6ヶ月14日のカベ
明日から冬休みです。その前に、先月ご依頼を受けた労働審判手続申立書2件のうち(先に受けたほう)1件の文案を作ってしまい、お客さまに送って回答を待とう…と思っていたのですが。
ブログに書いたあと、ふと考えました。
仮にそうやった場合、残ったもう一件のお客さまの感情を害するかも(汗)
というわけで。昨日は予定通り一件を、今日は意地で一件を、それぞれ文案脱稿してお客さま方に送信を終えたところです。今日は早くも来所で相談のお客さまがあり、初売り上げも発生して、
正月どこ?どこよ(遠い目)?そんな三が日になりました。
そんな1月2日のはなしです。
名古屋市在住のある派遣従業員が一宮市の現場Aで労働災害に遭いました。会社はこれを隠して従業員をクビにします。さらに会社はこれを隠すため、事故発生日にはその従業員が春日井市にある別の現場Bで働いていた、そこでケンカをして勝手に辞めた、…そんな虚偽の申立を職安にした、としましょうか。
-これは実際お受けしている事案とは全く異なりますので念のため-
派遣先の協力が現場の消滅により得られず、派遣元は当然紛争発生源なんで正しいこと言ってくれるはずがない、そんなときに上記従業員が一宮市の現場Aで働いていたことを『立証する』のはそう簡単ではないことがあります。
交通系ICカードの記録は残っておらず、経路周辺で買い物した記録もなし、もとよりその現場では出入管理はない、協力してくれる同僚もいない…と、なると?
人によってはさじを投げてみたい頃合いですが(最初っから投げてる人もいるかもしれませんが)僕はなかなかあきらめきれず、ここ二週間ほどあれこれ悩んでいたんですよ。
- あるときは床にワックスをかけながら。
- またあるときは床用クリーナーで台所の油汚れを拭きながら。
- さらにあるときには台所用漂白剤で浴槽の黒ずみを落としながら。
要するに大掃除のついでか?とお考えになりませんように。ほかのことをしながらうすらぼんやりと肝心なことを考え続けるのは結構大事だと思います。
で、昨日ようやく思いつきました!
僕のお客さま…ではない上記事例の従業員は、一宮市の現場に行くために名古屋-一宮間で通勤定期券を購入しています。定期券購入申込書を当該交通機関から個人情報開示請求で取り寄せたなら、少なくとも購入時点で名古屋から一宮市に通う意思があったことが立証できるはず!
これ凄いよ完璧だよ自分♪と喜びいさんでその交通機関における定期券購入申込書の保存期限を調べたら。
- 6ヶ月と14日、とありました。
- 事件が起きたの、一年前(愕然)
かくて真相はやっぱり闇の中、と当記事の設例ではなるのですが、実際にお受けしている事案では別の切り口からもう少し証拠を集めています。そうでなければこの失敗、笑い話として公開できませんからね。
ただ今回思いついた定期券購入申込書の開示請求は、購入時期にそこに通勤する意志があった、ということを立証する一つの手がかりになるはずです。購入直後に解雇された、というような事案でいずれ使ってみることになるでしょう。
…紛争発生から、お早めに依頼がいただけるならば。
さて福岡の信徒さんとはもう8年のおつきあいになるんですね、コメントありがとうございました。当時はたしか青春18きっぷで帰省中、弁天島あたりでお問い合わせを受信して
こ・れ・は揉めるよなー
と浜名湖を眺めながら白目をむいた(笑)のを懐かしく思い出します。
あのときも少々工夫した立証活動を行いましたが、さて今の自分があのご依頼をお受けしたらもう少しましな仕事が出来ているのか、なかなか難しいものがありますね。洗練されたつもりで要領よくなってるだけかもしれないし、冷静になったつもりで淡泊に枯れただけかもしれない。それは皆さんの業界でもそうなのかもしれません。
まぁ、もし道を踏み外すようならこのブログの文章が荒れるでしょうから、適時に警告をはなってもらえればありがたいですね。これからもよろしくお願いします。
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