忙しく、でも実りある一日の日報
6:00
玄関を開けると、地上より少し早い夜明け。廊下中が輝いています。名古屋駅8時発の高速バスで出張を設定している今日は、バスに乗る前に市内で現地調査を一件突っ込んであります(苦笑)
昨晩は表計算ソフトを使った作業状況のシミュレートにはまっており、就寝は3時前。寝不足時特有の浮ついた感じで、とにかく調査と写真撮影を終えて名古屋駅高速バス乗り場に向かいます。
8:00
今日が春休み期間の週末だったことにあらためて気づかされました。大規模遊園地に行くそのバスは、2号車を続行させての運転で関西に向かいます。
…どうしようもない女どもが3名ばかり出発時間に遅れてきたのを待って(えぇーっ)なぜか2台とも5分延発となりました。ほぼ所定通りに着いたので、1時間ほどかけて目的の裁判所付近に移動の後、お昼ご飯にします。インディカ米のチキンライスが美味しい中国料理店を発見しました。
14時過ぎ
労働審判の期日、というのはその裁判所にあっても傍聴不可、というより今さら傍聴許可をもとめて上申する気にもなれません。差し渡し数十メートルの長い廊下に、ときおり誰もいなくなる静寂をしみじみと味わいながら…
ベンチで次の動きを待っています。
「案外厳しかったですね」
審判廷から出てきた男Aが、鞄をゴロゴロ引っ張ってきた男Bにぼやきました。呼気の三割ほどが脇腹から漏れてるような話し方です。
そりゃお前さんが相応なことやってたからだろうが、という思念波を送りつつ、隣の隣のベンチで無関心無表情を決め込む旅行書士。あちらは気づく気配もありません。
僕は審判廷内に入れないハンデがある一方、何も考えずに廊下でオフレコな心情を吐露する敵対当事者の発言が聞けてしまう立場にあるのです。
「弁護士(期日で)話せませんね」
ややあって、彼らと入れ違いに廊下に出てきたお客さまの所感です。さすがです。こちらは労働審判期日の特徴と展開をよく捉えていらっしゃる。
- 裁判所は僕の書いた書面のいくつかを拾って敵対当事者を袋叩きにし、
- 相手方代理人は対処能力を失っており基本的に放置プレイ、
- お客さまは相手方の向かい側の席でニコニコしておればそれでよく、
- 僕だけが廊下で泣きながら、他事件の準備書面を書いている、
僕にとっての理想の労働審判第一回期日は、まぁそうしたものです。
で、今回はそのとおりになり、一時間弱で目的を達して調停成立となりました。
おかげで1本早いバスで帰れます。駅に戻って、近くの綺麗な商業ビルへ。普段なら寄りつきもしないブランドショップが入るそのビルの4階に訪れたのは、補助者さまへの債務の履行を遅滞しているからです。
3月14日付けお返し請求権、とかそうした名前の債務が、遅滞に陥っています。彼女の好みにしたがって、少しよさげなチョコレートを仕入れました。
17:30
刺激臭が座席の後ろから漂ってきます!
思わず準備書面の作成を止めて、場合によっては訴状作成に切り替えようかと振り返る名古屋行きバスの中。
不法行為の源は、後ろのお兄ちゃんにありました。
着座位置を座面の前にせり出させて足を組み靴を脱いでいる関係上、靴下の位置が僕の座席の肘掛けの直後に来るのです。名阪近鉄バスの新しいバスは、背もたれの間が比較的広くあいています。光も空気もよく通る、ということです。
…足がくさい、というのは年齢にかかわらず発生するのだな、と妙に安心したことであります。
20:50
21時までに帰ってきました。帰りの車中でパスワードを3回間違えたため、登記情報提供サービスに携帯端末からログインできなくなっていたのです。サービス提供10分前に間に合って、若干のドキドキを感じながらも先日申請した信託登記が通っていることを確認します。
…しかし、この信託目録の番号おそろしく若いな(苦笑)
家族内外での資産防衛や相続対策、あるいは将来意思能力を失う場合に備えて適切な民事信託を組みたててあげる、というのは結構よさそうだと思うのですが、そうでもないのでしょうか。登記そのものはつつがなく済んで嬉しいのですが、少々複雑な心境です。
23:58
文字通り日付が変わる直前に、お客さまへの準備書面案をPDFに組んでアップロードすることができました。本文10ページ別表42ページのこの書面、お客さまによれば禁断のクラスター爆弾、そうした破壊力を持っているだろう、とのことです。
相手を決定的に論破でき、しかもそれが訴訟の勝敗に直結し、さらにはそれ自体がお客さまにできる作業やわかっていた着眼点でなかった、ということはそんなに多くは発生しません。せいぜい複数年に一回くらい、でしょうか。おかげで今日の出張は、空いてる時間をあらかたこの準備書面作成に突っ込んでいます。
それができるとしても、頼むからこんなに忙しい日でなくてもいいのに、と思わずにはいられません。よく考えたら晩ご飯を食べていないことに気づきました。
まぁ、いいとしましょう。今日は珍しいくらい実りある一日になっています。
さて、業界団体の名簿で確認したところ、僕は3月22日で司法書士登録9周年を迎えていました。
てっきり23日だと思ってました!
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