「わたしこれからどうしたらいいかよくわかりません」と言われてしまうことがあります。こうした人に積極的に特定の手続きを推奨することは法律相談に他ならないと考えるので、

「○○については僕のところでは教えないが弁護士さんのところで教えられたら最大限尊重すること」

という、自分でもよくわからないような情報提供にとどめざるをえません。

そうしたハンディキャップを負っていても、この人には特定の手続きを勧めたい、と思うことはあります。

その場合でも正面から司法書士法を破ることはありません(当然です!)心の中では

  • この人、あとは未払い債権に関する確認書があれば一般先取特権使えるのに

と思っていても

  • 今後の訴訟提起あるいは仮差押の申立に備えて、社長から未払いの給料額を書面で明らかにしておいてもらうといいでしょうね(遠い目)

といった助言を行うにとどめております。もっとぼかした言い方で

  • できるだけ早く、労基署に申告を行うようにしてください(そうすれば労基署の関与を経て、賃金の未払い額だけは明らかになる書面が出てくることがありますから)

としか言わないこともあります。

これだと合法性は確保できるがお客さまに真意が伝わらない(当然です!)のが難点ではありますが…

まぁ、そこはそれ。真意はともかく助言ではある以上、こちらの助言を容れなかった方には相応の結末が待っている、それはやむを得ないことと割り切ります。今回の事案では、僕は真意をあまり見せずにお客さまを次の相談に送り出し、その後の法律相談ではうまい具合に、実にうまい具合に弁護士さんによるリレーを経て最善の結果にたどり着いた、そういうことです。

で、僕にはプライスレスな報酬がありました。

その手続きを受任した先生を、教えてもらったのです。

とりあえずその町では、労働紛争労働側難易度高めの事案でどうしても困ったことがあったらこっそりその事務所を紹介しよう、と思っています。

あまりご迷惑をおかけしないよう、真意を隠してお膳立てはさせていただきますが(笑)


ところで、たまに何を間違ったかいきなり電話をかけてきて

「ウェブサイトを見たんですが、一般先取特権について(電話で!無料で!すぐに!匿名で!)聞きたいんですが」

などと言ってくる人がいます。電話を受けてるこっちが本職かどうかも確かめずに。

こうした方には時間を割いても無駄だ、ということも、もう学んでしまったのです。肝心なところではちゃんとお金をかけたり、きちんと会って話をする、そうした重要性に気づいておられる方をこの事務所ではお客さまに選びます。

さて、今週は今年初の出張が入るかもしれません。行き先としては関西方面かもしれません。

…え?何も隠してません。隠してませんよ(遠い目)

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