第5次開廷表調査の日程について
ことしも当事務所恒例の、開廷表調査の季節がやってまいりました。すずきしんたろう事務所第5次開廷表調査を実施します。
数年前に支部研修の講師のご依頼をいただいて、「そういえば地元の裁判所で労働関係の訴訟って、実際どのくらい係属しているんだろう?」といった素朴な関心でスタートさせたこの調査、手法はいたって単純です。
一ヶ月から二週間程度の期間を定めて名古屋簡裁・地裁・高裁の開廷表を毎日調べ、事件名が労働関係(賃金・残業代・地位確認など)である訴訟の事件名・事件番号その他のデータをストックし、気が向いた事案は訴訟記録を閲覧する、というものです。
この4年で、調査は5回目を迎えました。2回目以降は実施時期を10月にして、当事務所の年中行事として定着しつつあります。
…馬鹿かお前は?と思われた同業者のみなさま。
昨年に引き続いて、あなたのほうが健全です(笑)
ただ、継続は力なりといいましょうか。捕捉した労働訴訟のデータのストックが120件を超えていることに気づきました。すべての訴訟記録はまだ保存期間内ですので、裁判所に行って閲覧をかければ結構深い情報に接することができます。その気になればこれを丹念に整理して、単行本が一冊書けるかもしれません。
自分でそれをやらないまでも、社会統計学か法社会学の修士論文の題材に困った哀れな大学院生、程度のキャラクターにならいくらかの値段で売りつけられそうなデータです。
あ、もちろん冗談です。冗談ですから。
この調査、昨年は10月の一ヶ月間にわたってデータをとりましたが、今年は調査期間を10月21日から11月1日と定めました。
過払いバブルの完全崩壊とそれをうけて迷走しつつある弁護士司法書士の増加による残業代請求専門事務所の勃興が、どれだけ実際の訴訟の増加につながっているか、これが今回の調査で読み取りたい情報なのです。
これが有意に増えてなければ、連中がやってる残業代請求は『金儲け目当ての過払い金返還請求の続き』と推定できるでしょう。過払いのときも、訴訟が面倒だからと適当な裁判外和解で落としていた軟派な同業者さんはいっぱいおられたはずです。
さて、もしそうだったら。
こんどの研修では経営側に講義の傾向を振ってみようと思ってるのですが(この業界、労働分野の研修ではまだ労働側と経営側に講師をわけられるほど講師層に厚みはないと考えています)、全国対応を標榜する残業代請求専門の事務所から受講者の先生方の関与先企業が残業代の請求をうけたとしても
残業代請求とはいえ、どうせ金儲けであって世の中をよくする営みではないのだから、いっそ企業側の代理人について適当に値切りなさい。皆さんの過払い金返還請求を粘り強く受けて立った消費者金融側担当者の言動をヒントにして(笑)
というお話をしようか…ちょっと考えています。
これは冗談ではなく、金儲けの対象としてみた場合の過払い金返還請求と残業代請求には結構似かよったところがある一方、これをよく研究することで今後はむしろ残業代請求を受けて立つ側=企業側での関与の可能性を増やせるのではないか、と考えています。
もちろん自分ではやりませんが、研修テーマとしてはウケる可能性が高いか、と。攻撃側で経験を積んだものを防御に転用しているだけで、実質的には表裏一体なのです。そして目指すところは攻撃であれ防御であれ、平和の実現と維持であることに違いはありません(遠い目)
…え、武器商人もそんなことを言うもんだ、って?
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