『用心棒』がNGで『たたかう』がOKな不思議
寒い寒い寒い!
寒い寒い寒い!
実家の日中の、室温、14℃。
…あまりに寒いので滞在を二泊三日できりあげ、私用では素敵なひとのエスコートでもしてないかぎりまず使わない新幹線を使って逃げ帰ってきました。
予想はしていたのですが、実家の冬は寒がりで鼻が悪い僕にとって、あまりにも過酷です。だいたい室温20℃を割ったところでキーボードの打鍵にも支障をきたすので、実家滞在中の作業は資料の検討に限られると割り切って準備して帰りました。
業界団体における広告規制に関する会則と会則制定までに公開された参考資料が、今回の検討材料です。
もちろん過払いや相続でいまさらリアルな媒体に広告をばらまく準備ではありません。この広告規制の前身となるガイドラインの施行時にいったん公開を停止した、当事務所の労働紛争に関する裁判事務の統計を再公開しようと思うのです。この会則が施行されてすでに一年余。見たところこれで誰かパクられることもなさそう…とは申しますまい。そうした規制の内容がころころ変わる時期は過ぎたはずです。
さてその規制。広告として明示的に公開を禁じていることがらで、以前僕の事務所で公開していたことがらに該当するおそれが高いと思われるものが一点ありました。
- 訴訟事件の勝訴率
世のお客さまがたが一番知りたいところじゃん、これをあえて公開禁止にするのは何かハズカシイことでもあんのかね(冷笑)と僕は思うのですが、とにかくこれはダメだ、という決まりになっています。しかも、業界団体が広告規制を導入する際の参考資料に挙げられた日弁連のほうの規制でも同じ条文(こちらは、単に勝訴率としています)があるんです。だったらきっと、人には言えないとか恥ずかしいということではないんでしょうよ(遠い目)
念のため参考資料の解説によれば、勝訴率を広告に出すと閲覧者を(表示されているような好結果が得られると)誤導するおそれがあるから、ということなのだそうです。しかしながら勝訴率というのが一体何を意味するかの解説がないので、
- 個別の事案で、請求額に対して請求が認容された割合
- ある時期に結論が出た事案の総件数を母集団として、完全敗訴を免れた(つまり、一部でも勝訴した)事案の件数の割合
これらは公開しないほうがよいと考えました。世のお客さまがたが一番知りたいところだと、僕は思うのですがね。
ですのでこれから公開する統計では、主として手続き類型と請求額別の受託件数・終了件数を出しておくことにしましょう。これだけでもまぁ、落ち着いて読んでもらえればそれなりの実績がある(そしてなにより、少額の請求を邪険にあつかわない)ことが伝わるはずです。
ところで、読み進めていた参考資料に不思議な記載がありました。低俗な表現、奇異な表現が不可、ということで、例として
- 用心棒弁護士→不可
- たたかう弁護士→可
と、いうのです。旅行とか代書やさんとかいう表現が、もし低俗だったり奇異だったりするとこの事務所もブログもいよいよ一巻の終わり、ということですね(笑)
まあ、この部分に若干のこる曖昧さはしばらくおいておきましょう。万一これが低俗だの奇異だのというお達しがどこかから降ってくるようなら、職業人としてはむしろ笑って筆を折ったほうがいいはずです(あ、でも法廷闘争も悪くない気がします)。
ところで、債務整理をやってる(ときとして、会務や研修講師のしごとにもご熱心だという情報が流れてくる)同業者さんのウェブサイトやブログには、ときおり相手方会社の名前をしっかり出してあるものがあります。
そんなにけなして倫理的に大丈夫なの?法人とはいえ相手にだって最低限の名誉はあるでしょうよ、と思って眺めていたのですが、これには参考資料に言い訳が、もとい論理的な説明が載っておりました。
曰く、相手方は依頼人ではないので守秘義務が及ばない、と。
つまり、万一誰かが何かを間違えて『旅行書士という表現は奇異なるがゆえに使用を許さぬ云々』などと言ってきた場合、そいつは依頼人ではないので…
ああ、なにやらスバラシイ(笑)
かように結構身勝手な印象をうける会則と参考資料ではありますが、それでも公開禁止事項を定めた条文のうしろに『受任中の事件又は過去に取り扱った事件。ただし、依頼者の書面による同意がある場合及び依頼者が特定されず、かつ依頼者の利益を損なうおそれがない場合を除く。』という規定が転がっています。
この条文後段があるおかげで、どうやら当ブログも受託した裁判事務の統計化も、公開を許されているといえそうです。
…いちばん肝心なところをのぞいて、ですがね(笑)
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